Androidアプリストア Amazonファミリー 芥川賞直木賞特集 psm ポイントアップチャンス 事前にエントリー nav_flyout_biss nav_flyout_videogame ファッション Fire 7 ・Fire HD 8 Fire TV ホワイトデー特集2018 花粉対策特集 インテリアスタイルガイド Echo Kindle Amazon MP3 ウィンター ワイルド・スピード ICE BREAK (字幕版)



2014年9月16日
日本では室町末〜江戸時代の近世において、茶はただの飲み物であるほかに、茶道に集約される精神文化として発達し、現代にまで受け継がれている。ところが、主に英国において発達する紅茶の文化は、近代以降に急速にヨーロッパを中心として台頭してきた、資本主義と経済における消費行動に根ざしており、茶は商品であった。近世までのヨーロッパは学問や科学技術は進んでいたが、当時最大の貿易品目であった綿織物や香辛料はインドが、絹や茶それから陶磁器は中国が主要な生産国であり、富の中心はアジアであった。ヨーロッパ人たちはアジアの豊かさを羨望するも、それを貿易で手に入れるため対価となる銀が必要だった、、。

歴史上も重要な出来事である『アヘン戦争』は、それを転換点として明暗を分けることになる中国と英国、その後没落していくアジアと、一躍世界の覇権を握ったヨーロッパのそれぞれの栄枯盛衰を象徴しており、その前後がダイナミックに分かりやすく鮮やかに描かれている。著者は経済学者でもあり、豊富な当時の資料など統計データや数字をもとに裏打ちされた、説得力のある考証がなされており、読んで思わず引き込まれていく。

その英国も『ボストン茶会事件』を契機として、その後のアメリカ独立戦争へと続き、やがて世界における覇権の座を米国に明け渡すことになる。ここでも茶がそのきっかけとなっており、大英帝国の崩壊していく遠因にもなっていることは、歴史の皮肉と言えようか。

いっぽうで明治となり鎖国から明けたばかりの右も左もわからない日本が、必死になってグローバルな世界へと船出していった様子が第2部で詳しく取り上げられる。しかし、農産物としての茶は、急速に伸びて行った諸工業の製品とは対照的に、やがて明治末には主要貿易品目からも外れていく。ここではどうして日本の緑茶は、中国やインドの紅茶に勝てず、世界の市場から駆逐されていく運命にあったのか、主に領事館や対外公使の資料などを元に詳しく解説されている。日本の製品やサービスは、今日の世界においては過去の高度経済成長期とその後の貿易摩擦の頃と比べて成功しておらず、次第に国際的なプレゼンスが下がってきているようにさえ思われるが、その理由はいったい何であろうか?今を生きている我々にとっても、明治の日本人がどのように行動し考え、あるいは成功し又は失敗したのか、その事例としても本著を読むことができ、多くの教訓や示唆に富んだ内容になっているように思われる。

【以下私の読後の感想や考えたこと】
私見ですが、今の日本製品・サービスがいまひとつ世界で売れなくなった理由は、いまだに鎖国から目の覚めていない古い考えの頭で『緑茶』を輸出しようとしているからではないでしょうか。成功していない製品やサービスのやり方は、この明治の緑茶のたどった道と重なって見える気がします。そのことに気づいて『紅茶』を売る事に転換できた分野ないしビジネスだけが、元気よく生きのびている印象です。つまり、正確な情報の収集と分析にもとずく、需要にそった供給という基本的なマーケット戦略眼の欠落です。外の世界を良く見なければいけないよ、とこの本が教えてくれたように思います。日本茶を飲んで「ふぅ〜」と一息つくのは私にとっても幸せの時間です。しかし、それが外国人にとっても幸せであるのかどうか、今一度よく確かめる必要があります。

ところどころナウい言葉遣いで執筆された時代を感じさせるものの、今読んでも十分に我々に強く訴えるメッセージが込められており、優れた知見としておすすめの書です。

【以下2014年購入時のレビュー】
『わかりやすいのに奥行きもある名著』
本著は私たちの身近な飲み物である「お茶」の歴史をベースにしながらも、近世から現代へと時代が変化する中での日本や世界との関連や、広い視点からみた文明の社会学史でもあり、信憑性の高い経済的データから読み解く壮大な世界経済史でもある。むしろ、そこで茶は歴史を掘り下げていくためのキーワードであり、茶が各時代の各地域において人々にとってどのような価値を持ち、どのように扱われたのか。また茶の流通過程やその背景の事情など人々の思惑を知ることで、当時起こった様々な事件や事象なども理解が深まり、それは現代の社会と世界を知るうえでも大いにヒントとなる。ここではまさに茶が、移りゆく人類の歴史において、切っても切れない重要な指標のひとつとして主役であり、お茶にまつわる数多くの興味深い話なども豊富かつ詳細に取り上げられている。お茶が好きなひとにはもちろん、読み物としても一般にも分かりやすく書かれており、おすすめの名著である。
0コメント| 6人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2017年9月25日
16世紀以降、お茶が世界に広がっていく大きな歴史的な流れが掴める良書。参考文献も豊富でさらに深めることができる。ただ細かいところで事実確認されていない印象があり残念。たとえば「イギリスの水は軟水で」、それが大陸と違って茶が拡がった理由としているが、明らかに現在のイギリスは硬水の国、17世紀と今では違うのならそう書いてほしい。
0コメント|このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2013年5月11日
本を読むのが苦手な私ですが、読みやすく面白いです。私達にとって身近なお茶がどのような歴史を歩み、今尚飲み続けられているか…少しでも詳しく知れて良かったです
0コメント| 1人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2015年8月16日
本書では、欧米でお茶が普及していく過程と、その過程への日本の関わりが述べられています。

第一部「文化としての茶-緑茶 vs. 紅茶」では、茶の湯に代表される東洋文化へのあこがれと共にヨーロッパに持ち込まれた茶が、特にイギリスにおいて国民的な飲料として普及していく過程が、大航海時代や帝国主義などの国際的な社会背景と結びつけて解説されています。

第二部「商品としての茶-世界市場における日本の茶」では、開国直後の日本が茶を輸出商品の主力として頼り、官民あげて国際市場への売り込みを図った顛末が記されています。

本書を貫く視点のひとつは、お茶の「文化」としての側面と「商品」としての側面の対比です。茶の湯が持つ高い精神性と結びついた「文化」である緑茶に対し、紅茶は植民地で大量生産された砂糖と結びつくことで「商品」として普及した、と著者は述べています。

もうひとつ、植民地支配を基盤とした資本主義経済とはどのようなものか、新興国が国際市場に参入する際にはどのような苦労があるのか、といった通常は歴史や経済として語られる概念を、お茶をという身近なものを通して実感する視点も与えてくれます。

単にお茶についてのうんちくを語るのではなく、経済学の冷たい理論だけでお茶の普及を説明するのでもなく、「文化の変遷」と「経済の仕組み」という2つの視点を絶妙にブレンドした本書は、とても読みごたえがあります。初版から40年近くにわたって読みつがれてきたのも納得です。
0コメント| 4人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2015年1月3日
16世紀に日本の茶の湯に接したヨーロッパ人は、芸術性・神秘性・倫理性を単なる一杯の飲み物に込めるその文化性の高さに衝撃を受ける。茶はヨーロッパ人にとって東洋文化のシンボルとしてイメージされて畏敬と好奇心をかきたてる。
ヨーロッパの世界進出は彼らにとって東洋が魅力的であったことによってなされた。そして茶は東洋文化の魅力の中心であった。
たかが茶、されど茶、なにしろ茶。世界の歴史の中で茶が占めてきた役割の大きさを気づかせてくれる新書です。
そういえばアメリカ独立戦争のきっかけとなったボストンティーパーティー事件なんてのもありましたっけ。この歴史的経緯があるから紅茶はアメリカ人に恨まれて、彼らの主飲料はコーヒーになったとか。(彼らの主飲料はコーラだというツッコミは歓迎)
本の後半では、商品としての茶の国際勢力争いが書かれます。
日本茶の香りはまことにデリケートであって、その香りは日本の風土、水、雰囲気の中でしか味わえないところがあるため、国際性を持つことがむずかしい。
アメリカに輸出された日本茶は日本と同じように味わってもらえず、アメリカ人は日本茶の正しい飲み方を知ろうとしないことが日本人を苛立たせた。アメリカ人は緑茶に牛乳や砂糖を入れて飲もうとすることを視察に行った日本人が報告していたとのことです。
しかし異文化をそのまま受け入れられないのはどの国にもあること。今や紅茶を確固たる伝統文化として組み込んでいるあのイギリスであっても、いくつかの地方では煮出した茶の葉つまり出がらしに塩とバターをつけて食し、煮汁の方は捨てるという信じがたい採取方法をとっていた時代があったそうです。
0コメント| 3人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2013年3月14日
 茶について広く浅く網羅した本。『一杯の紅茶の世界史』(文春新書)を先に読んでしまったので、紅茶についての細かい知識やその交易について非常に詳しく、本書がやや物足りない感じはありました。しかし、『一杯の紅茶の世界史』自体が本書の一部を大まかな枠としているだけのことであり、『一杯の紅茶の世界史』にはない緑茶の交易についてなどについても本書は言及しており、読む価値はあると思います。むしろ、本書を読んでから『一杯の紅茶の世界史』を読んだ方が、より楽しめると思います。
 本書の特徴としては、大学の先生が書いたということもあり、データと資料が豊富なことが挙げられます。また、個人的には世界商品と化していた茶を、日本が世界に売りつけようと四苦八苦している様子が何とも言えない残念な感じがして面白かった。とにかく、交易するに際しては国際情勢の把握こそが命であるのに、日本は不正確で情報不足。しかも、国際的には単に交易品である茶に、文化や精神を基調として魅せるやり方の失敗も、やはり認識不足からであろうことは何とも残念なことです。
 さて、本書は1980年刊行ということもあり、やや古くはありますが、類書を読む際の基準ともなりうる良書です。とりあえず、全体を大まかに見たいという方は、読んでみてもいい一冊だと思います。
0コメント| 13人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2013年4月27日
世界史を習って久しいのもありますが、アヘン戦争の根っこに茶の貿易があったとは…
豊富な資料を元に主にイギリスのティー文化を支えたアジアとの交易について書かれています。
茶に興味の無い方でも、茶の貿易を通してみる外洋との交易手段が船しかない時代のヨーロッパの貿易競争はおもしろいと思います。
0コメント| 2人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2015年3月13日
活字が苦手な私にはちょっと眠たくなりましたが、凄く勉強になったので、また二回目読んでみようと思います
0コメント|このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2014年9月5日
明治のはじめコメを食べるとバカになると言われた。森鴎外は必死になってそんなこたーないだろうと反論した。敗戦後もまたコメを食べるとバカになると言われたものだ。今回は誰も反論しなかった。緑茶と紅茶は元は同じ茶。製法の違いだけ。中国の茶葉を船でイギリスに運ぶ途中インド洋の酷暑で紅茶に変わったというのも俗説。東羊人である日本人は開国後絹糸と茶葉を売って金を稼いだ。福沢諭吉が欧米人が日本に来るのは天子さまの徳を慕って来るのではなく茶と生糸が目当てだといったのは福澤のリアリズム!茶の歴史で世界システム論が書けるなら、日本に金も銀も銅も鉄も石炭もなかりせば、日本の工業化はなかったであろう。人の評価は棺をおおってのち定まるというが高井弘之の評価は既に定まれり。すなわち朝鮮文化に心酔するあまり頭がおかしくなった。
0コメント| 1人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2013年2月2日
学生の頃、世界史を不勉強だったため、この「〜の世界史」というシリーズに手を出し始めて、「砂糖の世界史」に驚きと興奮を覚えたといった感じなのですが、この「茶の世界史」は正直微妙でした。
というのも、世界商品として振り返る「砂糖の世界史」と違って、日本茶が他の茶(紅茶、烏龍茶)とどう違うか。などを扱ったこの本は、いわば「茶の歴史」と言った感じだったからです。

「砂糖の歴史」のダイナミックに様々な物の流れや関係の構造をえぐり出すものを期待している人にはお勧め出来ません。
たぶん、僕のような目的で読んだ人が楽しめるのはp95‾124の間くらいでしょう。
ただし、茶の歴史としての資料価値を考えるとなかなかの物なのかも知れません。
0コメント| 5人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告