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カスタマーレビュー

5つ星のうち4.5
15
日本の雇用と中高年 (ちくま新書)
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2016年5月25日
「Hamachan」の名で知られる労働政策研究者、濱口桂一郎氏。わが国の雇用労働問題が象徴的かつ端的に現れる「中高年」というテーマに焦点をあてることで、本書は「若者と中高年の雇用問題」「日本型雇用と高齢者政策」「定年」「年齢差別禁止」等の中高年に関連するトピックスを縦横無尽に論じています。
さて、最近の濱口氏の「新書本シリーズ」とも呼べる代表的な著作をあげてみます。
 「新しい労働社会―雇用システムの再構築へ」 岩波新書(2007年)
 「日本の雇用と労働法」 日経文庫(2011年)
 「若者と労働―「入社」の仕組みから解きほぐす」 中公新書ラクレ(2013年)
 「日本の雇用と中高年」 ちくま新書(2014年)
 「働く女子の運命」 文春新書(2015年)

このように、濱口氏は「労働社会」「労働法」「若者」「中高年」「女子」というキーワードを手掛かりに様々な角度からスポットライトを順序よく当てていくことで、複雑で難解な「日本型雇用システム」の全体像(歴史的経緯も含めて)を浮き彫りにすることに成功しています。裏返していえば、これだけの角度からスポットライトをあてていかない限り、わが国の雇用問題の複雑で難解な「全体像」は容易には見えてこないということでしょう。

本書でも述べられているように「雇用システムというのは社会システム全体の一部分システム」です。その全体像を隈なく捉えるためには時系列の歴史的分析に加えて、日本経済全体のレベル、個別企業の経営環境や労使関係、働く人の意識や所得レベル、雇用法規と労働慣行、年金、世界的な雇用問題(中高年対策、年金問題など)、さらには高等教育(新卒の就活など)までも含む、極めて幅広い関連テーマを視野に入れる必要があります。

日本の雇用問題/労働問題については新聞、テレビ、インターネットなど、ありとあらゆるメディアで「同一労働同一賃金」「女性管理職比率」「ホワイトカラーエグゼンプション」「限定社員」などの話題が声高に議論されていますが、一体本当にどれだけの人が問題の全体像や本質を理解しているのでしょうか。「小難しい専門用語や聞いたことのない概念ばかりで、何がなんだかさっぱりわからない!」と感じている方もきっと多いのではないかと想像します。

わが国の雇用問題の「将来やあるべき姿」について真剣に考えることが難しい理由は、わたしたち自身が拠って立つ足場であるところの「現状認識」が、極めて難しいからです。すなわち、「日本の会社で働く」ということは一体どういうことなのか?長期にわたって行われている人事異動(職務の書き換え)という雇用慣行がどれだけユニークなことなのか?

たとえば僕は群馬県(高崎市)出身ですが、もし自分が生まれて以来一回も郷土の群馬県を出たことがなければ、他県や他の地域との慣習や気候、言葉や文化の違いはわからないでしょう。たとえ本で読んでも「ふーん、他の県ってそんなに違うのかなぁ」という程度のあいまいな理解で終わってしまうはずです。それと全く同様に、もし自分が日本企業(メンバーシップ型雇用契約)でしか働いたことがなければ、そうでない環境(ジョブ型雇用契約)で働くことや、そこでの仕事の進め方や働き方や喜びや苦しみをリアリティをもって理解するのは至難の業でしょう。

そこで、日本の現状をわかりやすい言葉で説明するためには、いったんわが国の雇用システムの「外」(アウェイ)に立ち、日本の社会経済の歴史的事実も踏まえて冷静かつ愛着をもって記述していく必要があります。ただ、そこで自分自身の立ち位置を完全にアウェイにしてしまうと「日本は特殊でガラパゴス、だからダメだ」という単純な現状批判(日本を非とし、世界を是とする姿勢)におちいってしまいます。

おそらく濱口氏の著作が大勢の読者から支持されている最大の理由は、元厚労省官僚かつ研究者という正統派のキャリア経験から滲み出るキレ味のよい分析力に加えて、日本人インサイダーとしての「愛のムチ」がほどよくブレンドされている点にあると思います。だからこそ、どの本を読んでも良識的な「語り」に安心して身を任せることができるのです。ただ、ときには厳しいスパイスの効いた警句をちらりと挿入するあたりなどは一種の職人芸を見ているかのようです。

さて、同氏も指摘する世界共通の雇用政策は「長く生き、長く働く」(Live Longer, Work Longer)というものです。世界的な高齢化社会が進む中、仕事ができる「現役世代」をいかに確保し、労働者の活力や可能性を引き出していくか。彼らの労務にどれだけきちんと報いることができるか。このように、日本も含む先進国が共通してめざす目標は同じです―Live Longer, Work Longer。各国がこれをいかに達成していくか。

日本では「戦後から高度経済成長期」の社会人口動態、オイルショック等の経済変動にもっとも適合的だったシステムが、会社の採用権・人事権の裁量を最大限に許容する「メンバーシップ型雇用契約」でした。もちろんいまでも、学生から社会人への接合部分(就活と新卒採用)は、就業経験のない若者を全員あまねく受入れるという観点から、メンバーシップ型契約の有効性は変わりありません。新卒入社後、各人のジョブが正式に決まるまでの「モラトリアム期間」に相応しい契約形態が、わが国のメンバーシップ型雇用契約といえるでしょうか。

しかし、誰であれいつまでもモラトリアム期間(ジョブが定まらない状態)に安住するわけにはいきません。遅かれ早かれ、自分の「ジョブ」(職業、職種、職務)を決め、そのジョブを通じて会社組織および社会に個人として貢献をしていくことが求められるはずです。同氏も指摘するように「(少なくとも)中高年期からはジョブ型正社員のトラックに移行しておくことが不可欠の条件」(P210)となります。

そこで、ここから先は僕個人の経験にもとづく提言になりますが、新卒入社時に「メンバーシップ型雇用契約」(職務非限定正社員)を結ぶ場合、期間の定めのない契約は原則NGとし、例えば上限Max 10年などの有期雇用契約とするという方向が望ましいと考えます。すなわち、新卒入社の人が10年間働いた後は、全員、「ジョブ型契約」(職務限定正社員)へ切り替える。なおジョブ型契約は、期間の定めのない契約を可とします。

一般的に若年期はとくに3,4年おきに配置転換があるでしょうから、勤続最初の10年間で2-3回のジョブローテーションを経験できるでしょう。そこで10年働けば、「自分にどんな職種が向いているのか」「この会社でずっと働いていけるか」がわかってくると思います。さらには中高年雇用対策として「40歳以上の労働者とは会社はメンバーシップ型契約は結べない」「40歳以上の雇用契約は、すべてジョブ型とする」という規程を設けてもよいかもしれません。そうすれば、現在60歳としている定年年齢も65歳(年金受給開始年齢)まで容易に延長できるでしょう。なぜなら、40歳以降はジョブ型契約=非年功賃金のため、無理に60歳で定年退職扱いにする理由がなくなるからです。

ジョブ型契約の賃金については「同一労働同一賃金」がそのままあてはまります。というのも彼らは全員、職務限定社員だからです。法制化するには労基法の賃金パーツと最賃法を統合した「均等賃金法」(米国のEqual Pay Act)が必要となるかもしれません。そこでは「同一価値」の定義(あるいは参考となる職務分析の測定指標)を条文で記載していくのが望ましいでしょう。外資系では「ジョブサイズ」という概念で、部門間職種間の異なるジョブを共通の指標でスコアリングし、ジョブの「重さ」を測定します。

これらのジョブ型契約の根幹となるのが「職務記述書」(JD。ジョブディスクリプション)です。僕自身、過去にいくつかの会社組織のJDを作成してきた経験を踏まえても、やはりすべてのジョブのJDを作るのは大変労力を要します。しかしながら、社内の職務を明確化し、各々のジョブのJDを整備しない限り、ジョブ型社会への移行は不可能なのです。JDの調査・作成は大変な作業ですが、その労に報いるだけの価値ある仕事です。なぜなら、JDはジョブ型雇用契約の根幹をなす組織インフラであり、ジョブ型組織の人材マネジメント・賃金管理に必要不可欠なツールだからです。

さて、濱田氏の「次なる新書本」は、どんなテーマでしょうか? 「解雇」?「定年」?「異動・出向」?「賃金・賞与」?「職務給」?、それとも?
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2015年6月13日
 正社員といわれた人々の、仕事へのかかわり方や社内行動、そして会社での雇用慣行や国の労働政策(法制も含めて)のもろもろが、著者のいう「メンバーシップ型」雇用の視点から、丁寧に説明されているのが、興味深く、かつ大変納得させられた。関係労使での争点や労働ルールにかかわる判例の位置づけなども、歴史を追って具体的に説明が進められていて、過去の一時期にかかわったことのあるテ-マが、「メンバーシップ型」雇用の文脈のなかで、くっきりと位置付けられて見えてきたのも、面白かった。
 今、非正規社員の増加によって、「メンバーシップ型」雇用の前提が大きく揺らいでいる現実に、どう対応していくかは、この社会をあげての最重要の課題であることを、実感させられた。
 不足点をいえば、「メンバーシップ」の中に、女性が組み込まれていなかったことを、もっと掘り下げてほしかった。今後の著作にも、期待したい。
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VINEメンバー2015年6月9日
「ジョブ型社会」「メンバーシップ型社会」「内部労働市場」「外部労働市場」などをキーワードに、日本の雇用問題ないしは人事政策と法制の変遷と現状、高齢化する社会が直面する諸課題をコンパクトにまとめた良書です。現役のビジネスパースンはもとより、まもなくメンバーシップ型社会の一員になるであろう学生諸君にも一読を勧めたい良書です。
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2014年10月22日
 濱口先生のこれまでの著作は、ほんとうに考察が深いし、官僚出身ゆえ法律を間近で見られてきたからこそのものがある。

 ただ、前著『若者と労働』もそうだが、文体や表現方法は論文の本化と言ったほうがよく、雇用・中高年というキーワードに関連する前提知識・感覚に乏しいと理解は難しいと思う。それを込めて★4つにした。

 けれども、雇用を体系的に理解し、働くことが難易度を増している現状を理解するにはうってつけの一冊だと思う。
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ベスト1000レビュアー2014年10月4日
欧米のまず「職」ありきで、その「職」に対して求人する「ジョブ型社会」に
対し、会社にふさわしい人を一括で採用し、適当な「職」をあてがい、スキ
ルを習得させる「メンバーシップ型社会」。
本書の主題である中高年問題を解決するためにも、ジェンダーや外国人
の就労の問題を解いていくためにも、「ジョブ型社会」への移行が望ましい
という著者のこれまでの主張を、労働法制の推移や判例から丁寧に解説
してくれる。
労働問題の責任ある唯一の答えは「長く生き、長く働く」を目指すことしか
ない。しかし、「メンバーシップ型社会」では、その特徴である年功的賃金
故に、中高年の賃金が成果と比して釣り合わないという理由から、早期退
職を促されたり、退職を強く促される境遇に追いやられることもしばしばで
ある。これらを解決するためには、「ジョブ型社会」に移行せざるを得ないと
著者は主張する。
そのとおりなのかもしれない。ジョブ型社会になることで継続雇用の矛盾と
いう今後避けては通れない大問題の解消にもつながるように思う。とはいえ
メンバーシップ型社会では、安定雇用という名目から「生活のセーフティネッ
ト」という側面への注目が大きく、一気に転換するのは困難と思われる。
いかに折り合いをつけていくのか、考えさせられる。
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VINEメンバー2014年9月14日
 この国の労働法制や雇用制度(結局は法律に拠るのだが)を知るには、その根幹を成す
中高年向けの仕組みがどうなっているか?を理解すること、また変革することが最重要と説く。
では、その仕組みやどうしてそうなったのか?という変遷を、コンパクトに且つ分かりやすく
まとめた一冊。

 本書を読めば…

 ・諸外国は若者余りばかりなのに、この国だけは逆なのか?
  →若者向け優先の仕組み。中高年向けの仕組みは元々無かった

 ・年功序列という仕組みは、実はそんなに古くない
  →年齢に給与ではなく、仕事(職種)に給与を!は、昔の財界も主張

 ・国は社会福祉の一部を企業に任せたが故の年功序列という仕組み
  →○○手当が分かりやすい例

 ・仕事(職種)に給与が紐づいていないから、管理しない「管理職」がいる
  →管理監督者の定義もよくよく考えるとおかしい

 ・法的に認められる解雇制度(判例)は、どう積み重ねられたか?
  →これは労働法をかじった方なら既知なことだと思う

 ・何故、企業においては男尊女卑だったのか?
  →過去の判例等を用いて、企業が男性優先で雇ってきた事実
  →それを追認してきた国の姿勢も知ることが出来る
 
 …なんてことが分かります。

 加えて、学ぶという点では、労基法などの「労働法」分野を理解する一助にもなるでしょう。
勤め人になって、または人を雇う立場になって、それぞれが「損」をしない為にも一読の
価値ありますよ。

 ちなみに文体は「…です・ます」です。これも読みやすさ向上につながっていると考えます。
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2014年9月11日
 中高年に焦点を当てた労働法、労働問題の概説書である。該当する人々の関心が高いのであろう、そう人口の大きくない地区の小さな図書館で検索したところ、24名の予約が入っていた。出版から4ヶ月もたっているのにである。

 労働問題をめぐる筆者の論の鋭さは、同著者による岩波新書「新しい労働社会」でよく知られたところだ。日本の労働市場はメンバーシップ制であるとみてとり、様々な矛盾や問題点を歴史的経緯を踏まえつつ、かつ目先の損得論ではなく、社会システム全体にも目配りした広い視野から論じている。時折、「ガラパゴス評論家」や「お花畑の議論」に怒りを表明しているが、著者が本気であることが伝わって、私には好ましく思えた(無論、鼻白む人も多いだろう)。

 この著者からは今後も学び続けたいと改めて思った。

  
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2014年9月9日
盛りだくさんの本である。内容的には大学の教科書として使えるだろう。法学部の学生が一学期で学ぶのにちょうど良い分量だと思われる。ただし新書という形式の本としては表現が難しい。内容を半分に絞り込んで、もっと平易に判例ではなく実例を使って説明すれば、世の中の人にたやすく理解してもらえると思う。著者の主張には同意できるだけに惜しい本である。前書きもなければ後書きもない。素人が読むには難しい本である。ちなみに終身雇用を前提とする正社員制度のかわりとして著者が提唱している「ジョブ型正社員」は、正確には「限定社員」である。アメリカなどの「仕事に人を付ける」方式を目指しているので、仕事や場所が限定された「限定社員」と呼ぶべきであり、あえて「○○型正社員」と名前に正社員を残すのは誤解の元である。この本を熟読すれば、日本の終身雇用、年齢差別、年功賃金が鉄のトライアングルになっている理由がよく分かる。そのスキマを付く形で日本の雇用が悪化している現状を見ると、個々の会社が人件費を減らすために部分最適を追求した結果、日本全体として全体不適になってしまった道筋がよく分かる。雇用問題が児童手当や住宅政策にまで関係するという指摘は鋭い。
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VINEメンバー2014年8月18日
 最近の「若者論」で、中高年が既得権にしがみついていい目をしているから、若者はその割を食っているという俗論に対して、日本では一貫して中高年失業が大きな問題となってきた、ということを戦後日本労務管理史、労働法制史の研究成果や判例なども豊富に引用しながら説明し、こうした問題を解決するために中高年期からジョブ型正社員のトラックに移行させようという提案しています。驚いたのは、60年代までは終身雇用制を特徴とするメンバーシップ型の日本型雇用制度を、ジョブ型に変えようという提言が行われていたこと。石油危機などの際には、重厚長大型産業の構造変化のために、雇用維持を目的とした社員の配置転換や出向なども認められるようになってきたんですが、そうした制度が、バブル崩壊時には配転や出向が特定社員を会社から排出するための手段として用いられた、というあたりは唸りました(p.114-)。

 ホワイトカラーの生産性が給与の上昇ほどには上がっていないというこに経営者がうすうす感じていたから、給与が年功序列で自動的に上がっていく「まず中高年から狙い撃ち」という解雇方針が効率いい、というあたりで引用されるのが『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』城繁幸。富士通の場合、ターゲットはバブル入社組。普通に残業していれば課長以上の月給を稼がれてしまうのを防ぐために、成果主義を導入し、目標管理で縛って、成果を上げない人間の給料を上げないという方向を目指していました(p.179-)。欧米では中高年向けに早めのリタイヤを優遇する政策がとられましたが、これが財政破綻を招く最悪の結果となり、今では「長く生き、長く働く」ことが合い言葉になっています。それにしても、個人が高齢化社会に立ち向かうには、明るく朗らかに「長く生き、長く働く」ことしかないのかも。そして、個人ができる貢献として、心身共に健康を維持するということは社会保険の支出を減らし、働くことで社会保障制度や税収を維持するという意味でも積極的な意味を持っていたりして…なんて思いました。
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VINEメンバー2014年6月27日
日本の雇用と労働法 (日経文庫)
この本で、日本の雇用の(現場での)あり方と、労働法制の現代史が分かります。
戦中の総動員体制や、戦後の経済の発展と労働法制の変遷など、幅広く経済の現代史にも触れながら、
現在の日本の雇用のスタイル(新卒採用からはじまり、ジョブローテーションや広域にわたる転勤、
定年退職まで)の成立を説明しています。
また、本書で、著者の主要な主張である「メンバーシップ型からジョブ型へ」という改善の方向が
語られています。

若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす (中公新書ラクレ)
この本では、『日本の雇用と労働法』と同様に、日本経済と雇用、労働法制の関係について概要を
確認しつつ、若者の雇用に焦点を当てています。
さらに、本書では、若者を労働市場に送り込む側、つまり教育システムのあり方についても言及があります。
子を持つ親、教育に関わっている人、企業の採用担当者、人材育成担当者には、ぜひおすすめしたい
素晴らしい本です。

そしてこの『中高年』では、日本の雇用と社会保障の関係について述べられています。
相変わらず著者の視野が広く、とても勉強になりました。
著者が本書で繰り返しているのは、「無駄な世代間闘争をやめましょう」ということです。誰かが
一方的に損をしていると考えて、誰かを罰すればよい、という考えではダメだ、というのです。
どうしても「自分たちの世代は損をしているのではないか」と思ってしまいがちですが、本書は
冷静に考えさせてくれました。
ただ、これ(「メンバーシップ型からジョブ型へ」という提言)の実現には、なかなか時間が
かかるだろうと思いました。その方向はとても納得がいくものですが、教育システム・社会保障システムとの
関係まで考えるとなると、かなり大変そうです。だからこそ、多くの人に読んでもらい、考えてもらいたい。
そう思いました。
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