上位の肯定的レビュー
5つ星のうち4.0「100年後も1000年後も国民生活を維持向上させること」
2011年12月25日
日本の財政や国債が心配する状態にはないことを、この本は実証しているが、
今日(2011年12月25日)のNHKニュースでは相変わらず、日本の財政は危機的な
状況であり、ギリシャやイタリアのようになるおそれがある、と言っていた。
確信犯かもしれないが、ほんとうに心配なのは日本のマスコミのほうだ。
この本でもっとも印象的だったのは、「国家の存続と繁栄を保障してくれるのは
究極的にはカネではなく、供給能力であり…」(185頁)という、供給能力が経済
繁栄の基盤であるという主張だ。そのとおりだと思う。人々が仕事をして物や
サービスを生み出さなければ、人間の生活は一日たりとも続かない、というのは
直感的に正しい。貨幣や経済の仕組みは、その経済活動をうまく走らせるための
道具にすぎない。
また、いまの日本の需要不足、雇用減少、将来の日本の供給能力不足を見据え、
対策も提言している。「積極財政により能動的に内需を増やし、……GDPも増やす。
……カネの使い方は、『現在の需要不足と、将来の供給不足を同時に解消する』もの、
そして『100年後も1000年後も国民生活を維持向上させること』」(245頁)。
なぜ、こうした議論がこの国の政治の世界から聞こえてこないのか、不思議だ。