上位の肯定的レビュー
5つ星のうち4.0演奏するピコピコたちの
2009年1月25日に日本でレビュー済み
不思議なことに、聴いていると、8bitの音たちが、生きていて、バンドを組んでいるみたいな絵が浮かぶ。曲を聴くというより、ピコピコサウンドたちの「演奏」を聴いているみたいな感じなのだ。それだけ、いろんな音たちが、自由に、楽しそうに、跳ね回っている。音が、ソロをとったり、次にアドリブに突入する機会を伺っていたりして、きっと、こういうところがジャズといわれる所以なんだろうな、と思う。
最初、僕はこのアルバムが苦手だった。だって、難しいのである。特に最初の5曲。とにかく、メロディーが安定しないし、曲も歌詞もとっても謎掛けライク。なんだか、音楽の知識やセンスをもった「通」たちがにやにやしている、とても狭い迷路のようなイメージで、どうやって聴いたらいいのかわからなかったから。B面の頭の3曲、ちょっとだけ、外に開けるような雰囲気があって、そこだけがなんとかついていける、そんなかんじだった。
それを思い出すと、やっぱり、少し難しいアルバムで、重いというのとは違うけど、イージーリスニングな感じではないな、と思う。じっくりじっくり、腰を据えて耳をそばだてるうちに、音たちの息づかいが聞こえてくる。聞き覚えのあるゲームのフレーズや音が聞こえてきたり、遊びの部分もやっとみえてくる。
というわけで、このアルバムでは、8bitゲーム音楽の再現は目指されていない。たまにそれっぽい部分もあるけど、それは演奏の合間の遊びの部分だと思う。むしろ僕は、それが8bitの音だということを忘れてしまう。なんというか、ちょっと断片を頭の中でつなぐ必要があるようなところがあって、今でもやっぱり難しくて、そして、そこが面白いところでもあって、僕にとっては、いつまでも聴き終わらないアルバムです。