上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0考えるきっかけにするならいいですけど
2018年3月5日に日本でレビュー済み
最初に言っておきますが、筆者が読者を騙そうとしているなんて言うつもりは一切ありません(確信犯的嘘吐きだったら「てんかんも水毒の一症状」と言いながら、診たケースが結局抗てんかん薬を完全にやめることまではできてない、なんて正直なことを書いたりしないでしょう)。
ただ読んだ限り筆者が「水毒」の危険性(および筆者が感じるところの西洋医学偏重)を説こうと必死になるあまり首を傾げたくなる記述が多いのも事実です。例えば…
濡れたままだと冷えるから「水は体を冷やす」(p23)
→それは水毒を持ち出さなくても「体表の水分が気化する際にその部分の熱を奪うから」という形で説明がつきます(まあ大括りで見れば「過剰な水が冷やしてる」のでしょうけど)。
「アレルギー疾患による症状は、すべて、体外への水分の排泄症状」(p36)
→じゃあ「水分と共に」以外にどうすればアレルゲンを体外に排出できるのでしょうか?(もちろん東洋医学に「アレルゲン」という概念がないのであれば意味の無い疑問ですが)
「私はサウナ浴が好きで週2~3回はサウナに行く(中略)が脳梗塞や心筋梗塞で倒れる人などこれまで一度もお目にかかったことはない」(p73)
→自分が「お目にかかったことはない」のが根拠って(矢追純一の『カラスの死骸はなぜ見あたらないのか』じゃあるまいし)…「ほとんどの人は倒れる前に出るから」という可能性はまったくないのでしょうか?それにヒートショックという両症状の「間接的な」原因にはなりえます(闘病中の二所ノ関親方が倒れた原因もこれでは、という推測もあります)
「目の水晶体(レンズ)の中に存在し、レンズの洗浄をしている『眼房水』」(p105)
→房水が循環してるのは「角膜と水晶体の間の空間(眼房)」ですし、その目的は「血管を持たない組織(角膜・水晶体・硝子体など)への栄養供給」です(そもそも水晶体内部って液状でしたっけ?教えて白内障手術した人)
「まぶしい」「目の奥が痛い」「嘔吐する」のは、緑内障が水毒症である証左(p105)
→「眼圧上昇による視神経路あるいは脳自体への圧迫により起こる過剰刺激・反応」という可能性もあります。別に道中で水分を摂取しなくても、疲労等でこれら症状を訴える患者なんて普通にいます(まあ支持者にとっては「たまたまその時発症しただけで、原因は普段の生活で水を過剰に摂取してるから」なのかもしれませんが)。
などなど。
もちろん東洋医学と西洋医学という(狭義の)パラダイムの問題である以上は「どちらかが100%正しい(間違ってる)」という判断も早計に過ぎますが、単に「西洋医学よりももっともらしい」という認識で支持するのも危なっかしい程度の論でしかないのもまた事実です。少なくとも書いてあることを100%真に受けるのは避けるべきでしょう。