上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0日本の原点
2019年7月8日に日本でレビュー済み
明治天皇の玄孫・旧皇族の竹田恒泰氏と、京都竹田研究会を立ち上げた久野潤氏が、令和二年(2020年)に、編纂から1300年を迎える「日本書紀」を分かりやすく、大いに語る対談本。
神話のイメージがある「古事記」は、ひとつの物語として楽しく読めるのに対し、公式記録で淡々と語られ、我が国の「正史」として国家が編纂する「公式な歴史書」であるという「日本書紀」。古事記と比べて「イメージがわかない」とする日本書紀を「日本の原点」と位置付けて紐解いていく。
第一章内の「国会議員が日本書紀を持ち出すと叩かれる!?」において、自民党議員が「八紘一宇」「皇紀」「神武天皇の偉業」と発したのを「時代錯誤」などと切り捨てた朝日新聞の例を紹介。同様に反日の連中がすかさず「日本書紀は事実か?」「アマテラスは実在したのか?」「神勅、天孫降臨、天皇が神の子孫という科学的根拠は?!」等々「鬼の首を取ったかのように攻めてくるのが目に浮かびます。」と、竹田氏(笑)。
これらに両氏は「天照大神が天壌無窮の神勅を本当に下したかどうかはもはやどうでもいい話で、『下したと理解されてきたという事実』が重要。」、「後世の日本人が現にそう理解し、信じた。(中略)すでにそのような『事実』が積み重なって『歴史』が蓄積されていたという方が正確かもしれない。」としており、全くもって同感である。
日本には古くから「神話」が存在し、それが語り継がれて今があるのは紛れもない「事実」であり、その「事実」すら知ろうとせず「時代錯誤」だの「科学的根拠」だの、とにかく日本そのものを否定したいという論調にはつくづく呆れる。だったら同じことを「ローマ法王(教皇)」を崇めるキリスト教国家にでも言ってみたらどうなのだ?
どう転がっても、どうわめいても、我が国の「正史」にしっかり書かれてあるのだ!!否定する前にその「事実」は「事実」として、子供達にもちゃんと「神話」、すなわち「日本の原点」から教えるべきである。
第二章内では「祝祭日の大半は日本書紀が起源」として、P59に「祝祭日変遷一覧」も掲載し、皇室の宮中祭祀とも重なり、実に分かりやすい。その中の2月11日に「反日の人たちが、『建国記念の日粉砕闘争』を会社を休んでやっている」、「つまり建国記念の日の起源である日本書紀を否定するくせに、日本書紀の恩恵にあずかる」にはちょっと吹いたが、あの手の輩たちは「平日」でもやってるから(笑)。
さて第三章より日本書紀を紐解き、「神武東征」から触れていくのだが、中でも「日本書紀が『偽書』ではない理由」が興味深かった。
まずは第一章でも触れた「一書曰(あるふみいわく)」。これは、「ちなみにこういう見解もある、こういう物語も別の書物に書いてある」という脚注・別伝の紹介のようなもので、「特定の都合で書くのだったら、これを入れる必要はない」と、久野氏。
また、安康天皇が連れ子に殺される、伝承が少ない「欠史八代」をわざわざ記録に残す、白村江の戦いは連戦連敗だった等々、知られたくない・都合の悪い事も、きちんと事実を伝えようとしており、「自分たちが倒した前王朝のことを醜悪に描く中国と違い、王朝交代が一度もなかった日本の強み」とも久野氏は述べている。
そして第四章にて、「国難を乗り越える日本書紀」と題し、日本書紀(原点)に立ち戻ったとする明治天皇が氷川神社に御親拝された「祭政一致の詔」、「教育勅語」、昭和天皇のいわゆる「人間宣言」、また、若き特攻隊員の遺書を「『我々は日本人なんだから、神話からつながる皇室を滅ぼしてはいけない』と思って命がけで頑張った人たちのおかげで国がまもられてきて、そして自分もそれに続くと言っている」と紹介し、終章へとつなぐ。
我々は、先人たちが守り、創り上げてきたこの国を、「日本の原点」を伝えることにより、次の世代へつないでいかねばならないのである。