上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.01人で黙々と探索するには最高の作品。
2023年4月22日に日本でレビュー済み
核戦争後のモスクワが舞台のFPS作品。
小説を原作とした、濃密なストーリーが魅力的。
本作はメトロ2033、ラストライトに続くストーリー最終章。
前作から繋がりはあるので、ハマりたければ過去作もプレイしておくと吉。
今だとメトロリダックスで二本まとめて楽しめる。
ストーリーは、前作までの地下世界から地上に進出し、他の生存者や安住の地を求め探検する内容。
しっとり重く、だけど希望を追い求める内容で深い。
緩急ある展開、様々なハプニングは映画的な演出で見た目に面白い。
個性的なキャラで繰り広げられるヒューマンドラマも熱い。
リアリティ溢れる描写、雰囲気作りが上手く、廃墟や荒廃した世界観が好きなら、歩いているだけでワクワクするはず。
また、前作と違い味方キャラが大幅に増え、時に共闘してくれることもある反面、1人の時がより心細くなるといった精神的恐怖も描かれる。
本作はFPSだが、サバイバル、探索、会話といった要素が均等くらいに配分されているのが特徴。
FPSと言ってもガンガン弾幕を張るようなゲーム性ではない。
できることなら余計な戦闘は避け、弾薬を温存し、その上で物資を回収しつつ目的地を目指す。
汚染された地域では、ガスマスクのフィルター交換や、視界を確保するためにシールドを拭ったり、フラッシュライトの充電をしたり、生存するための行動も必要で、これらサバイバル要素が特徴的。
ただし食事や重量制限の概念はないので、ゲーム中は手が止まらず没頭できる。
動きは通常のFPSよりもっさりしていて、機動力でなんとかなるような難易度ではないので、慎重な進行が求められる。
プレイしながら、実際に身をすくませて黙り込んでしまうような、独特な没入感を得られる。
同時に、上手く敵を捌いたり、出し抜いてスムーズに進行できた時は達成感がある。
また、本作では前作よりアイテムが増えたため、攻撃アプローチの選択肢が増えたのは良い点。
アダプティブトリガーとの相性も良い。
前作までは閉鎖空間が多かったが、セミオープンワールドのようなマップになっていることも進化点。
マップが広くなったことで「動線」の選択肢が増えたことは、本作に新たなゲームプレイの楽しさを加えた。
キャラの運動性がそこまで高くないゆえに、事前準備や地の利を得る立ち回り、無駄の無い動きをする必然性があり、動きを工夫するのがまた面白い。
ステルスの重要性が増している点も良い。
また、本作では武器のカスタムが可能。
前作まではカスタム性がほぼ無かったので、これは大きい進化点。
単純な強化ではなく、アタッチメントの付け替えにより特徴が変わるカスタム方式なので、嗜好に合わせたカスタムができるし、愛着も湧く。
バックパックからは簡易セッティングができ、作業台がある場所では弾の作成やメンテナンス、ガスマスクの修理などができる。
これは同時に安全地帯でもあるので、一息つける休憩ポイントにもなっている。
グラフィックは綺麗で及第点。
サウンドは特に素晴らしい。
この手のゲームにしては、オプションの自由度も高い。
ストーリー自体の長さは中程度なのだと思うが、ストーリーの濃さ、じっくり進む展開に加え、イベント、探索ポイント、収集物が豊富なので、終わる頃にはお腹いっぱいのボリュームになっている。
さらにDLCの完成度も高いので、長時間遊べる。
また、クリア後はニューゲーム+が解放され、敵の強化、悪天候の追加、ゲーム内時間をリアルタイムにする、武器を引き継ぐ、などのオプションが設定でき、より好みな環境で周回できる。
一部気になる点について。
・あまりにも話しが長すぎる。
聞かなくても良い話しもあるが、直接的に関係ない身の上話しが多く、登場人物のほとんどが喋りがとにかく長い。
ムービーシーンがほぼないため、会話で補足されているのは分かるが、正直いい加減にしてくれと思う場面もある。
・画面がおかしくなる時がある。
イベント時などにマップや時計を確認しようとすると、近すぎて見えないくらい画面がアップになる謎現象がある。
頻度は少なく進行に致命的ではない。
・分かりにくいエンディング分岐。
行動の善悪により、内部的にカルマが増減する仕組みで、それによりエンディングが変わる。
のは良いのだが、前作に引き続き、この条件が曖昧で分かりにくい。
チャプター選択も可能だが、どこの地点からの集計なのか分からないため、他のエンディングを見るにはもう一周、ということになるが、そうサクッと周回できるわけでもないので、コンプリートを目指すなら腰を据える必要がある。
まとめ。
前作同様、荒削りな部分はあれど、やはりこの作品の雰囲気、独特な面白さはこのシリーズでしか味わえない。
完璧なゲームではなくとも、唯一無二のゲームであることは間違いない。
シリーズ中では最も洗練されているし、オフでじっくり楽しみたいプレイヤーにはオススメ。