上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0読みやすく理解しやすい編集で好著になています
2019年6月2日に日本でレビュー済み
18世紀の政治思想家、哲学者であり、「保守主義の父」とも呼ばれるエドマンド・バークの書を読みやすい現代語訳と編集で書かれた好著です。
「フランス革命の省察」は保守主義のバイブルとして、長く読み継がれている名著です。
フランス革命勃発1年後にヵ枯れたこの書で、革命の規制秩序の暴力的破壊、社会的混乱と無秩序、王政、宗教権威の破壊の渦の中での革命派内の権力闘争はやがてフランス社会を収拾つかない混乱状態に陥れ、やがて軍事独裁政権を生み、フランスの国力が衰退することを予言していました。
10年後のナポレオン登場によりバークの予言通りになり、その洞察力が証明され、威信を大いに高め、長く読みつがれることになりました。
フランス革命は教科書などでは「自由・平等・博愛」をスローガンに、特権階級からの抑圧を受けた平民層が蜂起し、自由・平等・博愛を手にしたという説明ですが、現実はフランスに破壊、混乱、無秩序をもたらし国力を疲弊させただけのから騒ぎで、フランス社会を傷つけただけでした。
バークは革命や急激な改革など物事を急激に変えようとすると自然本会や国家に取り返しのつかないダメージを与え、行きすぎた民主主義・平等主義は果ては全体主義や軍事独裁であると喝破しました。
自由には「十分な規律」が伴うことが必要であり、「人間の真の平等とは、こういった道義性の中に存在する」。
「あらゆる格差や不平等をなくすことは、どんな社会にも不可能であり、そんなことを主張する政治家は詐欺師か嘘つきである。
身分や階層そのものをなくせるなどというのは、途方もない大ウソに過ぎない。
こんなウソは、社会の下層で生きねばならない者たちに、間違った期待やむなしい期待を抱かせ社会的な格差への不満をつのらせるだけである。」
分や足るを知る謙虚さを持ち合わせた道義性を重んじる社会では人々は生きやすく、自由に振舞える。
完全な自由や完全な平等という頭で考えた絵に描いた餅念を現実へ強引にもたらそうとするのは馬鹿げて危険である。
バークは、革命や急激な社会変革を批判し、時代に即さない部分は少しずつ斬新的に変えていくのがよい、という保守主義を打ち出しました。た
優れた洞察料の根底にある人間観および社会観は、明快です。
人間観は、非常に現実的で人間って、そんなに理性的な生き物ではない、自由にしたらすぐ野放図で自分勝手で野蛮なことを始めると言います。い
一般民衆は、自由に責任が伴うことを理解できない烏合の衆であるといいます。。
社会観は、秩序あってこそ、人間は幸福になれるのだ、との信念があります。
そのため伝統的なやり方や固定観念を大切にします。
読んでいて2009年の悪夢の民主党政権時代に当てはまることがあまりに多いので驚きます。