上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0無駄なキャラが多く動機が成立してないけど、そこそこ良作
2020年12月3日に日本でレビュー済み
ストーリーは突然巻き込まれてなんやかんやあってといつものアレです。
ただ、今回は終始カスカベ防衛隊の5人と一匹にスポットを当てており、保護者はあくまでサブという描写が徹底してたのが意外であり好印象でした。
いつものノリとおバカさに加え、目の前に置かれた不審な食べ物をめぐっての劇画タッチでのやりとりや、飛行船内から脱出する際のアニメーションといった劇場版でのお約束みたいな部分もあって「あぁ、これぞ劇場版だな」と思わせる部分がしっかり備わっていたのもポイントです。
また、やや露骨なものの手持ちのアイテムが実は、といった細かい部分もしっかりしていた点も評価できます。
マイナスの要素としてキャラが多すぎて持て余していること、悪役であるボスの動機と行動が全く結びついていないという点です。
前者でいうと星4の悪役達と襲われる出店側のキャラ。
序盤で出店側のもつカレーのお姉さんと一戦交えたり、コロッケ屋を爆破したりと因縁を作っていますがそれが回収されることはありません。後半の大人たちの決起による乱戦時に決着をつけたり一矢報いるならともかく、お互いモブと同じくらいの存在に成り下がってしまって「あれは何だったんだ」という印象でした。これだったら冒頭のシーンは後にしんちゃんたちに立ちはだかる星5のキャラとただのモブに差し替えて、悪役側のより凶悪な面を強調させるべきだと思いました。
後者はそのまんま。
根本的な原因は悪役の子供の頃の教育と家庭環境であって、B級グルメ側には一切落ち度が無いという最早とばっちりとしか言えないお粗末なものでした。
過去の作品でも「動機はしょうもないけど明確で、やってることは凶悪な悪役」が何人もいましたが、それは明確な動機と行動のギャップの差がすごいためインパクトが出たり、一周回ってギャグになる要素があったからこそ成立していましたが、今作にはそれらが無いため話が進むにつれて「なんでコイツこんなことしてるの?」という疑問が浮かんでしまいます。
動機もさることながら、やってることも結局1イベント会場を乗っ取るだけでしかないため(これはこれで大事件ですけど)規模的に見ても非常にしょぼいです。
最低限「昔営んでいた飲食店が、健さんの焼きそば屋台に客足を取られたせいで潰れたため恨んでいる」くらいの理由が無いと今作の騒動は成立しません。言ってしまえば道を歩いていたら急にヤンキーにケンカを吹っ掛けられた、と同じレベルです。ひどい。
このように悪役側と一部味方側のキャラの杜撰な扱いが目立つとはいえ、最後の最後でしんちゃんたちが自分らで焼きそばを作りみんなで一緒に食べて、悪役を改心させ、親たちと無事に合流し大団円を迎えるというオチはカタルシスを感じる見事な流れだったのですごくよかったです。やはり食べ物は偉大。焼きそば食べたい。