上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0作者の趣味が詰まっています
2016年9月27日に日本でレビュー済み
一巻から六巻まで通して読んだレビューです。長文&ネタバレ注意
①ストーリー
一巻~三巻までは文句なしに面白かったです。閉塞的な世界観、月人の正体とは、「にんげん」とは、次々現れる謎……
しかし、四巻で本格的に月人(と先生)の正体解明に入った辺りから妙に展開がノロノロし始めます。
一~三が割合スピーディに展開していくのに対して、四巻以降は同じ事をだらだら繰り返している感じです。
強い力を手に入れいざ出陣!→月人メッチャ強くてボコボコ→誰か連れ攫われる→応援駆け付けて一刀両断→フォスしょぼん→強い力を(ryの繰り返し。三回くらいあったんじゃないでしょうか。
合間にシンシャの「どうせ俺なんてモジモジ」と年長者のそれっぽい台詞挟めば完璧です。
きっと後の展開への伏線なんだな……とは思うのですが、いかんせん同じ様なシーンの連続なのでダラけてしまいます。序盤の謎を未だに引き摺っているのも痛い。
②キャラクター
個性的で可愛らしいキャラが沢山出てきます。
が、色んな所で言われている通り見分けが本当に付きにくいです。表情も似たり寄ったりなので、白黒になると一部を除いて誰が誰だかまるで分かりません。未だにゴーシェ・アンターク・カンゴームの区別が付かないです。
またキャラの使い捨て(?)がかなり激しいと思います。ビジュアルと性格をチラッと見せてあとはフェードアウト……といったキャラが多い。主要キャラ以外を好きになると痛い目を見るでしょう。
③戦闘
一応バトルメインのお話ですが、お世辞にも戦闘シーンの描写は上手いとは言えないです。
騙し絵的な描写がされるので芸術性は高いですが漫画としては……という感じ。「美し過ぎる戦闘」と言われますが始終ゴチャついてるので特に美しいとも思いません。
それからこの漫画最大の特徴であろう「宝石の割れる描写」ですが、これはかなり作者の趣味が詰まってるなーと思います。
元々短編作品でやたら欠損描写の多い人だなーとは思ってましたが、思う存分じゃんじゃか宝石が割れまくります。
特にこの六巻は破壊描写がかなり多く、もうフォスなんか最初から最後までどこかしら割れている状態。
例の串刺しは「あーこれ描きたかったんだなぁ」という考えが浮かんで何だか興醒めしました。
前々から宝石同士の関係性や独特の台詞回し、妙に強調される赤面描写や腰クネ大股開き描写で思っていましたが、作者の「萌え」が前面に押し出された作品なのだろうと思います。
故に、作者と趣味の合う方は読んでいて「美しい世界観!幻想的!」となりますが、そうでない方は「同人っぽい。腐女子の描く漫画っぽい」と興醒めするのでここまで評価が分かれるのかと。
個人的にはとても面白い漫画だと思います。
ですが、かなり好みの分かれる作品ですので、これから全巻揃えたいと思っている方は注意が必要でしょう。
サブカル系漫画が好きな方、雰囲気を楽しむ漫画に抵抗のない方は大いに楽しめるのではないかと思います。