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カスタマーレビュー

2015年12月5日
かつてリベラリズムとは字義どおり、個人の生活に対する政府の介入を拒否し、小さな政府を求める自由主義(古典的自由主義、リバタリアニズム)を意味した。ところが現在この言葉は、政府の介入と大きな政府を求める、まったく逆の考え(社会民主主義)にほとんど乗っ取られようとしている。

相反する概念に同じ言葉を用いるのは、どう考えても無理である。このことに無自覚な議論は必ず混乱し、迷走する。本書はその典型といえる。

混乱が端的に表れているのは、第五章である。著者はリベラリズムを四つのタイプ(市場中心主義、能力主義、福祉主義、是正主義)に分ける。このうち市場中心主義は、政府の介入を最も強く拒否する立場であり、古典的自由主義、リバタリアニズムを意味する。

著者はハイエクに基づき、市場中心主義の特徴とは、市場が「運という偶然性によって左右されることを認めた」ところにあると述べる。この指摘は正しい。

ところが著者はしばらく後で、リベラリズムは「個人の属性から偶然性を排除することが自由につながる」と主張すると書く。これは前に述べたことと明らかに矛盾する。一方でリベラリズムの一種である市場中心主義は偶然を認めると述べ、他方でリベラリズムは偶然を排除すると書いているのだから。

人生から偶然を排除するという考えは、生まれや育ちによる不平等を政府の介入によってなくそうとする現代流のリベラリズム(社会民主主義)には当てはまっても、古典的自由主義、リバタリアニズムには当てはまらない。それは著者自身がハイエクに基づき書いたとおりである。

しかし著者はいつの間にかハイエクの議論を忘れ、リベラリズムをひとからげにして、偶然性を排除する浅はかな考えだと批判する。そして「ある種の偶然性を引き受けることこそが自由につながる」のだと得々と述べる。しかし、繰り返しになるが、それはリベラリズムの一種である市場中心主義(古典的自由主義、リバタリアニズム)も述べていることではないか。

この章は、リベラリズムを主題とする本書の理論的な中核ともいえる。そこで明らかな矛盾に基づく議論を展開するとは、お粗末としか言いようがない。

本書は古典的自由主義、リバタリアニズムに関する知識不足も目立つ。たとえば著者は第一章で、米国がイラクに自由をもたらすという名目でイラク戦争に踏み切ったことについて、「自由を、強制されずに自らの意思で何事かをなす状態と理解しておけば、アメリカによって強制された自由とはいったい何であろうか」と批判する。そしてこれは自由のディレンマ(矛盾)だと強調する。

たしかに、自由を強制するのは矛盾である。しかしリバタリアニズムの論客として有名なロン・ポール元下院議員は、一貫してイラク戦争をはじめとする米政府の海外軍事介入を批判している。19世紀英国の政治家で自由貿易論者として名高い古典的自由主義者リチャード・コブデンも、自国の海外軍事介入に反対したことで知られる。ここでも著者は、自分の議論に都合の悪い古典的自由主義、リバタリアニズムを無視している。

さて著者によれば、自由とは何かを達成するための手段にすぎないのに、リベラリズムはそれを目的と化してしまった。これはニヒリズム(虚無主義。客観的な価値をいっさい認めず、あらゆる宗教的・道徳的・政治的権威を否定する立場)にほかならないという(第六章)。

これも古典的自由主義、リバタリアニズムに関しては誤りである。古典的自由主義、リバタリアニズムには、正当な理由なく他人の生命・身体・財産を侵害してはならないという明確な道徳基準(非侵害公理)がある。

皮肉なことに、ニヒリズムに陥っているのは著者自身である。保守主義者の著者は、明確な道徳基準を持ち合わせていないからである。

著者が道徳基準の代用品として頼るのは、「共同の善」である。しかしこの「共同の善」とやらは、人間一般に普遍的な善ではない。特定の共同体、特定の国家における「善」にすぎない。

これが明確な道徳基準になりえないことは明らかである。ある共同体・国家の内部に「共同の善」なるものがかりにあったとして、それが他の共同体・国家における「共同の善」と対立した場合、どちらが正しいかを判断する基準は存在しないからである。

そのことは著者自身こう認める。「イスラム過激派のテロリズムを本当の意味で断罪することはできない。……オウム真理教についても同じである。それが絶対的に『誤っている』と言うことは難しい」

驚くべき発言である。罪もない人々を殺傷するテロリズムを誤りといえないとは、これ以上のニヒリズムがあるだろうか。

挙句の果てに著者は、ハイデガーを引き合いに出し、「人間は死に向かって自由である。死こそが人間の自由の根本条件である」などと言い出す。ついていけない。死を根本条件とする自由とは、もはや普通の意味における自由とはいえない。

そう思っていると著者自身、「こうなると、本書の議論は通常いうところの『自由』からは大きく離れてしまっているのではなかろうか。確かにそうだ」と認める。これには思わず苦笑した。自由について学びたいと思って本書を手に取った読者は、困惑するばかりだろう。
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