上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0天才の奇跡が世界を変えるのではなく、わずかな勇気が世界を変える、という意思
2017年11月30日に日本でレビュー済み
この巻で久々に登場したあの人のお陰で一時は冷静さを保てなかった私ですが、
読み終わってから落ち着いて考えると、この巻は前作を無難に完結させたのではなく、
ほんとうの意味で「わずかな勇気が本当の魔法」という言葉に立ち返ったのだと思いました。
前作の第1話で惚れ薬を使ってタカミチを惚れさせる話題の後、ネギは前述の言葉を使います。
その真意は想像するしかありませんが、できる/できないが問題じゃない、
まず勇気を出して一歩を踏み出すことで世界は変わっていくんだ、という意味ではないかと私は思います。
そんな始まり方をした前作ですが、この巻で明らかになる前作の結末は、
天才が作り出した奇跡(チート)のお陰でハッピーエンドになったというものでした。
つまり、前作はわずかな勇気ではなく天才の奇跡が一番の勝利要因だったと。
本作のこの巻において、作者はその結末に真っ向から異議を唱えました。
それじゃダメだろ、と。
色々とすっげぇみんな楽しく幸せに終わるけど、それは違うだろ、と。
この巻で明かされるとても幸せな2枚の写真を見た瞬間、私は死ぬほど嬉しくなりました。
しかし、それは前作で作者が示したかった大切なこととは違う酷いチートによってもたらされたもので、
わずかな勇気がもたらしたものではありませんでした。
それに気づかず、私はわたし自身を騙し、かりそめの幸せに溺れさせてしまうところでした。
……以上は私の個人的な妄想に過ぎませんが、もしこの妄想がある程度正しいとしたら、
今後、本作がどのように結末を迎えるのか、非常に楽しみです。
わずかな勇気が本当の魔法。
魔法を使うことのできない主人公が手に入れるものは、一体なんでしょう。
そして、その結末の後、主人公は幸せを感じることが出来るのか。
次巻も刮目して待ちます。