上位の肯定的レビュー
5つ星のうち5.0映画版とは違う、孝雄と雪野を中心とする群像劇(ネタバレあり)
2023年2月19日に日本でレビュー済み
新海誠監督の他の映画と同様、小説と映画で相互補完する形をとっていますが、主人公たちである孝雄と雪野以外に、孝雄の兄と母、雪野の同僚の元恋人、雪野を退職に追い込んだ生徒の人物像が掘り下げられ、彼らの視点からもかなりのページを割いて物語が描写されています。
『天気の子』でも主人公たち以外の視点からも語られていますが、それよりもかなりのページを割かれていて、孝雄と雪野だけの視点で語られる映画版とは違って群像劇だという印象を持ちました。
映画版とはエピローグ部分が異なっています。
文通や電子メールでのやりとりを通じて、孝雄と雪野は東屋で再会します。この頃、2人はそれぞれ、交際または結婚しているのかまでは描かれていなくて、その後2人が付き合うことを仄めかす描写があるわけではありませんが、孝雄が雪野に靴を渡すという約束を果たすことになります。
この結末は、文通が途絶え、ヒロインが主人公以外の人と結婚する一方で、主人公が初恋を引きずっている『秒速5センチメートル』の語り直しのようにも感じました。