Androidアプリストア Amazonファミリー 風間杜夫の朗読でハリー・ポッターシリーズ Amazon Cloud Drive Amazon MasterCard Wintertire DVD Blu-ray Bargain 2016winter ファッションセール Fire HD 8 Fire TV stick Amazon Fire TV Fire TV stick バレンタイン特集 2017 年末年始ダイエット特集 大型家具・家電おまかせサービス Kindle Amazon MP3 ウィンタースポーツストア ドキュメンタル

カスタマーレビュー

5つ星のうち4.4
23
5つ星のうち4.4
形式: 文庫|変更
価格:¥529+ Amazonプライムなら、お急ぎ便が無料
お客様の評価(クリア)この商品を評価する


レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。

2014年7月19日
西欧ではオオカミは害獣でしかない。牧畜民にとってオオカミは大切な財産を奪っていく憎い相手だった。童話にさえ悪者のレッテルを貼られたオオカミが登場し、最後には追い払われてしまう。そして本当にオオカミたちは駆逐され絶滅しかかっている。しかし農耕民である日本人にとってのオオカミは、大切な作物をシカやイノシシから守ってくれるありがたい存在だった。西欧では動物を管理するのは人の役目だ。一方日本では人も動物も同じ自然の中に生き、互いの存在を侵さないように、時には守ったり守られたりしながら生きてきた。オオカミを神として敬う。難しい教義も戒律もないけれど、それはとても素朴で温かい信仰の形だと思う。人とオオカミはともにひとつ自然の中で生き、両者をつなぐのが山だったわけだ。

山もまた私たちに貴重な水源や薪炭を与えてくれる大切な存在だ。いつも身近にあって、その姿を変えることはない。山に向かって手を合わせるという行為を果たして日本人以外の誰がどれだけ理解してくれるだろう。どんなに世の中が便利になっても、どんなに開発がすすんでも、山に登って朝日を拝むことの意義を、私たちは遺伝子の中に刷り込まれている気がする。そしてこの本の中にあるような土地に根ざした生き方を忘れてはならない。
0コメント| 15人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
2014年1月18日
2013年の冬は新しい駅ビルへの移転で最寄りの図書館が使えなかったので、比較的近い図書館分室まで散歩を兼ねてよく歩いた。

そうして初めて気づいた。
東横線で元住吉や日吉という駅は、線路上の点だ。
しかし自分の足で歩いてみると、たとえば蟹ケ谷のあたりまで元住吉、夢見ヶ崎の近くまで日吉という地名となっている。
これらの地名は東京から南下する路線の点状のものではなく、多摩川に近い順に並行する帯状の拡がりをもっているのだ。
東横線の線路が敷設される以前の、新興住宅地に新しい住民が移入する前のこの土地は、地元の人たちにそう認識されていたはずだ。

この本はそうした過去の世界にわたしたちを誘う。

先祖代々宮前区土橋に住んできた小倉恵美子さんは、あるとき実家の土蔵の扉に貼られた黒い獣の護符の由来を知りたいと思うようになる。
調査していく中で、鎌倉時代から存在し江戸時代以降には農業と竹の子栽培で生計を立てていた70戸ほどの平凡な集落が、実は関東平野全体に拡がる人的なネットワークに支えられ、経済的にも深いつながりがあったことが明らかになってゆく。
昔の人たちがいまのわたしたちとは違う思考と習慣に生きながら、生計のために同じように知恵を絞り、計画し、若者たちの成長を喜び、大人の世界に迎え入れていたことを、小倉さんのこの本は教えてくれる。

小倉さんはこう書いている。

〈引用開始〉-----------------------------------

わが土橋村を講社として受け持つ服部御師は、土橋から隣の馬絹村、野川村、明津村、下小田中村…と、地続きにその受け持ちのテリトリーがつながっている。それらの村々は矢上川の上流から下流へと連なっており、服部御師のご先祖が人のご縁を頼りに「川の道」を伝って布教をして歩いた様子がうかがえる。このように御嶽山の御師は、自らの足で歩いて里びととの信頼関係を各自で築き上げてきた。その関係が今なお続いているのである。

〈引用終了〉-----------------------------------

本書が刊行される2年くらい前に御岳山に行ったときのことだ。
山頂集落に着いて水飴を舐めながらうろうろ歩いていると、小学校3年くらいの男の子が山で採れた栗を売っていた。
籠に山盛りの栗を買うと、その子はとなりの籠からひとつ栗をとって袋に入れてくれた。
おまけのつもりだったのだろうが、もしかしたらお父さんやお祖父さんがそうやって売っているのを真似したのかも知れない。
長い長いあいだ、御岳山の山頂で暮らしていた人たちが集落を訪れる平地の人たちにそうしてきたように。

刊行された後の2012年11月に再度御岳山を訪れた。
読む前には気づかなかったさまざまなものが見えた。
農耕の神であった「おいぬ様−大口真神」を祀っていた御岳山神社はいま、飼い犬の健康を願う人たちの望みを叶える聖地としても機能している。
茶店の窓には元禄の頃に日本中を旅した円空の仏が多数祀られている。
山を降りて駅に歩く道々のお宅に貼られたおいぬ様の護符を発見する。
そうしたことが、見えた。
里と山の関係はそのカタチと拡がりを変化させながら、いまも脈々と続いている。
小倉さんがわたしたちに語りかけるその通りに。

川崎市内の多くの小学校や中学校の図書館には、きっと小倉さんのこの本が所蔵されている。
読んだ子供たちには、まず鉄道ではなく自分の足や自転車で、意外なくらい高低差のある市内を動きまわってみることをお勧めしたい。
地名や川や用水路に注目しながらだと、いろいろ面白い発見があるだろう。
そして、高い建物が建ち並び、地面のほとんどが舗装されている今の風景ではなく、豊かな田畑や森が連なり、空が高く遠くまで見晴らすことができた時代のことを想像して欲しい。
大山や御岳山や秩父の山々が川崎市内から見えた頃のことを。
秩父の山並みの背後には榛名山も。
むかし、この土地に生きていた子供たちもきっとこれらの山に憧れていたろう。
そう思うことができたらこれらの山に行きたくなるだろうから、休みに家族や友達と出かけてみるといい。
これまでに見えなかったことが、確かなリアリティを持って見えてくる。
見えなくても、まだ自分のコトバで想いを表現することができないあなたたちにも、きっと何かが感じられるようになる。

2006年に「仮面ライダー響鬼」を見ていた子供たちなら(どういうわけかお父さんの方が熱心に見ていたかもしれない)、あの作品の世界観には日本の伝統的な民俗文化に基づいたモデルがあって、小倉さんのガイドでいつの間にか自分が作品世界にとても近づいていることに気がつくだろう。
世界文化遺産登録以降、テレビなどで取り上げられる機会が増えた富士講の御師などにも興味が出てくるかも知れない。
鳥のように地図を見て、あちこちの土地や土地同士のつながりに想像の翼を羽ばたかせる人もいるはずだ。

この本に導かれて若い人たちの断片的な知識は時間的にも空間的にも深く広く拡がるさまざまな文化に接続をはじめる。
そのことは、これからの時代を生き何かを作り上げていく人たちの想像力と創造性の基盤のひとつになる。
過去の人々の営みは、現在の子供たちを通じて未来につながっていく。

2012年の9月に初めてこの本を読んでから3册ほど買い、買うたびに誰かに進呈し、今は手元にはない。
だからこの文を書くのに川崎市の図書館から借りた。(今回、レビューを掲載してもらうためにまたAmazonから買った)
小倉さんの贈呈本だった。
表紙の裏には彼女のサインと、こんな言葉が書かれている。

「地元で読み継がれていくことを心より願います」

わたしもそう思う。
強く強くそう思う。
0コメント| 31人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
2015年9月29日
昨今のスピリチュアルやパワースポットブームとは、違う真面目な角度から信仰を知る良書です。
パワースポットを訪れる人は多いが、その信仰そのものを知る人は少ない。パワーを得るとか即物的な話とは無縁です。
日本武尊から現在まで、時代をまたいで、展開する著作は数あるけれど、本書は歴史書ではなく、専門用語満載の民俗学の専門書でもありません。
あくまでも地域密着インタビュー形式で実際の信仰を掘り下げて、紹介されています。山で生きるとはどういうことか、考えさせてくれました。道路も鉄道も敷かれ、便利な世の中になっても、人の生活に変わらないものもあることを知りました。
余計な論は無く、考えを押しつけるものはない。インタビューをする著者と受ける側との信頼関係は、お犬さまが結んだ縁だと思います。
素朴な里山の暮らしの一端を垣間見ることも、昨今無くなりました。少し遡った時代に浸れます。お勧めです。
0コメント| 12人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
2013年9月10日
私は埼玉県在住なのですが、飯能市あたりに御岳山の宣伝看板があって
神様の縄張りみたいなことが書かれているのかと思って
この本を買いました。でも内容はもっと奥深くて最後には秩父にいき
いくつかの神社を経て三峰神社まで筆者は行くのです。
私は三峰神社に行った時 境内の宿泊施設に「~講 御一行」と書かれて
いるのを見て、修験者の団体?なんてとんでもなかん違いをしてたんですが
その意味がわかったこともだけど、いろいろなことを知ることができて
すごく勉強になった本でした。
0コメント| 12人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
2012年4月1日
平地で農作物を営む百姓さん達が、豊かな自然を
与えてくれる心からの感謝の気持ちが、
文面に現れていて感動しました。

緑の多い山々から流れる水(多摩川)のお陰で、生活が満たされ
その作物を「御師」(山頂の神社の世話役)に感謝の気持ちを
込めて還元する。年に1回または2回、武蔵御嶽神社へ参拝へ向かう。
一行は「講中一行」と呼ばれ、直接神社に参拝
することは無く、「御師」に導かれて山頂を目指す。

この「御師」との人間的な付き合い、またオイヌ様こと
山に魂が宿る「ニホンオオカミ」への心からの熱き思いに感謝している
様子が克明に想像でき良書だと思います。
0コメント| 12人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
著者は川崎市の東急沿線、鷺沼とたまプラーザの間辺りにある川崎市土橋で生まれた。
土橋は今や住宅街だが、著者の家を始め、近隣は皆、昔は百姓であった。
その家々にに貼られたオオカミを象った護符。
物語はその護符の起源を調べるところから始まる。

その道筋にあったのは道ではなく川であった。
多摩川である。奥多摩から滋味豊かな清らかな水を運んでくる多摩川を遡ると
そこにあったのは御岳山(みたけさん)である。
武蔵御嶽神社こそオオカミの護符の故郷だったのだ。

日本の内陸に暮らす人は昔、皆、川と山の民であった。
一本の川筋に文化が伝わってゆく。
例えば、私はサンカを思い出す。
彼らは川沿いに、里に降りてゆきながら川漁をし、自ら作った籠や箕を購った。

例えば私は屋久島を思い出す。
屋久島はまるで日本の縮図である。
屋久島では川と、山と、集落と、浜がセットなのである。
私は愛子集落の安藤さんという土地の山岳ガイドに世話になったが、
愛子集落に住む人々が登山を欠かさず、清めているのは愛子岳。
愛子岳から集落に向かって流れ落ちる急流、海岸。
集落一つが、一つの頂き、一つの流れ、一つの浜を持っているのである。

読了後、この本の元になった映画を観る。
こちらに対してはちょっと厳しめの評である。
映像はよく撮ってあるが、まだプロの仕事になっていない。
編集にテンポとリズム感がない。
ナレーションが多すぎる。
見て分かるものは理由がない限りナレーションにすべきではない。
(映画の場合です。テレビのドキュメンタリーはまた、つくり方が違います)
ナレーションの推敲が足りない。ナレーションで
「炎天下の猛暑」などと言われると小さな傷ではあっても全体の信用を損ないかねない。
0コメント| 27人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
川崎市の土橋という地区の農家に生まれた著者が、土蔵に貼られたオオカミの護符の由来を探ることから始まる物語である。
自ら歩いて取材し、武蔵御嶽神社に始まりかつて武蔵の国にあったオオカミ信仰を訪ねて、秩父にまで足を伸ばしながらこの国に息づいていた地域社会を描き出している。

経済優先の社会とともに忘れ去られていったつい最近まであった地域のつながりに始まり、その源流まで辿ることでこの国の成り立ちが見えてくる好著である。

私も川崎にも秩父にもかつて関わりがあり、特に秩父各地の神社に祀られていたオオカミの姿や秩父独特の締めは不思議に思っていた。
その由来にも触れられて、親しみを感じた。
0コメント| 13人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
2014年8月19日
既にレビューが14件もあるが、コメントを入れたくなった。
本書では「オオカミの護符」の歴史・民俗が語られはするが、むしろ筆者たちが多摩や秩父の山々を訪ね、現地の人たちと語らう過程がドキュメンタリーとして面白くも、楽しくも、また懐かしくさえも感じられた。(私は、著者より少し年上である。)
海岸に近い、新田開拓で造成された真宗地帯の村落(だったもの)に住んでいるが、いつも時間の厚みを感じさせる山里の歴史・習俗に憧れを感じている。「おいぬさま」信仰に関わる本書は、そんな気持ちに呼応するように、素直に心に入ってきた。あまり重々しい雰囲気でなく、読みやすいのも良い。お薦めです。
0コメント| 6人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
VINEメンバー2016年8月3日
この本の舞台となる地の住民です。
近所の畑に、この護符が立っているのは何度か目にしていたのですが、本書のおかげでその意味を理解しました。
私は地元生まれではないので、長年住んでいても、この地の歴史には疎かったのですが、おかげで新たな興味がわくとともに、さらなる地元史を知りたいと思うようになりました(そういえば近所に古墳がいくつもあったな)
もちろん地元限定のローカル本ではないので、広く読まれてほしい本ですね。
0コメント| 2人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告
2012年3月11日
 記録映画の方を見逃していたので、本書の刊行はありが
たかったです。実家の土蔵の扉に貼られた一枚の護符の
探求から、「関東という土地に深く鎮まるもの」(「あとがき」)
がしっかり浮かび上がってきていました。山からの恵みを
享受し(因みに、我が家では冬は薪ストーブで暖をとってお
り未だに山からの恵みに依存しています。)信仰を通じて山
と共生する暮らし、それは間違いなくこの地域のひとつの生
活の基本型だったのだと思いました。
 埼玉県民としては、宝登山、猪狩神社そして三峰山が
登場し、また気になっていた『秩父の民俗』とその著者が
紹介されていたのもうれしかったです。本書を読みながら、
いくつか思い当たることがあり、改めて周りを見渡してみ
ようという気になりました。
0コメント| 9人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか?はいいいえ違反を報告

カスタマーサービスが必要ですか?こちらをクリック