上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0SalesCloudの利用者には必読書です
2019年2月7日
今から15年近く前、日本でなかなか広がらなかったセールスフォース・ドットコムを日本に浸透させるためにセールスフォースの営業スタイルを学び整理し体系化したもの。それが「ザ・モデル」です。営業でフェーズ管理をされていない会社、されているけど上手く運用出来ていない会社には必読書でしょう。
セールスフォース社では自社が最高の「セールスフォースユーザ」であり自社の成長(毎年売上が20%以上成長を続けているのは驚異的です)こそがこの営業支援システムの優秀さを実証しています。自社で成功したノウハウを惜しみなく製品の機能として追加することですぐに世界No.1の営業支援システムとなりました。ところが日本との文化の違いから当初日本では苦戦しました。オラクルに勤めていた筆者が日本に一時帰国した時、元日本オラクル会長の佐野力氏から「お前はセールスフォースに行け」と白羽の矢が立ちます。
営業経験がなかった筆者は米国のセールスフォース社で営業関連部署を次々と経験しノウハウを整理しました。この本の第一部は「ザ・モデル」を作り上げるまでの経緯がスリリングに書かれています。これを「ありふれた」とか「古い」とか言うのは簡単ですが、米国では当たり前にやってた事を、日本に紹介して浸透させるために体系立てたというところに意味があります。つまりこの本は米国の営業スタイルの紹介ではなく、それを日本に紹介するために整理し、それを日本で実践し次々と実績を上げていかれた実践ノウハウが詰まっています。
第一部 アメリカで見た新しい営業のスタイル
第二部 分業から協業へ
第三部 プロセス
→マーケティング/インサイドセールス/フィールドセールス/カスタマーサクセス
第四部 3つの基本戦略
→市場戦略/リソースマネージメント/パフォーマンスマネージメント
第五部 人材・組織・リーダーシップ
マーケティングオートメーション(MA)ツールについて、新規の見込み客(リード)を発掘するためのツールだと誤解していましたが、営業フェーズの中で一旦失注になった「潜在見込み客」を再発掘(リードリサイクル)するためのツールだそうです。これには目から鱗が落ちました。
<残念なところ>
・英語や省略語が説明なく出てくる部分が散見されます
P.67「ファネル」、 P.72「LTV」がP.242で説明されている など
・筆者はMAツールベンダーのためかMAバイアスがかかっていると感じる記述がある
・用語索引がない