上位の批判的レビュー
5つ星のうち2.0不満な前半とカタルシスを感じた後半
2011年6月11日に日本でレビュー済み
タクとの戦闘の続きから三分の一くらいまでは、幼馴染三人の中でだけ物語が進むことになります。具体的に物語が進まず、観念的な話題が多いので読んでいてダレてきます。三人それぞれが心のキズと向き合って成長するために重要なファクターなのは分かりますが、実際に帝城脱出作戦だとか、ディザスター浄化作戦など、前々回から引っ張り続けている面白そうなテーマになかなか触れてくれなかったのがもどかしかったかな、と。
そこからもやはり『心意』の在り方だったり、それによる精神的な成長のお話が短いエピソードで綴られていて苦痛でした。私は、テンポよく物語が転がるのがライトノベルだと思っていますので、こういう話は一般小説とかで読みたかったかなというのが正直なところですね。
と、まぁ、前半は上記のような不満はあったものの、後半には宣伝文句の「カタルシス」を感じさせてくれる展開が待っていました。帝城脱出からスザクとの攻防にかけてのシーンは、指に力が入りましたし、最後のあの人が……となるシーンには本気で胸糞が悪くなりました。こういう風に感情を揺さぶってくる展開こそがアクセル・ワールドの醍醐味だと思います。
ただ、全体を見た場合、どうしても退屈に感じた時間のほうが長かったです。黒雪姫や師匠などの魅力あるヒロインズの見せ場が(現実世界では)ほとんどないのも、そうした気持ちに拍車をかけたのかもしれませんが……。男共とのやりとりの比率が多いんですよね、今巻は。
そして、この巻も<次へ続く>という終わり方でした。事件が事件を呼ぶ、という大風呂敷を広げた物語になってきましたね。本筋がなんであったのかを忘れそうになってしまうくらいです。次巻では本筋をしっかりとまとめてくれることに期待しておきます(でも、更に事件が増えそうな予感が……)