上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0この緊迫感は30年経っても色あせない
2018年11月11日に日本でレビュー済み
戦後はナチスドイツはなにかにつけ悪者として描かれて来た映画界にショックを与えた作品。またドイツ人の監督が作ったという事でさらに評価は高まった。歴史とは常に勝者によって作られるが「戦争に悪も正義もなく、国家の威信の為、自己利益の偽政者は国民の命をも利用する」特にこの映画でショックを受けたのはアメリ人であったろう。
日本映画界には絶対できない戦争映画である。公開当時池袋の文芸地下で「ドイツ特集」としてオールで見たがスタローンの「勝利への脱出」と「Uボート」の出来に雲泥の差があり、そこでペーターゼンの名を知った。
まだCGが多用される以前の作品なのでその緻密な再現は作品をリアルにし、艦内のセットの中を行き来する形で当時としてはめずらしいハンディのカメラで追う。それは見るものにも艦内の閉塞感と希薄な空気を味あわせるリアリティを持っていた。他のTIPSとしては同時期スピルバーグがレイダース(今はインディジョーンズに統一)を撮影する際、Uボートのシーンでこの映画のドックのセットを使用している。とか、当時映画といえばイーストマンが占有してたフィルム界で富士フィルムで撮ったなどが現代の世代は知らない事か?
しかし、ラストのシーンはやはりアメリカ資本が入ってるせいかドイツはやっぱり悪者で終わらせたいという意図が見え見えで別の意味で悲しくなる。とはいえ映画史に残るすごい映画。冗長とか言ってる人は本質が分からないんだろうなと思ってしまう。