上位の批判的レビュー
5つ星のうち3.0ミステリというよりはトラブル解決もの
2015年10月21日に日本でレビュー済み
帯を見直してみましたが,ハートはともかく,謎を解いたかと言われると疑問が残り,
ミステリというよりは,学園を舞台に繰り広げられるトラブル解決ものという印象です.
特に,序盤の軸となる探し物パートは,いかにも学園ミステリらしい展開に思えましたが,
推理でも何でもない力業での解決は,その後のヒロインの秘密も併せて荒唐無稽が過ぎます.
また,五人の美少年探偵たちについては,学園ものにはおなじみのキャラクタばかりで,
キャッチーではあるのですが,この著者にしては少し『おとなしめ』に感じてしまいます.
ただ,探し物の驚くべき真相から膨らむ中盤以降は,謎の組織の絡みもありまずまずで,
彼女が彼女としての『美学』を貫き,新しい夢を見るために前向きな諦めを決断する姿は,
『夢を諦める物語』からの幕開けと,さらに『始』の文字での幕引きが重なり強く光ります.
なお,二ヶ月後の15年12月には早くも二作目,さらには16年には三作目も予告されており,
謎の人物はもちろん,美少年たちのひとクセもふたクセもある活躍を期待したいところです.