カスタマーレビュー

2013年9月13日
新聞広告を見てすぐさま書店で購入。一気に読了した。
福島原発事故のあと原子力政策を論じた本は何冊もでている。その多くが原子力村の人々が書いた再稼働推進のポジショントーク本か、反原発系の人が書いた感情的に放射能の脅威を論じる本であった。

本書は小説というスタイルをとることで様々な立場、ポジションの登場人物が自らの業界の利益を語る。電事連をモデルにした組織や自民党・民主党をモデルにした政党、佐藤元福島県知事のように国策捜査の毒牙にかかる原発立地県の改革派知事も登場する。様々な業界の「立場」が登場人物のセリフとして語られる。どの立場にもその立場なりの正義は存在する。

この作品は小説という体裁をとっているが、現在の福島原発事故後の日本が抱えている様々な原子力をめぐる問題をわかりやすくまとめてある。原子力問題は放射能問題というよりは、国の統治のあり方そのものを浮き彫りにする問題であることがよく分かる
。この本を読んだあとサイレントマジョリティの有権者は「原発再稼働はまだ時期尚早」と思うに違いない。客観的な情報の裏付けがあるとろこにこの本の価値がある。

著者の若杉氏は現役キャリア官僚のようだが、素性は一切書かれていない。本書の中でもマスコミに協力して内部情報をリークする善良な官僚が出てくるが、官僚というのは守秘義務を負うから、実名ではできないのだろう。

タイトルの「原発ホワイトアウト」。この意味は最後になって明かされる。ブラックアウトではないところに注目してほしい。
この本を読むことで、多くの読者が原子力問題を一歩立ち止まって考えることになれば、非常に良いことでしょう。「再稼働反対」だけを唱えるのではなく、国民が自分の頭で考えて一歩を踏み出さないと、また福島原発事故のような事故は必ず起きる。

原発政策は国家の最高機密であるという問題から本書は内部告発や機密保全法をめぐる問題にまで踏み込んでいる。
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