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カスタマーレビュー

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2017年8月23日
寄居の「川の博物館」で開かれている特別展『神になったオオカミ』を拝見して「オオカミノの護符」を知り、興味深く読ませて頂きました。「小倉」という苗字は「木地屋」「木地師」に縁の深い名前と聞きますが、それには一言も触れておられなかったのは、関係のない方なのかも知れませんね。 北光太
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2016年12月6日
なかなか興味深い作品でした。作者の想いも存分に汲み取れる作品だと思います。
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2014年7月19日
西欧ではオオカミは害獣でしかない。牧畜民にとってオオカミは大切な財産を奪っていく憎い相手だった。童話にさえ悪者のレッテルを貼られたオオカミが登場し、最後には追い払われてしまう。そして本当にオオカミたちは駆逐され絶滅しかかっている。しかし農耕民である日本人にとってのオオカミは、大切な作物をシカやイノシシから守ってくれるありがたい存在だった。西欧では動物を管理するのは人の役目だ。一方日本では人も動物も同じ自然の中に生き、互いの存在を侵さないように、時には守ったり守られたりしながら生きてきた。オオカミを神として敬う。難しい教義も戒律もないけれど、それはとても素朴で温かい信仰の形だと思う。人とオオカミはともにひとつ自然の中で生き、両者をつなぐのが山だったわけだ。

山もまた私たちに貴重な水源や薪炭を与えてくれる大切な存在だ。いつも身近にあって、その姿を変えることはない。山に向かって手を合わせるという行為を果たして日本人以外の誰がどれだけ理解してくれるだろう。どんなに世の中が便利になっても、どんなに開発がすすんでも、山に登って朝日を拝むことの意義を、私たちは遺伝子の中に刷り込まれている気がする。そしてこの本の中にあるような土地に根ざした生き方を忘れてはならない。
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2014年1月18日
2013年の冬は新しい駅ビルへの移転で最寄りの図書館が使えなかったので、比較的近い図書館分室まで散歩を兼ねてよく歩いた。

そうして初めて気づいた。
東横線で元住吉や日吉という駅は、線路上の点だ。
しかし自分の足で歩いてみると、たとえば蟹ケ谷のあたりまで元住吉、夢見ヶ崎の近くまで日吉という地名となっている。
これらの地名は東京から南下する路線の点状のものではなく、多摩川に近い順に並行する帯状の拡がりをもっているのだ。
東横線の線路が敷設される以前の、新興住宅地に新しい住民が移入する前のこの土地は、地元の人たちにそう認識されていたはずだ。

この本はそうした過去の世界にわたしたちを誘う。

先祖代々宮前区土橋に住んできた小倉恵美子さんは、あるとき実家の土蔵の扉に貼られた黒い獣の護符の由来を知りたいと思うようになる。
調査していく中で、鎌倉時代から存在し江戸時代以降には農業と竹の子栽培で生計を立てていた70戸ほどの平凡な集落が、実は関東平野全体に拡がる人的なネットワークに支えられ、経済的にも深いつながりがあったことが明らかになってゆく。
昔の人たちがいまのわたしたちとは違う思考と習慣に生きながら、生計のために同じように知恵を絞り、計画し、若者たちの成長を喜び、大人の世界に迎え入れていたことを、小倉さんのこの本は教えてくれる。

小倉さんはこう書いている。

〈引用開始〉-----------------------------------

わが土橋村を講社として受け持つ服部御師は、土橋から隣の馬絹村、野川村、明津村、下小田中村…と、地続きにその受け持ちのテリトリーがつながっている。それらの村々は矢上川の上流から下流へと連なっており、服部御師のご先祖が人のご縁を頼りに「川の道」を伝って布教をして歩いた様子がうかがえる。このように御嶽山の御師は、自らの足で歩いて里びととの信頼関係を各自で築き上げてきた。その関係が今なお続いているのである。

〈引用終了〉-----------------------------------

本書が刊行される2年くらい前に御岳山に行ったときのことだ。
山頂集落に着いて水飴を舐めながらうろうろ歩いていると、小学校3年くらいの男の子が山で採れた栗を売っていた。
籠に山盛りの栗を買うと、その子はとなりの籠からひとつ栗をとって袋に入れてくれた。
おまけのつもりだったのだろうが、もしかしたらお父さんやお祖父さんがそうやって売っているのを真似したのかも知れない。
長い長いあいだ、御岳山の山頂で暮らしていた人たちが集落を訪れる平地の人たちにそうしてきたように。

刊行された後の2012年11月に再度御岳山を訪れた。
読む前には気づかなかったさまざまなものが見えた。
農耕の神であった「おいぬ様−大口真神」を祀っていた御岳山神社はいま、飼い犬の健康を願う人たちの望みを叶える聖地としても機能している。
茶店の窓には元禄の頃に日本中を旅した円空の仏が多数祀られている。
山を降りて駅に歩く道々のお宅に貼られたおいぬ様の護符を発見する。
そうしたことが、見えた。
里と山の関係はそのカタチと拡がりを変化させながら、いまも脈々と続いている。
小倉さんがわたしたちに語りかけるその通りに。

川崎市内の多くの小学校や中学校の図書館には、きっと小倉さんのこの本が所蔵されている。
読んだ子供たちには、まず鉄道ではなく自分の足や自転車で、意外なくらい高低差のある市内を動きまわってみることをお勧めしたい。
地名や川や用水路に注目しながらだと、いろいろ面白い発見があるだろう。
そして、高い建物が建ち並び、地面のほとんどが舗装されている今の風景ではなく、豊かな田畑や森が連なり、空が高く遠くまで見晴らすことができた時代のことを想像して欲しい。
大山や御岳山や秩父の山々が川崎市内から見えた頃のことを。
秩父の山並みの背後には榛名山も。
むかし、この土地に生きていた子供たちもきっとこれらの山に憧れていたろう。
そう思うことができたらこれらの山に行きたくなるだろうから、休みに家族や友達と出かけてみるといい。
これまでに見えなかったことが、確かなリアリティを持って見えてくる。
見えなくても、まだ自分のコトバで想いを表現することができないあなたたちにも、きっと何かが感じられるようになる。

2006年に「仮面ライダー響鬼」を見ていた子供たちなら(どういうわけかお父さんの方が熱心に見ていたかもしれない)、あの作品の世界観には日本の伝統的な民俗文化に基づいたモデルがあって、小倉さんのガイドでいつの間にか自分が作品世界にとても近づいていることに気がつくだろう。
世界文化遺産登録以降、テレビなどで取り上げられる機会が増えた富士講の御師などにも興味が出てくるかも知れない。
鳥のように地図を見て、あちこちの土地や土地同士のつながりに想像の翼を羽ばたかせる人もいるはずだ。

この本に導かれて若い人たちの断片的な知識は時間的にも空間的にも深く広く拡がるさまざまな文化に接続をはじめる。
そのことは、これからの時代を生き何かを作り上げていく人たちの想像力と創造性の基盤のひとつになる。
過去の人々の営みは、現在の子供たちを通じて未来につながっていく。

2012年の9月に初めてこの本を読んでから3册ほど買い、買うたびに誰かに進呈し、今は手元にはない。
だからこの文を書くのに川崎市の図書館から借りた。(今回、レビューを掲載してもらうためにまたAmazonから買った)
小倉さんの贈呈本だった。
表紙の裏には彼女のサインと、こんな言葉が書かれている。

「地元で読み継がれていくことを心より願います」

わたしもそう思う。
強く強くそう思う。
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2017年4月12日
 著者は、神奈川県川崎市にある自分の家の古い蔵に貼られた一枚の護符にあるとき気づいた。なぜその時になって気づいたのかはわからない。しかし、それから著者はその謎に向けて歩み始める。なぜそこにオオカミの護符が貼られていたのか。その理由と歴史的な、地理的な背景が少しずつ目の前に立ち現れてくる。それは田園都市線沿いの高級住宅街と呼ばれるようになったこの土地が開発される前、山野があり茅葺(かやぶき)屋根の家々があった頃の人々の生活、信仰へと草木をかき分け遡っていくような体験である。
 私が偶然本屋でこの本を手に取った理由を考えてみると、本のタイトルにある「護符」と「オオカミ」という2つの掛け合わせに関心を持ったからだと思った。つまり、今の日本でオオカミなる生き物は生息するのか、そして護符なるものが未だに信じられ続けられているのかという疑問である。
 著者と同じような関心であるのかはわからないが、私たちの身近にこのような信仰がまだ息づいているということに感動した。
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VINEメンバー2016年8月3日
この本の舞台となる地の住民です。
近所の畑に、この護符が立っているのは何度か目にしていたのですが、本書のおかげでその意味を理解しました。
私は地元生まれではないので、長年住んでいても、この地の歴史には疎かったのですが、おかげで新たな興味がわくとともに、さらなる地元史を知りたいと思うようになりました(そういえば近所に古墳がいくつもあったな)
もちろん地元限定のローカル本ではないので、広く読まれてほしい本ですね。
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2017年8月19日
まず、先日つまらんオオカミ小説を読んでムカムカしてた胸のつかえを取り除いてくれたことに感謝いたします。
このルポですが面白かったですよ。人柄がにじみでてますよね。ただどうしても取材させていただいてるって姿勢ですので
質問が浅くなりますよね。深く切り込めないっていうか。スゴーイってヨイショしなきゃいけないみたいな・・・。
そこが少し残念なんですが、それは仕方ないですよね。お師さんですか、彼らが亡くなったら葬儀はどう執り行うのでしょう?
そこにオイヌさまは関わるんだろうか?知りたいですね。私もオオカミの護符が欲しいです!
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2014年8月21日
私の登山用ヘルメットには、まさに表紙にある狼の護符が張ってあります。
著者が御嶽山から遠く離れた自宅に張ってあるこの護符に興味を抱き、ルーツを探っていくドキュメントです。
着眼点はとても面白いと思います。でも、いわれを知っているものからみても興味深いところがあります。
でも、著者自身が驚きすぎで思い入れが強すぎないか、という表現が散見されるのが少しだけ残念。
逆に興をそがれます。
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2015年9月29日
昨今のスピリチュアルやパワースポットブームとは、違う真面目な角度から信仰を知る良書です。
パワースポットを訪れる人は多いが、その信仰そのものを知る人は少ない。パワーを得るとか即物的な話とは無縁です。
日本武尊から現在まで、時代をまたいで、展開する著作は数あるけれど、本書は歴史書ではなく、専門用語満載の民俗学の専門書でもありません。
あくまでも地域密着インタビュー形式で実際の信仰を掘り下げて、紹介されています。山で生きるとはどういうことか、考えさせてくれました。道路も鉄道も敷かれ、便利な世の中になっても、人の生活に変わらないものもあることを知りました。
余計な論は無く、考えを押しつけるものはない。インタビューをする著者と受ける側との信頼関係は、お犬さまが結んだ縁だと思います。
素朴な里山の暮らしの一端を垣間見ることも、昨今無くなりました。少し遡った時代に浸れます。お勧めです。
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2017年8月29日
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