上位の批判的レビュー
5つ星のうち2.0◎「旧宮家復帰」の無理はますます明らか
2019年11月20日に日本でレビュー済み
◎色々な無理
「養子は幼子のはうが物心ついてゐないから良い」(P.38):抑も今上陛下はそれまでの慣例を破つて御子樣を御手許で育てられるなど、庶民の幸せを味はひ、その大切さもよく御存じなのに、皇室の都合だけで皇胤といふダケの幼子を親元から引離すやうな非道を喜ばれるかね。
「旧宮家だけでなく五摂家も多くが断絶」(P.46〜47):二千年の伝統も身分制・側室制有つてのもので、その復活を唱へぬは変。
「皇祖は女神にて女系も可、なるは表面的」(P.104):神話学や宗教学を総合して更に奧や裏を探るのも大事だが、最大事たる今上陛下の御心を拝さねば、それ以上に表面的。陛下の御心が伝統堅持と言ひ切れるの? 皇室のための伝統や学問にて、伝統や学問のための皇室など倒錯。
「戦前の皇籍離脱の実態や、戦後20年の皇族の状況から、竹田宮三男たる父君の皇籍離脱は確実で、その子たる恒泰氏は生れも庶民」といふ事実の指摘に「竹田恒泰は父の代から民間人とボロクソ」 (P.136)と憤慨し、「自分が心無い非難に曝される皇太子御夫妻と同じ立場なら、全て投出す」(P.201)のが「旧宮家」の実態なら、せつかく宮様に御迎へしても似たやうなことで「全て投出す」のでは。これで世間の不安を説得できるのかね。
「御神敕の『吾が子孫の王(きみ)』の言ふ『王(きみ)』は男」(P.93〜94):記紀が編まれた飛鳥・奈良時代は女帝が普通で、実際に両書は元明・元正女帝の頃の物にて、御神敕の「王(きみ)」とは君主では。上説だと女帝は偽者で、女系でも男帝なら有得るが。
「皇祖は天照に非ず、神武帝か伊邪那岐・伊邪那美二神」(P.98〜99):抑も皇祖が天照大御神なるは大前提にて、目前の皇統危機に学問論争を持込むなど有害。それとも一貫して皇祖を取違へてきた歴代天皇は、皆「スカタン」かい。
「皇室を船に譬へて『船員=皇族は入替はつても構はぬ』」(P.114):神武帝の男統は数万にてこれを職安に登録し、皇族減少のたびに「皇員」を補へば皇統問題は永久に解決する。「民間人の恣意で皇室をいぢれる」(田中卓氏の憤慨)なら、皇室など国民主権の道具。
「皇室はただ残るだけでは駄目で、国民の信仰対象たるべし」(P.220):全く同感だが、庶民上りの宮様でも、なほ皇室が信仰対象たりうるか。「原発はテロ・津波など、想定外も想定せよ」(P.264.295):これも全く同感にて『全く考へたくない』女系天皇も想定すべし。
◎結論
念のため異論にも目を通せども私の考へは更に固まる。単なる女系を『雑系』と貶め、自らのブログで「bukkorosu」が口癖の御方などの他に、どなたが相応しいか明らかにしてこそ、この件で憂ひを深められる両陛下を安んじ奉る道。ただ、「脱原発・反TPP」は同感にて星二つ。