上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0比較的地味な巻だがコメンタリーが面白い
2015年1月31日に日本でレビュー済み
どっかで見たような人がいっぱい出て来るアニメですが、4話は特に容姿も名前もそのままな人が多いですね。
そんな4話は声優の話が軸です。坂木しずか役の千菅さんの演技が素晴らしく、緊張で声が震えたり、オーディションの失敗話をしながら泣きそうな色が混じったりと、見ているだけで胃の痛くなる演技ですイテテテテ。
コメンタリーも千菅さん & ナビゲーター役の川瀬Pですが、それぞれの立場からの掛け合いが対照的です。
一般的なキャストコメンタリーである声優のお喋りではなく、職業としての「声優」が窺えて面白いです。
そして5話と6話は作画と3Dの対立・・・を越えて一緒にいいアニメを作っていこうという、いい最終回(違う)。
5話(時間軸上は4話の裏)で徹底的に煽りに回ったタローも6話で挽回・・・する訳でなく、みゃーもりの粘り腰と運、そして遠藤と下柳のオタク魂が噛み合って何とか解決。
そんな5話と6話のスタッフコメは5話に出て来る北野・・・のモデルの板野一郎さん。
自分は板野サーカスと言われる作品はほとんど見てないし、そもそもメカ物が好きな訳ではないので特に彼が出ること自体に感慨はないのですが、板野さんとPA社長の堀川さんそれぞれのアニメ制作に対する姿勢がかなり突っ込んで語られています。
改めて見てもウザさ全開の5話のタローをスルーして、年季と実感の篭ったアニメ制作を語る語る。4話の川瀬Pもちょいちょい実名・実例を挙げていましたが、板野さんの話は流石に色々と問題があるので、ちょいちょいピー音(の変わりのミムジーとロロの台詞)が入ります。
板野さん・堀川さんそれぞれのスタンスの違いはあれど、アニメの制作スタッフを使い捨てにせず、個人個人の技能を活かしたり伸ばしたりしていいものを作っていこうという姿勢が見え・・・るんですが、板野さん厳しいw
見る人の好みや立場によって感想が異なるとは思いますが、私は堀川さんの拘りから、PAのアニメが何故クオリティが高いかが見えて、4話のコメンタリーとは別のベクトルで面白かったです。
この巻に収録されている話は、派手な転調や意図的な過剰演出は比較的抑え目ですが、制作側の言いたいことがギュウギュウ詰まった濃い巻で、細部まで拘った高いクオリティで作られています。
本編でもやっていたCGの発達で試行錯誤や演出の幅が広がり、新海誠さんのように、映像のクオリティが高い「だけ」のアニメならもう傑出した一個人や数人の力量で成り立つ時代になりつつありますが、そこからストーリーの面白さ、設定や台詞のリアリティ、相反することも多い娯楽性、そして演出や演技への拘りを詰め込んでいくにはそれだけでは無理で、それぞれの仕事を担うスタッフの腕と拘りが必要になる、ということを実感させてくれます。
万人に受けるアニメではなく、仕事も趣味も漫然と過ごしていればいいや、というスタンスの人にはあまり共感出来る所がないと思いますが、作る方にせよ消費する方にせよ、アニメを始めとしたコンテンツに拘りがある人ならば、買って損はない出来だと思います。