このサントラ・アルバムは、M3「Drive my car (cassette)」から聴き始めるのがいい。M1は、 ラストに流れる陽気な曲なので、ちょっと驚いてしまう。この曲はやはり最後に聴きたかった。 アルバム、あるいは音楽全体として、なんとなく大貫妙子さんを思い出す。M4、M5、M6と、 エンジン音などの環境音が取り入れられていて、”ひとつながりのもの”として心地よく聴ける。
M7も環境音は続き、前の曲の流れの延長としてあるが、曲が妻である音のことを表しているので、 不思議で謎めいた雰囲気が出てきている。それが終わると、広島への移動時(タイトルバック)に 流れた、ピアノのアルペジオとシンバルワークが印象的な曲「Drive my car (kafuku)」になる。
アルバムは全部で10曲あるが、「Drive my car」と「We'll live long, long days,a and through the long nights(チェーホフ劇の台詞:長い長い日々を、長い夜を生き抜きましょう)」の変奏曲 となっている。でも、単調さは感じない。
各曲には、それぞれ、登場人物の名や、チェーホフ劇からのセリフ(「The Important Thing Is To Work:大切なのは仕事をすること」「The Truth, No Matter What It Is, Isn't That Frightening: 真実はそれがどんなものであれ、それほど恐ろしいものではない」「And When Our Last Hour Comes We'll Go Quietly:そしていつかその時が来たら、おとなしく死んでいきましょう」が タイトルになっている。でも、それを明らかに感じさせるような作曲にはなっていない。)