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大正半ばから昭和20年前後までの日本のジャズの歴史を対談と言う形式でまとめた貴重な書籍でした。
語り部の瀬川昌久さんは1924年生まれで、東京大学法学部卒業後富士銀行に入行し、併せて音楽・演劇・ミュージカル評論家として活躍された方です。ジャズに関する著作もあり、本書でも素晴らしい蘊蓄と博識を披露していました。
一方の大谷能生さんは1972年生まれで、ミュージシャン、音楽批評家として評価の高い『東京大学のアルバート・アイラー』ほかの著書を表しています。

ジャズ・ソングとして流行った「青空」と「アラビアの唄」の紹介から本書は始まります。音源の丁寧な紹介もあり、臨場感あふれる解説が続きます。下段に詳しい注釈があり、当時を知らない世代にとっても知識を補えるような配慮が施してありました。

昭和初期の「ダンスホール」とジャズの隆盛の関係についても述べていますし、ダンスホールとナイトクラブの形態の違いも参考になりました。
作曲家として活躍した服部良一の音楽性や功績については他書でも語られていますが、同時期に重要な役割を果たした仁木他喜雄のアレンジの素晴らしさは知らなかったものですから、本書で紹介してある音源を探して聴いてみたいと思いました。
エリントンやグッドマンが日本に入ってきた話や、ハワイアン・バンド南海楽友の項目で語られているように、戦前の神戸高商の学生が質の高い演奏をしていたということは驚きでした。

大谷能生さんによるコラムも充実していて「井田一郎 日本初のダンス・ミュージック・クリエーター」「アーヴィング・バーリンについて」「色川武大が語る、『日本のジャズ・エイジ』」「笠置シヅ子と美空ひばり」など、読み応えのある内容が収められていました。
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2013年6月8日
日本のジャズ界が太平洋戦争前の段階でこれほどまでに発展していたのかということを知り、大変驚いた。それが戦争中の弾圧を受けた経緯。戦後のジャズ再興。どれも大変興味深い。
その後、日本のジャズはモダンジャズを神妙な雰囲気の中で聴くことしか許さないジャズ喫茶の世界へと進んでいったのだが、それ自身が自らの衰退と共に日本におけるジャズの広がりを狭めてしまったということに思いを致した。
今、私はジャズの歴史講座なるものを月1回開催しているが、こうした歴史を踏まえて、何ができるか、何をしなくてはならないのか、考えなくてはならない。
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