上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0近年稀に見る重厚な警察ドラマ
2018年4月13日に日本でレビュー済み
『クライマーズハイ』の原作、スタッフが再結集したドラマ。視聴率は奮わず惨敗だったらしいが、皆様のNHKが何を些末なことを言ってるんだと思った。
そもそも良質なドラマ=高視聴率なんて奇跡は起こらないわけだから数字を気にする必要はない。
視聴率は広告収入の指標であり皆様のNHKには無用な存在。
ドラマ版を先に見てしまったから映画版の評価は微妙だった。
ピエール瀧の滑舌が酷いとか酷評が多いが、愚直で上と下の板挟みになり苦悩する三上にピエール以上の配役は考えられない。
確かに佐藤浩市は日本を代表する名優だが、どこをどう見たらあの二枚目が鬼瓦になるんだ、娘も反抗しないだろう。
原作未読で視聴したらいきなりD県警。横山作品でお馴染みのD県警警務部。交通事故の実名報道を廻って記者クラブと対立を深める広報室。同時に未解決のまま迷宮入りした14年前の誘拐殺人事件『ロクヨン』。現場視察と遺族の弔問に訪れる警察庁長官の対応。
三上の同期でD県警の陰の人事権者である二渡の暗躍(原作だとホントに暗躍しているがドラマだと三上の行く先々に現れて挑発するだけ)は『陰の季節』ファンならニヤッとさせられること間違い無し。
警察庁とD県警、警務部と刑事部、キャリアとノンキャリアの対立構造は官僚や警察組織を熟知しているとより面白い。
それを踏まえて三上が本部長(浮き世離れした殿様感が出ていた)に刑事部長ポスト召し上げの再考を直談判するシーンを見ると納得。
広報室と敵対し終始煽りまくる記者の秋川。貫禄がついた瑛太は中堅記者にしか見えず、弟のほうが反体制的な青臭いジャーナリズム精神を振りかざす暴走っぷりという点で似合っている。同調して吠えまくる眼鏡の女記者も役にハマっていた。
実名報道に固執するあまり重要なことを見失っていたことに気付いた時の演技は最高。
意味深なサブタイトル。序盤から細部に至るまで散りばめられた伏線。その伏線をぶん投げることなく最終話で見事に収斂させた制作陣の手腕。
『ロクヨン』は近年稀に見る警察ドラマと言っても相違ない。
ピエール瀧、新井浩文の両氏がやらかしたので配信も再放送も不可能なのか品切れ続出ってのも皮肉な話。