上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0尺の都合上仕方ないとはいえ原作後半を大幅圧縮、おかげでその時期に出番の増えたホノカナの扱いは散々なことに
2022年4月28日に日本でレビュー済み
Pretty Daysからしばらくアニメの続編がない中で原作最終回のカウントダウンが始まり、残りのアニメ化は見込めないだろうと思っていたところで、
本編最終回と同時にまさかの映画化発表があり、その約1年半後に無事公開となりました。
ただ本編だけでも11巻ある中でそれまでアニメ化されたのは2年中盤の5巻までで、
残り約6巻分を映画1本でどう決着付けるのかと不安に思ってましたが、やむを得ないとはいえストーリーが大幅圧縮されてました。
プロローグが終わると3年に進級後の修学旅行(7巻後半に収録)からで、そのあとは主に10巻以降の進路や受験がらみの話が描かれています。
2年後半の話はおそらく全部カットされており、
高3の話でも、日常の何気ない話といったのはもちろんのこと、夏合宿や卒業旅行といった何話にもわたった話すらありませんでした。
(夏合宿はアリスの一言で片づけられ、卒業旅行に至っては全く触れられなかったので実際に行ったかすら不明)
あまり進路にかかわる話がなかった、修学旅行後から夏合宿終了までの8,9巻の内容はほぼ全てカットされていたり(つまり6巻から9巻までだと、修学旅行+α程度)と、
悪い意味でダイジェストだったというのは否めないでしょう。
なお、この告知後に連載が行われていたこともあってか、特別編の内容には触れられていませんでした。
原作だと2学期終盤の面接の練習が修学旅行の直後に来るなど、若干イベントの並び替えはありましたが、
アニオリといえるのはプロローグ・エピローグくらいでした。
正直なところ、原作を補足したような展開はなく、逆に駆け足気味だったということもあって
原作以上と感じた内容はほとんどなかったように思います。
しいて言えばCheersを流しつつの卒業式でしょうが、私の場合原作を一通り読んでカットされていた内容も知ったうえでのことだったので、
原作未読だとまた違った印象を受けるかもしれません。
このように高3の7人の進学先を含めた大まかなストーリーは原作と変わらないので、
その辺についてこちらで改めてレビューする必要もないため、以下原作と比較して私が気になった点を中心に書いていきます。
メイン5人は受験や進路についての主だったエピソードは描かれており相応の見せ場がありましたが、
このストーリー圧縮により、原作では3年目以降で出番が大幅に増えた香奈の扱いが散々でした。
原作だと2年の終盤までそれっぽい見た目のキャラが1,2回出てたかなって程度のモブキャラに過ぎなかった
(アニメだともう少し早いタイミングで名前は設定されてたけど、Pretty Daysまでは穂乃花の友人てだけの特に個性のないキャラだった)のが、
修学旅行後から穂乃花へのツッコミ役以外での出番も増えだし、夏合宿にも卒業旅行にも参加し、主役回も何度かありました。
ですが本作ではそのキャラが立ち始めた時期(8、9巻)の話や上記のイベントがカットされてしまい、
推薦受験組のためか修学旅行の直後に出た後は合格発表まで出番はなく、結局原作のようにキャラ立ちすることはないままでした。
修学旅行中含め穂乃花とのセットの出番ばかりで特に彼女個人にスポットが当たる場面もなく、出番も原作と比べるとはるかに少なくと、
原作未読だと穂乃花と一緒にいた子程度の印象もなかったかもしれません。
プロローグでアリスに紹介されていた、原作では穂乃花へのツッコミ以外での一番の個性だった魔法少女趣味も劇中で出ることはありませんでした
(そもそもアリスとの接点が劇中では皆無。コンビを組んだ夏合宿はカットですし)。
相方の穂乃花も、修学旅行2日目(OP曲が終わったあたり)は実質主役で、全員の進路希望が固まった後は行動を共にしていたので登場シーンはそれなりにあったものの、
中盤の5人の進路の話には原作と同様に絡まなかったため見せ場といえるのはその修学旅行くらいで、
カレンとの交流も原作に比べはるかに少なかったので、高3に入って奇行や妄想の度合いの増した原作と比べるとこちらも印象は薄かったです。
(変人的なイメージも薄れたのは幸いかもしれませんが)
プロローグ直後の修学旅行2日目で原作同様ホノカナコンビにスポットがあてられていたので他のサブキャラより目立ってはいたでしょうが、
終盤ではメイン5人に最も近い立ち位置として扱われるようにまでなっていた原作と比べるとやはり扱いは悪かったです。
それにカレンを神聖視していたエピソードが多く、修学旅行でもカレンに写真を一緒に撮ろうと声をかけられなかった穂乃花が、いろいろと親睦を深めた結果
卒業旅行では積極的に声をかけた(その様子をどちらも見守った香奈も含めた)エピソードがすごく好きだったので、
卒業旅行が完全カットされたのが非常に残念でした。
そのため特に穂乃花に関しては中途半端に終わってしまったように感じました。
原作本編・特別編共に終盤のイベントでは7人で行動していたこともあって、
数少ないアニオリ要素のあるエピローグも、この2人が原作ほどは5人と仲良くならなかったのかなって印象をより強くしたように感じました。
(この円盤を購入時の特典イラストで、原作柄の早期予約特典クリアポスターだと7人そろってるのに、
アニメ柄の店舗特典だとAmazon以外のもすべて含めても穂乃花すらいない5人だけっていうのが、
原作サイドとアニメ制作サイドのこの2人に対する認識の差の象徴のように感じました)
前述のように3年進級時のクラス分けの説明すらなく、原作既読が前提なのは間違いないです。
(ちなみにカレンを除くメインキャラの4人、カレンとホノカナがそれぞれ同じクラスという、1年時と同じ組み合わせ)
受験前のお守りも、綾からもらった陽子の髪飾り、カレンからもらった穂乃花のリボンのどちらも、
もらった時のエピソードがカットされてたので軽く流された程度でした。
それでも勇の友人の湊や、初登場回をカットされていた香奈の妹の比奈のような、
ストーリー上出なくても問題なかったキャラも多少なりとも登場していたのはよかったです。
アニメ化された原作完結済みのきらら作品は多数ありますが、原作最終回までアニメ化されたのはけいおんくらいだったので、
再アニメ化は無理だろうと半ばあきらめていた中での後半エピソードが映像化されたのはよかったのですが、
未アニメ化の範囲で映像化されなかった部分の方がはるかに多かったというのはやはり心残りです。
最低限形にするために進路や受験がメインになるのは仕方ないとはいえ、
それらが絡まない何気ない日常を描いた話(修学旅行は非日常なイベントですし)が皆無っていうのはきんモザとしては何か違う気がしました。
また個人的に原作でホノカナが結構好きだったので、原作では修学旅行後はその他の日常エピソードで出番が増えていったのに対し、
本作では原作でもほとんど関わらなかった進路が中心の話だったので、逆にほぼ蚊帳の外扱いだったのが残念でした。
こういった不満点も、もしTVアニメで1クールやってたならある程度の尺はとれて改善されただろうと思えるだけに、
3期としてもっと時間をかけてやってほしかったのが本音です。
製作側はベストを尽くしたでしょうが、やはり高校生活残り半分(原作6冊分)を映画1本にまとめるって企画の時点でどうやっても不満が出る内容になっただろうと感じました。