Androidアプリストア Amazonファミリー Prime Student 本10%ポイント還元 9000 Amazon MasterCard nav_flyout_biss B07B53H89P ファッション Fire 7 ・Fire HD 8 Fire TV 母の日特集2018 対象の日用品まとめ買いで30%OFF 新生活ストア2018 Echo Kindle Amazon MP3 自転車・自転車用品 ドキュメンタル シーズン5

カスタマーレビュー

5つ星のうち4.2
80
門 (新潮文庫)
形式: 文庫|変更
価格:¥400+ Amazonプライムなら、お急ぎ便が無料


2016年4月17日
以前に読んでおり、今回新聞小説として2回目を読む。漱石の作品では一番好きな作品となりそう。
最初に読んだ時は、私も既に最初の子どもを「臍帯顚絡」(第62回)で亡くしていたにもかかわらず、その事に気付かなかった。一体、何を読んでいたのだろうか。結婚して35年、ようやく夫婦のあり方を眺めることができるようになったらしい。宗助夫婦と隣の坂井夫妻は、いわば静と動。今の私には、それぞれが理想の家庭のあり方のように思える。これからも訪れるであろう人生の起伏を、この二組の夫婦をお手本にして生きて行きたいと思ってしまった。
宗助が、迷いの果てに門をくぐり、参禅することに違和感はない。ただし、私はいくら迷っても、悟りを得るために門をくぐることはないだろう。人間は迷い続けて死ぬしかない存在であると思っているから。「信じる」こと、「悟る」ことは、人間としての自由な心を放棄することとしか思えない。宗教であれ思想であれ。「彼自身は長く門外に佇立むべき運命をもって生まれて来たものらしかった。(中略)要するに、彼は門の下に立ち竦んで、日の暮れるのを待つべき不幸な人であった」(第100回)とあるが、門外に佇立むべき運命をもって生まれて来たのは「彼」ではなく「人」であり、門の下に立ち竦んで日の暮れるのを待つのは「不幸」ではなく「存在すること自体に付随する宿命」なのではないか。その宿命という名の悲哀をこそ味わいながら死にたいと、今の私は思う。
漱石は「天」」「空」という超越的な視点を随所に書き込んでいると評論家の神山睦美は『「それから」から「明暗」へ』で指摘している。漱石の到達した境地は「則天去私」であるという説もあるが、本当は、「則天欲去私」ではなかったのだろうか。
0コメント| 4人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2016年1月21日
※本レビューはネタバレを含みます。ご注意ください。

三部作最後の作品、果たしてどんな物語なんだろうと読んでみたら、劇的な展開こそないものの、静かな美しさを湛えた、不思議に癒されるお話でした。
個人的に、三部作で一番好きです。

宗助と御米の、ほのぼのと何気ない会話がなんとも微笑ましい。
いつも微笑みを向けながら、時折
「そのうちにはまたきっと好い事があってよ。そうそう悪い事ばかり続くものじゃないから」
と言ってくれる御米さんの可愛らしいこと。
その御米さんが病に倒れれば、たちまち動転して必死に看病し、仕事も手につかないほど妻の身を案じる宗助さんも、頼りにならないようでとても素敵な旦那様。
烈しい情熱はないものの、心からお互いを必要としていて、ただ静かに寄り添うように生きる様が、ある意味理想の夫婦です。

読み進めていくと、そんなほんわか夫婦にも実はとても忘れられない悲しい過去があり、その不吉な影を拭いきれずにいることがわかり、ああそうだよね、どんな夫婦だって辛い出来事があるよね、といち既婚者としても深く同情してしまう。

物語の終わり近くに出てくる門の描写には、諦めにも近いやるせなさ、悲しさにしみじみと切なくなります。

「彼は前を眺めた。前には堅固な扉がいつまでも展望を遮ぎっていた。彼は門を通る人ではなかった。また門を通らないで済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に立ち竦んで、日の暮れるのを待つべき不幸な人であった。」

侘しく、どうしようもなく、ただ悲しいこの描写。でも不思議に美しく、じんときます。

ああようやく春になった、良かった、でもじき冬が来る。
生きるってきっとそういうことなんだろうな、と思わせるラストもとても味わい深かったです。
人生の様々な局面で読み返すたび、きっとまた違った癒しを与えてくれるのだろうなと思わせる作品です。
1コメント1件| 4人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2017年4月4日
夫婦の小さな幸せの在り方について、結婚して二人で生活している今の自分だから感じれるものがあったと思う。

"山の中にいる心を抱いて、都会に住んでいた”

まさにそんな日々ではある。大きな野心を抱くことなく、彼らほど窮屈で自制を余儀なくされているわけではないけれど、大きく何を望むことなく、地に足がつかないことをやろうとは考えていない。お互いが帰る家があり、お互いがそこにあれば、まずは幸せ。

春、夏、秋、冬、四季は移り変わる。その中で変わらないこともある。

“道は近きにあり、かえってこれを遠きに求むという言葉あるが実際です。つい鼻の先にあるのですけれども、どうしても気がつきません”

漱石の生きた時代から、もっとその前から、そして今でも、そういうことなのだと思う。
0コメント| 3人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2018年1月2日
 一般的に小説の導入部分では、作品の時代背景、季節、用語、登場人物と息を合わさなければならないので、若干の苦労があります。この作品も御多分にもれず、最初の取っ付きは悪いです。
 出だし部分は、色調は冬、「陰」、「謎」ある登場人物といった感じで始まり、話は淡々と進みますが、途中から、フラッシュバックの手法で「謎」を解明していくことで、一気にテンポがよくなりました。
 ところで、この作品の一番の圧巻は、登場人物がどのようにして一緒になったのか?という核心部分ですが、その個所は漱石的抽象表現としたあたりは「流石」の一言です。
 最後に、処世訓的には、人様にウソをつかない、真面目に世の中を送っていれば、カネがなくても、それなりに幸せな人生が送れるということでしょう。本作品も、最後は、全体のトーンだった冬を脱して「春がきそう」という感じで終わっています。プチハッピーエンドでしょう。

本作品を読むきっかけとなったのは、佐藤優著「40代でシフトする働き方の極意」での書評でした。
0コメント| 1人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2017年12月19日
情景描写の技術はたしかにすばらしいが、ほとんど情景描写というか、ストーリーをかいつまんで話せばすぐ終わりそうではある。
学生時代に読んだときはあまりにつまらなくて挫折したが、中高年には出家への心の動きは分からないでもないと思います。
ただ、人の女をとっただけで出家というのもいまの時代は共感しづらい。
せめて誰か死なせるくらいするとか放蕩のきわみを尽くすとか、反省だけじゃすまないなにかがないと。
おちも弱いなあ。えっ?て終わり方。
ひたすら夫婦の平凡な幸せが描かれているような話。
結婚してみないとわからないかも。
0コメント|このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2014年6月10日
昔、ジイドの「狭き門」を読んだことがあります。その登場人物「アリサ」だったかな?彼女のリアリスト的な逞しさが鮮明に記憶されています。私はこの漱石先生の「門」にもまた「生の躍動感」を感じざるを得ないのです。地味な中年夫婦の生活というものを漱石先生はどのように料理されるのだろう?と期待を込めながら拝読いたしました。「安井」という人物は、いったいこのストーリーにどんな関係があるのだろう・・・この夫婦はなぜこんなに寂しげなんだろう・・・疑問を抱えながら読み進めていきました。すぐれた小説というものはパイ皮を幾重にも幾重にも重ねて、その下に生クリームで包まれたリキュール漬けのダークチェリーがあるようなケーキのようなものだと思いました。坂井という人物が「安井」という人物について宗助に話す下りなどは、読ませますね~って感じで、今まで読んできて良かった!美味しいという感じなのです。また「京都」の自然描写の美しさ。宗助と御米の若き情熱の発露など、見事にその京都の自然の美しさを借りて語られています。罪を犯した若き二人のその後の話なのですが、様々な生活風景の描写などがあって「暗さ」はあまり感じられず、このころの日本人の生活をウォッチングできる楽しさもあります。また「小六」という宗助の弟の存在が、「生」のバトンタッチを暗示していて私には快く感じるのです。若き情熱の発露などまだ知らぬ「小六」にも、生きる辛さや恋する狂おしさを感じる日々がやってくるかもしれない・・・そのとき「小六」はきっと嫂と障子の張り替えなどしていた呑気な日々を懐かしく思い出すことでしょう。まあ一度読んでみてください。面白いですよ。
0コメント| 3人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2018年1月25日
行人と似ている昏さ。あれは夫人を信じきれない昏さ。本作もどこかにあるのではないだろうか。夫人との間に一線を引いているようにも感じた。自分の内心の弱さを白状しない。それが夫人に対するやさしさであるかもしれないが、、、、
0コメント|このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2018年3月1日
この本を購入したことも忘れていました。読書に欲が深いです。楽しみの一つです。
0コメント|このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2017年10月14日
装丁は綺麗だし、大きさも扱いやすい。活字も読みやすく、さすがに岩波書店の本だ。
0コメント|このレビューは参考になりましたか? 違反を報告
2015年6月21日
足るを知る生き方を描いている素晴らしい作品です。「父母未生以前本来の面目」は何かと高僧に問われ宗助は答えに悩みます。これこそが究極のテーマでした。
0コメント| 1人のお客様がこれが役に立ったと考えています. このレビューは参考になりましたか? 違反を報告

他のお客様はこれらの商品もチェックしています


カスタマーサービスが必要ですか?こちらをクリック