Cymbals のファンだった私としては、土岐さんのソロ・アルバムは複雑な気持ちもあってこのアルバムまで全く聞いてこなかったのだけども、今回はパステルカラーの可愛らしいジャケットに釣られてみました。自由奔放な選曲を除けば土岐さんのイメージ通りの音で安心して聞けるアルバムです。ジャジーでボッサでポップなカヴァー集・・・おそらく土岐さんの全てのアルバムに共通したエッセンスをより分かりやすく出している作品なのではないでしょうか?YMOの君に胸キュンにはびっくりしましたが、これがいい。その他、吉田美奈子の大滝詠一の作品、夢で逢えたら、山下達郎の Down Town とある意味、この選曲なら“絶対に目につく”わけで、またそれらを本当にうまく料理しています。実際には後半の、September や Sunday Morning などもかなり出来が良く、全体的にはあっさりしつつも完成度はすこぶる高い気がします。いつでもそばに置いておいて毎日でも聞いてみたい素晴らしい作品で、個人的にもここしばらくは毎日聞いています。Cymbals 時代のスビード感を重視した直線的なヴォーカルは丸みと表現力を格段に広げていてちょっとびっくり。君に胸キュンはまるで矢野顕子が歌っているみたいだし、夢逢えたらも吉田自身が歌っているかのよう・・・。一つだけ苦言を言わせていただけば、屈指のソングライターを葬ってまで、やるべき音楽であったかは疑問。このアルバムを聞き終えるとライヴでさんざん聞いて飽きていた My Brave Face が聞きたくなります。