7月にリリースされた米国の有名なプロデューサJesse Harrisのもとで作られた「Summer Clouds, Summer Rain」以来、畠山美由紀の今年2枚目となるアルバムです。天才ドラマーASA-CHANGとのFUJI ROCK FESTIVAL '07の共演がきっかけに結成されたスペシャルユニット「畠山美由紀 with ASA-CHANG&ブルーハッツ」の名義で発売される「わたしのうた」。その名前通り、アルバムに収録されている曲はすべて畠山による選曲で、ジャズスタンダードから歌謡曲までジャンル問わずにセレクトされた唄はビッグバンド風にリアレンジしてリスナーの私たちに届けます。
ASA-CHANGの大地を揺らすドラムソロの迫力に導かれ、ビッグバンドがうねるようなスピードでスウィングしてゆく「Lover come back to me」で先ず胸が高まりました。ブルーハッツのアンサンブルは歌心鮮やかで、各ソロパートも非常に人間味溢れた楽しさを伝えてくるんです。更にその中で生き生きと歌を跳ねさせる畠山氏のスウィングの凄いこと。“Oh Lover!”で舞い上がる高揚感は最高です。又それはしっとりした声で抑制的にジャズやソウルを奏でてきた彼女だからこその、上品さを伴った一流のボーカルショーだったと思います。 一方「君恋し」での氏は、日本人の心が表れた旋律を非常に繊細に歌い、儚く艶かしい表情で迫ってきます。又それをスカのリズムで織り込むので、昭和モダンな華麗さがありました。「小さな木の実」も切なさの内に秘める芯の部分を表せる歌声が聴き所ですし、モンローの「Diamonds are a girl’s best friend」は耽美的な声が活きます。他方「Somethin’ stupid」ではリリー・フランキーの穏やかな美声に驚き。