上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0北米版は素直にblu-ray化された「風の谷のナウシカ」です
2020年1月7日に日本でレビュー済み
昔見たレーザーディスクの、当時の眼に本当に美しかった映像が、また目の前に現れたように感じられました。
古いアニメのDVDやblu-rayは高解像度の液晶モニタで見ると粗ばかり目立ったりすることがままありますが、この北米版blu-rayではそのようなことはありません。セルに手彩色の味わいが感じられ、趣が深いとさえ思えます。
最新のデジタルアニメのようなキレキレの映像ではありませんが、セル原画が何を表現しようとしていたか、そういった作画意図がきちんと表現された、素直で優良なblu-ray化であるとみて、最高の評価をします。
国内版のDVDと目視比較してみた限り、国内版(青い紙ジャケットの製品)blu-rayで言われているように肌色に赤みがかったりはしておらず、国内版DVDと同じ色調に見えました。
また前述の通りキレキレの画ではないですが、blu-ray化でオリジナル作画の輪郭線がDVDよりも繊細に表現されるようになっています。DVDを持っていても、これは購入してよかったと思えました。
輪郭線が細くまた高解像度に描画されることによって、クシャナ殿下の美貌は光を増し、感情の起伏を表す表情の微妙な変化までも見えるようになりました。クロトワも、もともとはこんなに表情豊かに描かれていたのかと感心しました。何度も見れば、もっと新しく気づくことが出て来るかもしれません。
ナウシカはこの物語の最も印象的なヒロインですが、「風の谷のナウシカ」は彼女一人の物語ではなく、また彼女のただ一度の戦闘の映画でもないことを、美しい映像が力強く語りかけて来ます。
このアニメ映画が製作された1980年代前半の日本は、まだ1960年代から70年代の日本社会に深く暗い影を落とした「公害問題」を完全に克服できてはいませんでした。まさに私たち日本人はそのとき風の谷の住人であり、ナウシカの目に映る腐海は私たちの心の中にある明日だったのです。「風の谷のナウシカ」が当時大きな感動をもって迎えられたのは、当時の日本人の現実へのおそれと未来への祈りを切実に率直に、てらいなく描いたものだったからに他なりません。
またこの作品は、そのおそれと祈りの切実さ率直さから、今後も世界中で多くの人に鑑賞されて行くものであり続けるでしょう。そのためにぜひ、より良い状態での商品化を続けて行って欲しいと願います。
このレビューは、現時点(2020年1月7日)の商品一覧で「2枚組」となっている北米版blu-rayとDVDセット商品のblu-rayディスクについてのものです。ジャケットには右よりに立つナウシカの向こうに眼が攻撃色の王蟲が描かれていて、ジャケット背の上方に黒丸の中にGKIDSというマークが入っているのが目印です。
北米版ですのでblu-rayディスクのリージョンが日本も含まれるAですから、日本で売られている普通のプレーヤーで再生できます。日本語音声で字幕なし、という普通の視聴方法で見られます。
一緒に入っているDVDのリージョンは日本の2でなく北米の1ですので、リージョンフリープレーヤーでないと再生できません。普通には再生できませんがピクチャーディスクですので、これはきれいな飾りと思うことにしましょう。
※2021年3月14日追記 Amazonにより商品写真が更新されました。GKIDSマークがパッケージ裏面左上にあり確認しやすくなりました。blu-rayディスク自体にリージョン「A」が表示されているのも写真ではっきり確認できます。
他にも「1枚組」と書かれた安価なblu-rayが一覧に並んでおりジャケットの絵は北米版と同じなのですが、商品説明にあるようにリージョンBですので、リージョンフリープレーヤーでないと再生できません。
一覧にある製品のうち、日本で販売されている普通のblu-rayプレーヤーで再生できるのはこの北米版(2枚組)と国内版(2枚組)だけです。購入ご検討の際は特に気を付けましょう。