上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0真のゲーム小説よ来たれ
2009年12月19日に日本でレビュー済み
面白いと感じたが、それ以上の失望を味わった。
この物語が近未来のゲームを題材にしておきながら、
ゲーム世代特有の精神が全く反映されていないからだ。
ゲームの設定のディティールは十分でリアリティを感じさせてくれるが、
物語に込められたメンタリティは、数十年前から脈々と続く保守的なオタクの価値観に留まっている。
「選ばれし劣った人間の成長物語」という需要の高いテンプレートを綺麗になぞっているだけだ。
物心ついた時からゲームが傍にあったゲーム世代であり、
ゲーム世代特有の精神性が反映された物語を期待していた自分としては、
上述の点は裏切られたように感じ非常に落胆した。
更に言うとこのミスマッチが一種グロテスクに映ったし、ゲームに対する冒涜とも感じた。
また、同作者のソードアートオンラインに関してもほぼ同様の感想を持った。
この作者の大衆小説家としての技量は非常に高く、高品質なエンターテイメントを書ける作家だと思う。
だが同時にエンターテイメントの域を絶対に出ることができないようにも感じた。
ゲーム世代の精神を注入した、真のゲーム小説の登場を願いたい。