上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0映画のようなゲームではなく、映画を超えるゲームを作って欲しかった。
2023年7月8日に日本でレビュー済み
体験版が大変気に入り、発売前にamazonで予約購入しました。
50型液晶+PULSE 3Dヘッドフォン環境でクリアしたのでレビューします。
※体験版プレイ済で購入を悩む方の参考になればと思います。
※ネタバレありません。
※評価が難しく第3稿です。最終稿です。
FFタイトル最終作なら☆4
FFタイトル継続作なら☆3
JRPGとしての評価なら☆2
が正直な感想です。
ムービー鑑賞+ゲームなのか。
ゲームプレイ+ムービーなのか。
で評価が大きく分かれる作品です。
事前に体験版をプレイすることを強く強くお勧めします。
◇体験版で期待された方は以下をご注意ください。
・主人公以外は操作不可(体験版では弟ジョシュアを操作可能)
・主人公以外の育成無し(装備や魔法やアビリティ等の全て)
・新しい街や城で得る育成要素ほぼ無し
・基本的に主人公視点でのみ物語が進行
昔のFFにあったような
「仲間がファイア>ファイラ>ファイガを覚えて成長、戦略が広がった」
みたいな要素はありません。
ムービー鑑賞+ゲームという構成で、従来のJRPGではありません。
体験版で物語を少し進められますが、あのスタイルが最後まで続きます。
以下は体験版をプレイした方のみ、お読みください。
◇ストーリー
私は体験版が非常に良くできていると感じました。
冒頭の召喚獣対決はインパクトがありますし、その後も
主人公と弟と両親との関係。幼馴染の女の子が描かれています。
夫婦仲の歪(政治)、立場上家庭内で裂かれる兄弟、それでも慕い合う兄弟、
幼馴染の女の子が主人公の後を付いてきても、花壇には入らず、
遠回りして付いてくる様子・・・とか王道ですが全て好印象でした。
そして、主人公と弟が凄惨な現実に直面、奈落の底に落ち、本編に入ります。
この体験版で作品に惹かれた方は多くいると思います。
本編は主人公視点に限定すれば、破綻なく描かれていると感じます。
弟を殺したと思い、自身は奴隷に落ち、国は亡くなり、国民は虐げられる。
復讐に生きる。無論、盲目的になる。
召喚獣を持つドミナント各位の物語を交え、重々しいテンションで
ハラハラとした求心力を持つストーリー展開の持続は失われていないと感じます。
私個人は終盤以降から感情移入し難くなりましたが、最後までプレイできました。
ですから、気になる方は是非プレイして欲しいと思っています。
◇世界観&マップ
グラディエーターやジャンヌダルク、キングダムオブヘブンといった映画を
多いに参考にしていそうな世界観です。(召喚獣を加えてFFにしたって感じです。)
まるで映画だと思う様な映像クオリティはそれなりにクリアしているとは思いますが、
基本的に世界は荒廃しており、或いは有事が起きてから向かうので
何処も同じように見え、季節も無いので変化に乏しいです。
地域特有の武器や魔法がある訳でもなく、仲間を成長させる訳でもなく、
新しい場所に行く時のワクワク感はありません。
船など乗り物の操作はありません。マップ隅の小島に寄り道みたいな遊び心はありません。
物語進行は各章に区分され、冒頭や終わりにムービーがあり、
ワールドマップで次のエリアを選択して、章が始まります。
ゲームの止め時が分からないという謳い文句については、
ワールドマップでセーブさせない厭らしさを感じます。
◇人物と演技
このゲームはムービー鑑賞の間にゲームがある。という構造なので、
映画の様なクオリティでムービーを作るなら、映画の様な演技が必要と感じます。
ドット絵の人物の場合は、セリフ内容に立場や個性や感情を乗せる工夫が必要ですが、
リアル追及な映像には従来基準のセリフがいささか不自然に感じます。
本作は主人公視点に限定されており、登場人物の掘り下げも浅いです。
全ての召喚獣が主人公に集約されていくので、終盤以降は
中二病サイコパスみたいな印象になっていき、感情移入し難いと感じました。
重要な場面で毎度、仲間が吐血したり、主人公が頭痛で絶叫するなど
マンガ・アニメ・ゲーム・映画にはそれぞれ伝わる表現手法があることを分かっていない。
私は体験版で感じた印象と本編終盤の印象では随分異なりました。
また、登場人物の顛末を収束させるのにサブクエが終盤に沸いてきますが、
話を聞く、バトルゲーム、報告する。のテンプレートなので、作業感が強いです。
繰り返される召喚獣バトルが派手なほど、「異次元怪獣バトル」という突っ込みも生まれます。
ムービーシーンの肌露出も、虐殺も、迫害も、これで中高生はドキドキするでしょ?
みたいな一線があって、映画の様に、人間の本質みたいな描き方はできない。
やはり、ゲームと映画を彷徨う印象です。
◇音楽&サウンドエフェクト
中世の戦乱史劇に召喚獣を加えてFFにしました。って感じの物語ですので、
基本的に往年のFFメインテーマとか入れると、場違いになります。
グラディエーターやジャンヌダルクみたいな映画を作りたいなら、ゲーム音楽家ではなく
映画音楽家を起用したら良かったのでしょう。
これはシナリオでも言えますが、映画を作りたいの?ゲームを作りたいの?という印象が拭えない。
私はPULSE 3Dヘッドフォンでプレイしたけど、映画のような重低音は良くできてると思います。
それと、映画的ゲームなら、BGMべったりは不自然です。(オフにできるのですが。)
拠点には酒場があって、吟遊詩人もいるのに、無音の現実や、時折の演奏を楽しむ日常は描かない。
例えば、ホグワーツレガシーは上手なバランスをとっていましたよ?
やっぱりゲームと映画を彷徨う。
◇映画的ゲームの均一化
この方向性なら、FFは誰からも相手にされなくなるのでしょう。役目は終えたというか。
作っている人が世代交代するのですから当然かも知れません。
ただ、これはホグワーツレガシーにもその他にも言えて、世界で起きていることに感じます。
ゲームが均一化しているというか。
貴方たちはゲームを作りたいの?映画を作りたいの?
私たちはゲームをしたいの?映画を見たいの?
という感想を持たざるを得ない。
◇最後に
やっぱり評価は難しいです。本作、面白くないと一蹴はできない。
ネガティブな意見を多く書きましたが、それは映画とゲームのコンテンツ性であり、
本作のみを責めるのも少し筋が違う。それに、流石の開発期間と予算で丁寧に作られています。
ロードも気にならないし、UIも及第点かと。
冒頭で語られた物語の最後を知りたくて、最後までプレイしましたが、
やはり、ゲームとして面白い!とも思えない。映画としてもね。
ですから、積んでいるゲームが無いならプレイしてください。
今すぐやるべきゲームではありませんが、一度プレイする価値はあるゲームと思います。
以上です。
最後まで読んでくださった方にお礼を申し上げます。