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Customer Review

on June 18, 2014
PAエンジニアをしていた者です。その観点から、あまり専門的にはならず寸評してみます。
パッケージは横150mm、縦200mmのC型箱です。
●曲のラインナップ(通常版・初回盤共通)ですが、
5曲目の「Week End」はシングル版、
6曲目の「紅」はイントロにオーケストラのサビ演奏が入るアルバム版(『B.O.X.CD-Best of X』に収録されているカラオケ版はイントロ〜バンド演奏開始の瞬間にリバーブがかかりますが、そのヴァージョンではありません)、
7曲目の「Forever Love」は一番最初に発表されたシングル版です。
5は、ご存知のように旧版には開始5秒のところでスクラッチ・ノイズのような雑音が入っていました。
聴いたところでは、何とかしようとした形跡はうかがえるのですが、リマスタリングで多少改善されたものの、完全に消えてはいませんでした。おそらく最初のミックス時に混入したノイズと思われ、今回のCDはあくまでRe・マスタリングであって、Re・ミックスではないということです。本曲はRose&Bloodツアー中にレコーディングされ、YOSHIKIさんが倒れる前でしたかね。「Es Durのピアノ線」「Say Anything」と同様、完璧主義を貫けなかった曲の一つだったかもしれません。マスターテープは存在するはずですが、今回のリマスタリングに際してYOSHIKIさんが具体的に関わってはいない可能性があると思われる理由の一つです。

9曲目の「Amethyst」はLast Liveのオープニング版で、例の女性ナレーションのヤツです。ライブ版なので当然オーディエンスの歓声を生かしたアンビエンス・マイクの音があるため、その音と帯域的にかぶってしまうビオラ&バイオリン系の音はややハイ上がりとなっていますが、耳にこたえるようなものではありません。ラインからの音源もダイレクト入力で被せてあるので、ライブ盤を意識しすぎるあまりPAスピーカーから出力されるPA音がそのままアンビエンス・マイクに回り込んでしまう傾向を払拭しています。「Amethyst」は元々、X−JAPAN名義になってからライブのオープニング曲を変更しようとなった際に、hideちゃんが、後楽園遊園地で開催されていたX−JAPANのイベントで流れていた本曲を聴き、「コレ、いいじゃん。何だっけ?」――YOSHIKI「オレの曲、オレの曲」といったやり取りで決まった経緯があります(SHOXX スペシャル Vol.31 1995年臨時増刊3月号 X−JAPANパーソナル・ロング・インタビュー47ページより。インタビュアーは、ジュクジョこと、大島暁美さん)。
ちなみに今回の試聴にはプロ・ユースの定番名器であるSONYのMDR-CD900ST(ストレート・コード型)のヘッドホンを使用しました。

10曲目の「X」(同Live版)へ移行する際、一般的にライブをCD化するとなると、曲と曲とのつなぎはMCなどの関係で一旦、曲を切る際にスムーズなfade out〜fade inという形にするものですが、本CDの場合、ライブの雰囲気を壊さない為あるいは、持続させる為でしょうか、女性の声のみを残して全ての音が消音、ナレーションの「エックス、エックス、エックス……」というエコーだけが残像として続き、突然「X」の演奏へつなげる、という編集が入っていました。びっくりしました。誰の意図でしょうか。
Last Liveは前半途中でよっちゃんのドラムのスナッピーが、外れるか切れたかだと思いますが、終始スネアが妙な音を立てていました。私自身、実際にあの場所にいましたし、後にTV放送された2バージョン共、このノイズは存在していました。が、辛くも(?)本曲でのスネア音は何ら問題はありません。ただ、ギターの音とベースの音のミックスが妙です。通常、右チャンネルがHIDEちゃん、左が石塚先生とPANは決まっていましたが、この曲(のみ)ではこれが逆になっています。また、ベースの音が聞こえずらいです。SUGI様が言うように、どこまでも正確な演奏の”キチョッパー”HEATHが演奏ミスるなどありえません。弦楽器隊3人のサウンドメイクとミックスがうまくいかなかったようです。松本裕士さん(hideちゃんの弟さん)の著書『兄弟』によると、ラストライブの為に数日前からリハーサルを行ってはいたようですが、特効などの舞台装置を含め、準備が慌ただしかったかもしれません。それも含めて“Last Live”でしょうか。石塚先生のカッティングはいつも以上に正確かつベードラとのグルーヴが良いです。HIDEちゃんのオブリはちょっとタメ気味で、HIDEちゃんがモッキンで奏でた演奏は実質、このライブが最後でしょうか。Spread Beaverでは一度もギターは持ってませんから。また、「X」のサビ&Gソロでは後ろでシンセが鳴ってます。今までなかったアレンジです。

11曲目「Without You」は最初こそToshl君のマイクがやや吹きますが、オーケストラの演奏が入ってきてからは問題ありません。むしろ10曲目の「X」の方が音が良く聴こえるほどです。というのは、バックで被ってくるドンシャリなバンドサウンドとピアノ&オーケストラではマイクのCOMPやEQなどのセッティングが変わって当然だからです。特にToshl君はずっとロック歌ってた人ですから、マイクは基本、ハンドでオン・マイクになっていますから、マイクが吹くのはその為です。

「Art Of Life」は、Xの場合、通例バッキングのチャンネル分けは、左が石塚先生、右がHIDEちゃんと決まってましたが、本作のみバッキングは全て石塚先生、オブリ&Gソロ関係がHIDEちゃんと役割分担がイレギュラーな為、楽曲全体がまとまり過ぎるきらいがありましたが、リマスタによって音圧全体が持ち上がり、ベースの存在感が増したことで、ベタつく音質が大きく改善しました。バッキングを同人物がステレオ録音した際、同じ楽器の同じ弾き方&同じアンプによるセッティング等でタイム感やピッチの揺れなどによって、フェイズ的な効果(同位相)が出てしまい、微妙な音のうねりなどの各自の差ができにくい傾向に陥りやすいものですから、この改善は貢献度が大きいです。

●リマスタリング総評。実際に旧版と聞き比べをしましたが、全体として音像がハッキリしてます。
特にVoの定位とエアー感は驚くほど変わりました。少しハイ上がりかなとも感じましたが、アンプやヘッドホンで対処できる範囲です。予算的に厳しいかたは、スピーカーやヘッドホンにティッシュを一枚貼るか被せるとよいです(実際にプロのレコーディング・エンジニアなどはそうします)。

また、ベース、特にHEATHさんのベースが聞こえやすくなっているのも特徴です。X−JAPAN名義になってからのミックスは、『Vanishing Vision』に回帰するがごとく、ベース音がハッキリ聞こえずらくなりました。どちらかと言えばYOSHIKIスタイルのベースの定義は“音圧”で、しかしHEATHさん自身の信条としてはゴリゴリの渋い音がお好みのようです。実際にヒーちゃんの当時のレコーディング用ベースがオール・ハワイアン・コアで作られていますから、彼が実はいろいろ細かいことを演っていたというのが今回のリマスタでよく分かります。

「DAHLIA」なども音の粒立ちが良くなり、オーケストラとバンドとの分離が改善されています。DAHLIAは、ギターだけでも7〜8本、60人体制のオーケストラはダブルで録音され、使用チャンネルは計144chにもなったそうで、ヨっちゃんも「ヘッドホンで聞くと面白い」と発言していました。
ただ、音の定位がハッキリしたことで逆にVoの空間系処理の粗さがでてしまいました。
「紅」などのファーストからの曲は顕著で、Vo周辺の空間に隙間ができています。これはリミックスでないと解決できません。将来のリマスタを前提としてミックスをしていないからです。

8曲目の「DAHLIA」は、他の方のレビューで書かれておられましたノイズの件、これは私の知っている物で、1:10の所でVoの「涙を抱きしめて〜」の“を”の部分に左チャンネルからコンマ遅れでエコーしている部分がありますが、アルバムDAHLIAは不良品を幾つか確認しています。最初に購入した盤がそうで、買い直したらノイズは無く、また先行シングル版やショート版のPVにも入っていないことは確認済です。実際、巻き戻している最中にもそこだけ音が飛び出してくるので、恐らくマスタリング後の工場でのCD複製過程で幾つかに混入したノイズではないかと。逆にノイズ盤が当たったことをレアに感じ、今も愛聴してます。

●リマスタに懐疑的な人には無駄な出費と感じられるかもしれませんが、音の勉強をしている人、またバンドで耳コピに精を出している人は買いです。ドレミから出版されているXのバンドスコア等は誤表記が多く、「Silent Jealousy」のギター・バッキングなどは全く違っていますし、実際には16分音符のベースなのに8分になっていたりさえあります。特にベースは音像がハッキリしたことで耳コピが楽になると思います。TAIJIさんの当時の癖だと思いますが、フレーズを弾いた後に素早くスライドをハイポジ方向へ入れてトリッキーな雰囲気を出したりなど、かなり細かいことをやっています(Week Endのイントロ〜Aメロや、Blue Bloodのイントロなどで聴けます)。

●付属(初回盤のみ)について
肝心のDVDですが、時間は14分52秒ほど。最初の3分17秒までが主に日本でのライブ映像で、2010年8月14,15日の日産スタジアムでのライブ、TAIJIさんが出ている映像も多いです。残りはワールドツアーの模様と、現地ファンのコメント集です。演奏時の音声はあまりなく、バックに曲が流れるといった具合。曲は「Forever Love」のLast Mix版から「Born To Be Free」のスタジオ録音版からのライブ音源版へと移行する感じ。他にも曲は流れているようですが、メンバーの肉声はほとんどありません。よっちゃんの雄叫び等はあります。メニュー画面はそもそも作られてないです。
収録内容が2009年から2011年末までのツアーなので、後半はTAIJIさんの命日である2011年7月17日をはさんだ映像となります。
近年You Tube上にアップされているX-JAPAN動画の延長線といった作風で、幻の作品『Yoshiki document』(95〜97年までのDALIHA製作当時の混乱した現場の模様や取材時・移動の場面などを徹底撮影していたビデオで、その一部分が『Visual Shock #5』のおまけ映像として収録。結局は、95年9月のコヨーテ・ドライレイクで撮影されたデビット・リンチ監督の『Longing切望の夜』プロモ共々、発売はされませんでした)製作の一環か延長といった趣でしょうか。ややプロモーションじみてますが、タイちゃんの姿が見れるだけでも胸にこみ上げます。日産スタジアムのライブはWOWOWで放送済です。
観ていると、hideちゃん、TAIJIさん、デビュー当時までローディーだったUMEMURAさん、KIYOSHIとも組んでいた馬場育三さん、zilchのポール・レイヴン、サーベルタイガーの指弾きベーシストのトキヒコさん、TAIJIさんを救った樋口宗孝さん、難病でhideちゃんと親交の深かった貴志真由子ちゃん、松川“RAN”敏也さん、同日逝去の忌野清志郎さん。彼らの顔が浮かんできてしまいます。

●フォトブックは全60ページ/226枚・オールカラーの写真で構成されています。ほどよく厚みあります。大きさは横139mm、縦186mmです。
全体として“YOSHIKIライブ写真集”の趣です。基本的に海外ツアーを日付順に並べたもので、寸法はディスクケースと同じです(DVDのトールサイズよりやや大きめ)。
HIDEちゃんの写真は4枚で、Last Liveの一枚の他はモニター映像でのHIDEちゃんです。2008年3月28、29日の復活ライブでのホログラム映像のHIDEちゃんはありませんでした。TAIJIさんも4枚ほどあります。すべて日産スタジアム時のものです。未公開のものが殆どだと思います。Toshl君がドラムを叩いてたりしてます。写真の解像度は高くシャッタースピードが速いものが多いです。が、メンバーの楽器&機材面はあまり写り込んでいません。せいぜいフット関係とアンプくらいです。全体として“YOSHIKI写真集”なくらいよっちゃんに特化してます。

●歌詞カードは3ディスクが梱包されたケースと同じ大きさに両面仕様で、直角4つ折りにされたもの(横277mm、縦373mm)が同封されています。
producedの項目は無く、YOSHIKIさんが具体的に作業に当たった記述はありません。ただ、2014年7月17日にぴあMOOKより発売された「81JAPAN summer」号で特集されているYOSHIKIさんのインタビューによると、選曲などはYOSHIKIさんが関わったことが記されています。しかし「Without You」がなぜライブ音源なのかなど詳しくは記載されておらず、思うに、発売自体はワーナーの方で企画され作られたものではないでしょうか。実際YOSHIKIさんのホームページでもほとんど今回の発売を扱っていません。「Vanishing Vision」「BLUE BLOOD」「Jealousy」はリマスター版が2007年2月14日にすでに発売され、一番最初に発売されたシングル・ベスト・アルバム「SINGLES」も2014年9月24日に発売されています。
既存のアルバムが3000円前後、「Art Of Life」が2300円(ライブ盤は2500円)ですので、値段的にも打倒かなと思います。
リマスタは奥が深く、B&W社製ノーチラス・シリーズのスピーカー1発だけでも100万円、こだわる人は防音部屋の改築、果てはオーディオ専用のMY電柱を役所に申請するほどです。各分野が細分化・より学術的になってゆく中で、音響の世界も例外ではないです。
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