上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0言葉の力を考えさせられるアニメ☆
2019年12月14日に日本でレビュー済み
揚羽高校2年の成瀬順(なるせ・じゅん)は幼いときのトラウマが原因で言葉が話せなくなってしまった少女。
同じく2年2組の坂上拓実(ささがみ・たくみ)はTDM研究会でコンピューター・ミュージックを作る男の子。
チア部部長の仁藤菜月(にとう・なつき)はクラス・ヒエアルキーの頂点にいる少女。
野球部エースの田崎大樹(たさき・だいき)はケガでひじを壊すまでは学校のヒーローだった。
一見何のつながりも無いこの4人が「地域ふれあい交流会」の実行委員に指名された。
ミュージカル上演が決まった「ふれあい交流会」を成功させるために、4人はさまざまな問題を
乗り越えることができるのだろうか!?
「令和」という元号がついて「万葉集」の言葉の力がクローズアップされている今年、
このアニメがうったえてくる「言葉の力」というテーマは、すごく面白いです。
とくに、大慈寺の行事で「言葉のおまじないをかけた綺麗にペイントされた玉子」をお供えする、
というエピソードが興味深かったです。
だけど、お供えする玉子が何でこんなイースターエッグみたいな可愛い玉子なんだろう?と不思議に思って
ググってみたら、架空の催事だったんですね。
なぁ~んだ。。
現実にある地元のお寺で架空の催事を描いてしまう。。
それを許す日本の宗教ってマふところが深いですね。
今日、半年くらい前に観たことのあるこのアニメを観ていて、「あの花」のことを思い浮かべました。
なんか似てるな、と思って。
そしたら、このアニメは「超平和バスターズ」が制作した映画だったんですね。
ご存じの方はご存じだと思うのでわざわざ説明するのも申し訳ないんですけど、「超平和バスターズ」っていうのは
「あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない」つまり「あの花」の中心スタッフのことです。
「あの花」は知る人ぞ知る名作の呼び声が高いアニメで、うちも最近アマプラで観たばっかです。
どこが似ていると思ったかと言うと、「見たくない現実を見せられるアニメ」というところが
似ていると思いました。
うちらアニメ・ユーザーは(アニヲタとは言わないですよ!うちはアニヲタでかまわないとしても他の人を
巻き込みたくないですからね)「あの花」で描かれている、幼馴染のヒエアルキーが高校になって変わってしまう、
みたいな現実が一番見たくないじゃないですか。
その現実が見たくないばっかりに「異世界召喚もの」ばっか観てるうちらに対してですよ、
このテーマを振ってくる感覚が「あの花」に似てると敏感に感じ取ったんですね、うち。。
なんですけど「あの花」のテーマは、誰でも感情移入のできるとても普遍的なテーマだと思います。
その普遍性が「あの花」に名作の評価を与えているのではないでしょうか。
何しろシナリオの女の人がNHKの番組で特集組まれてましたからね。
ところがです!!
この「ここさけ」にその普遍性があるか?というと、どうかなぁ。。
どうかなぁ。。
無いかなぁ。。
一流感はあるんですよ。自然の表現とか保護者の描写とか。
だけど比較されてしまうのが「あの花」という不幸!!
できる子はさらに要求される!という不幸ですよね。
うちなんか期末試験期間にReview書きまくって三者面談ぎりぎりの点数で、
進級だけしてくれ、っていう状態ですからね。。
それ以上はなんにも要求されないですよ!!!
。。そんなわけで、何の話しでしたっけ?
この「ここさけ」は劇場用ということでわかりやすくしたかったのか、
普遍性というよりも古さと思考停止がメインになってしまった感がまぬがれないです。
たとえば、順が言葉を話せなくなるエピソード。
拓実の家庭が壊れてしまった原因。
ラストの「ふれあい交流会」へと続くエピソード。
2組担任の音楽教師がよく言う「ミュージカルにはどんな奇跡だって起こるんだ!」という言葉の力が、
このアニメのテーマとして、もっともっと生かされていれば良かったのに、と思います。