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カスタマーレビュー

2015年8月25日
デビュー作「王子降臨」でその耽美過ぎて頭がクラクラするほど個性的過ぎる作風が
話題となった手代木正太郎の新作。今度はどれほどぶっ飛んだ「個性」を見せてくれるのかと
期待半分不安半分で拝読

物語は魔法医師のクリミアとその助手で看護師のヴィクターが一人の少女の開頭手術に
臨んでいる場面から始まる。魔力を帯びた鍼を少女の体に打ち、魔法陣が展開される中
メスと鍼で穿孔された少女の頭蓋内には蝶の様な奇怪な生物がびっしりと巣食っていた
「ドゥン」と称される怪生物を全て除去し、手術に成功しながらもクリミアとヴィクターは
手術に立ち会った少女の父親からは金だけ渡され朝になる前に村を出てくれと頼まれる
科学や医術が発達しても教会の支配が続くこの世界では聖典の教えの外にある魔法医師は
「異端」として追われる身であった。次の町へと移動する中、二人は魔法医師の総本山
「結社」の遣いであるペスト医師から依頼を受け取る。苛烈な異端審問で知られる教区長
キュルヴァルに支配され、しかも夜な夜な吸血鬼が出没するというブルックの町へ向かえ、
という依頼にヴィクターは反発するが、治療を求めているのがキュルヴァルの腐敗に抗し
民衆側に立つ若き神父サミュエルだという。なおも反発するヴィクターに対しペスト医師は
キュルヴァルは民の病を治す奇跡を起こし、その力の源がクリミアとヴィクターが旅の目的と
している霊石「ガマエ」だというのだが…

うーむ、「王子降臨」に負けず劣らず個性大爆発の怪作だなあ…。最初に断らせて貰うけど、
この作家さん、読む人をかなり選びます。世界観、造語、地の文における語り口調、
話の展開とどこを切っても「This is 手代木正太郎」と言わんばかりの個性が
滲みだしている作風なので、これに着いてこれるかどうかで「個性的、面白い!」となるか
「訳が分からん、駄作!」となるか大きく分かれそう

話の方は社会を支配する絶対権力である教会からは「異端」として扱われている魔法医師の
クリミアとその助手兼ボディーガード兼患者であるヴィクターが、異端審問で私服を肥やす
悪辣な教区長の支配する町に乗り込み、同じ教会の人間でありながら教会の腐敗に怒り、
教区長の支配に抗うかの如く民衆を癒す若き神父を吸血鬼化の病から救おうとするも
「魔法医師は異端であり、神父である自分はその治療を受けるつもりはない」と、
治療を拒む神父の頑迷な姿勢に難儀しながら、聖庁の派遣した奇怪な暗殺者たちと
死闘を繰り広げる、というのが主な流れ

世界観自体がまず変わっている。上にも書いた様に物語の舞台は宗教権力による支配が
領主よりも強いという14世紀以前のヨーロッパみたいな支配体制が敷かれ、聖典の教えが
絶対視され、それに外れる物は宗教家であれ医者の様な技術者であれ「異端」として弾圧される
そんな社会である(ペスト医師が出てくるあたり作者も14世紀欧州を意識しているっぽい)
その一方で科学技術は不均衡に発達しており、都市間を乗り合いバスが結び、無線通信技術が
存在し、医療面でも開頭手術や開胸手術が普及しているという20世紀レベルの文明が存在
しているのである…

そしてこのドグマスティックな宗教に支配された世界で主人公の魔法医師クリミアの置かれた
立場はまぎれもなく「異端」であり、真摯に医療者として患者に手を差し伸べるにもかかわらず
患者である神父サミュエルからもその実力と誠意は認められながらも最後まで拒絶されるなど、
最後は人々に受け入れられる存在としてのライトノベルの主人公の描き方すると相当に
異質な立場に置かれている(そういう意味で主人公たちが報われるタイプの話で無い事は
読む前に念頭に置かれるべき)。しかも救われないのは主役のクリミアとヴィクターだけでなく、
彼らが救おうとした人間がほとんど救われないまま終わる辺りやっぱり普通じゃない
(悪党どもは軒並み成敗されるからある程度のカタルシスは得られるけど)
「まさか、このキャラクターは殺さないだろう」と思われる様な登場人物をあっさりと
殺してしまうので読んでいて話の方向性がなかなか見えてこない(その分、ハラハラするけど)

話の方は途中から聖庁が遣わした三人の特殊異端審問官、要するに教会側の殺し屋との
血生臭いバトルが中心になるのだけど、これが看護師のヴィクターが駆使する「看護流柔術
(アンフィ・バーリツ)」と腸を口から出して鞭のように振ったり性ホルモンを発散して
相手の理性を狂わせたりする奇怪な戦闘法のぶつかり合いという、まるで山田風太郎というか
少年ジャンプ的というか「キン肉マン」の「ゆで理論」や「魁!男塾」の民明書房の本みたいな、
一見筋が通ってそうだが、よく読んだら相当に無茶なハッタリだらけのトンデモバトルなので
この辺りも好みが分かれそう…とりあえず「キン肉マン」のアレな部分を「だってゆでだから」
と笑って許せるタイプの人なら大丈夫かと

作者の個性は地の文にも出ており、これはデビュー作にも見られた傾向なのだけど、
地の文が読者に向かって語りかける講談調の雰囲気を持っているのが大きな特徴
第三章の冒頭、悪漢キュルヴァルが一人ごちている場面で

キュルヴァル教区長がサミュエルを吸血鬼に変えようとしていた!?しかもこの男、魔法
医師の存在を知り吸血鬼化を正確に魔法医学的病名で呼んだのだ。
 果たして、この教区長、何者なのか!?

といった講談調の煽りが入ったりとそんじょそこらの作品では見る事の出来ない芸を見せてくれたりする

……斯様、どこを切っても個性爆発な本作の特徴を紹介させて頂いたが、個人的にはこれは
「あり」だと思う。無論好き嫌いは読者個々の問題であり評価が分かれるのは仕方が無いが
それでもこの「唯一無二」の個性を読者にぶつけてくる様な作者の姿勢は高く買いたい
無個性な「一山ナンボ」の作品に飽き飽きされているラノベファンには是非手に取って
「個性の塊」とはどういう物か知って頂きたい、そんな一冊である
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