上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0あの時読んでボクは今も囚われてる
2024年6月22日に日本でレビュー済み
セカイ系という言葉もすでに過去のものとなってしまったか。本書はその黎明の作品で金字塔。まさにライトノベルのエポックメイキングだが、それだけに特徴的な要素は十分に咀嚼され、さまざまな作品に取り入れらている。すでに新規性は失われ、古典としての価値以上のものはないと思われるかもしれない。いわく「キミとボクの関係」、「世界の敵」、「MPLS」..。
それでもなお本書について、セカイ系の文脈理解としてでなく、作品自体の魅力をレビューするなら、それは圧倒的な中二病。登場する生徒たちは、例外なくそれぞれ自己の存在についての悩みを抱えている。救いを求めてブギーポップを噂し、世界の敵に協力し、普通に抗う。誰もが主人公になりたいと思いながら行動し、知らずに世界の危機が襲い来る。自己の肥大と自分達を取り巻く現実との相克が中二病を生むが、それ自体は普遍的なテーマ。自分と誰かを比べがちな現代において、中二病をも育めない人がいるなら、この作品を読む価値がある。