上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0奥行きのある映像力はさすがHD。篠原組らしい「戦争映画」。
2010年4月3日に日本でレビュー済み
本作は「平成の世の戦争映画」だと思う。画質・音質はHD時代にふさわしいレベルだし、ことさらに反戦を謳いあげる仕上がりでもない。命を落とすシーンも最小限度だし、日米のぶつかり合いもヒューマンっぽい。スポーツに於ける戦術みたいな描き方なのだ。まあ篠原監督だから仕上がりに間違いはないが、本来戦争とはもっとむごいものだ。若年層の観客は喜んだかも知れないが、過去の名監督たちが描いた日米戦とは全くイメージが異なるので、年配の観客には違和感があるだろう。俳優たちも映画やドラマで青春を謳歌している「売れっ子」を揃えた。「オーケストラの指揮を志したこともある」という楽屋オチのセリフもある玉木宏や吉田栄作、太賀らは観ていてしっくり来たが、黄川田は「殺気」が足りない。回天乗務員としての鬼気迫る芝居をして欲しかったなあ・・・。反面、本国ではB級作品ばかりの米艦長役・デヴィッド・ウィニングの悠然たる存在感には魅せられた。ハリウッドの人材はやはり山ほどいる、ということだ。北川景子は、その外見と内面に差がある「しっかりとした」女優であり、作品的にはピッタリだったと思う。ただし、その綺麗すぎる外見が損をしたのでは・・・。人道的な軍人というのはどこの国にもたくさんいる。大東亜戦争中でも「硫黄島」の栗林中将や「キスカ」の木村少将が有名だ。しかし帝国軍人の思想は、本来黄川田演じる回天乗務員が艦長に取った行動(拳銃を向ける)が正しい。最後は名誉に散ってこい!ということだ。「硫黄島」や「キスカ」の映画化ではそのあたりも描かれていたが、その点でも本作は安易だと思う。特典ディスクはDVDで、作品の裏側をドキュメンタリーで語る方法が面白い。総合的に星3つです。