上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0閉じた世界をほんの少し開いていくだけの、かけがえのないお話
2022年10月16日に日本でレビュー済み
何気なく差し伸べられた手によって人の運命は変わっていく。
それは、些細なかけ違いや悪意に基づいて行われることで簡単に人の心を砕くこともでき、その循環の果てが惑星を砕く物語でもあるのだということ。
夕日にとって絶望の象徴だった鎖はアニムスに至る可能性も大いに指し示していたが、紡がれる一つ一つに願いや希望が見出せるようになることで、彼にとってその意味を徐々に変えていったのだろうなとわかる。
それらの積み重ねが幾重にも連なって循環し、誰かを動かし、いずれそれは巡り巡って夕日にも還っていく。
借り物の力を練り上げ、研鑽を重ね、それでも足りない部分を仲間に支えられ、終には想いと覚悟を篭めた手を力強く差し伸べる。惑星を砕くほどの絶望を固く握りしめられた拳ごと受け止めるためだけに。
希望を知っても、自分は先へ行けることを分かっていても、さみだれへの想いと覚悟はずっと変わらなかった。
ただそれだけのことがこの上なく尊いお話でした。