カスタマーレビュー

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2021年6月12日に日本でレビュー済み
 異形の個性派と繊細な作風を持つ作品が混在していますが他誌に比べると若干漫画家諸氏の表現の自由度が高そうな漫画誌。
 意図的にスッキリさせない作品も多く、慣れるまで読みにくいですが、クセになります。
 今回は男女の絡みが多い印象。

 電子版のレビューとなります。

 (少し内容に触れています)

 【表紙&巻頭カラー】
〇黒崎冬子氏「無敵の未来大作戦」
 遂に聖婚活動に成功、校内VIPの良々田君と結婚する事となった晶だが、徐々に心中に違和感が…。
 明確なスクール・カーストどころか身分制度が存在する世界の学生達の計画的かつ野心溢れる婚活を描いたユーモラスならが一筋縄ではいかない漫画。

 【新連載】
○伊図透氏「伊豆透のスペクトル:星が奴を殺す。その前に 前編」
 刑務所の前で出所者を見張る男性高村。
 探偵事務所からの報告書に目を通しながら15年前の学生時代に思いを馳せる。
 短編の名手でもあり、映画の影響を感じさせる硬派・個性派、伊図氏の読切り連作シリーズ。前編。

 【最終回】
○ハセガワM氏「イキ死ニ」
 強烈な性的蠱惑に襲われつつも自慰をしたら死ぬと宣告された主人公女性は、最後の手段として、全ての根源たる闇アルバイトのヒーローショーに臨むが…。
 現状本誌一グロテスクでエロい、血以外の体液が迸るホラー。
 読む物の心に傷跡を残して終了。

 【読み切り】
新シリーズ【息吹】第2回目。ビーム編集部が読者にアピールしそうな新進漫画家さんをチョイスして描かせる少しブラックだったり怖かったりする短編。
○結木万紀子氏「姥捨星」
 認知症気味の祖母と同居する羽目になった家族はあっと言う間に不和に。
 父親の幼い頃と間違えられ続ける孫はそれでも祖母の面倒を見ようとするが、或る日…。
 超常の物、UFOはマクガフィンで実際は家庭に居場所がなくなりつつある老人と子どもを主役にした苦みの有る話を乾いたユーモアにくるんで提示。
 人物のデフォルメに余り美化を与えない作風でビーム向き(?)。
○崎鍬ヶ崎ジュン氏「白雪姫物語」
 管轄近くで令嬢失踪事件が頻出する警察署。
 美形警部は仕事以外にも大変なプレッシャーと戦っていた。
 ゴシック調のサイコ・ホラーにスパイスを加えたちょっと分り難いがホラー好きには嬉しい。
 
○るぅ1mm氏「できそこないロボット前編」
 天才科学者の遺志を継ぎ自分で自分を組み立てたお手伝いロボ「チヒロ」は博士の遺言で娘と孫の家に押しかけるが、実は出来損ないだった。
 古くはオバケのQ太郎に通じる出来は悪いが憎めない押しかけ同居人物の変奏。
 キャラが可愛いので読めます。

 【特別掲載】
○桜玉吉氏「読もう!コミックビーム」伊豆日記シリーズ休載で急遽、未単行本化4コマを掲載。
 連絡が取れないと言う編集部の告知がとても心配。

 【連載陣】
○高妍氏「緑の歌」台北の大学に入学した緑はしかし授業には余り出ずライブや小説に夢中になっていた。
 有る年代の台湾の若者が影響を受けていた映画、小説、音楽の息吹が感じられるのが楽しい。
〇有馬しのぶ氏「伽と遊撃」世界の転換期に満天星博士の植物ゲノムと同期する実験の被検体になった野分兄弟。
○鳥野しの氏「egg~わたし、あなたの子どもです。~」今回は偶然20年前に卵子提供ドナーになった小説家がegg計画で生まれた少女と知り合いになるお話。
〇羽生生純氏・画、本兌有氏+杉ライカ氏・作『アラタの獣』
 羽生生氏の『俺は生ガンダム』でも見せた異形の人間を描く職能が冴える怪物ヤクザが凄い。
○七野ワビせん氏「ナイトメア・ファミリー」もっとドロドロした家族物かと思ったら人情に篤い良い話になるのかもしれず、先が気になる。
○おおひなたごう氏「星のさいごメシ」死病を抱えながら思い出作りに美味しい食事を取る為に旅を続ける元カレ一平の足取りがつかめた星乃だが、漸く辿り着いてみると…。
 緊迫した展開の中でもおおひなた氏らしい細かいクスグリが。
〇市川ラク氏「オダリスク」近世のハーレムを舞台にした愛憎劇。
大宰相と密会の機会を持ったマハスティ。彼女に大宰相は遂に自分の野望を語る。
〇近藤ようこ氏:画、澁澤龍彦氏:作「高丘親王航海記」頻伽Ⅲ 親王はバタリヤ・バタタ姫にスリウィジャヤ霊廟を見せられるが、そこには生前の瑞々しい姿を保った歴代王妃のミイラが。
 彼女が語る独特な死生感を聴いた親王は有る決心を。
○ミヤタキョウゴロウ氏「ニックとレバー」濃いアメリカン・コンビが繰り広げるマンガ的技法を駆使したシュールなギャグ。
〇カネコアツシ氏「EVOL」発火能力を持ったアカリは愛の名の下に繰り返される父親の激しい虐待から逃れる為にクロサキという想像上のメンターを作り上げていた。
 折檻中に姿を現したクロサキはアカリに対する過去の陰謀を語り彼女の忍耐を遂に破壊する。
 力を解き放ったアカリは…。
 カネコ節満載の暗いヒーロー vs. ヴィラン物。現状誰も幸せにならない。
〇横山旬氏「午後9時15分の演劇論」井浦のギブアップにより急遽脚本担当になった古謝は行き詰まり、脚本で受賞経験があるスダに相談に行くが彼女もスランプの真最中だった。
 バイト先の素敵な先輩、なぎささんとのデート呑み会でも脚本書きが手放せず、遂になぎささんが切れる。
 学生時代に演劇経験がある横山氏が描く演劇に七転八倒する若者達の群像劇。
〇三宅乱丈氏「fish-フィッシュ」ハオの部屋に現れたジンは自分を抱くように命令を。
 前作ではモブキャラの一人だった、スキンヘッドの護衛、ハオが主要人物となっている。
 しかしこの話になってからのジンは観ていて本当に辛い。
 人の心に入り込み、人格を操作・破壊する悪人だとはわかっていても可哀想になる。
〇川崎タカオ氏「感動ロボ カンドウノボル」いつのまに連載も12年近くになっている読者コーナーの4コマ。

 【読み物】
〇姫乃たま氏「ビーム劇場:シマ・シンヤ氏 後篇」
〇神山修一氏:文、ほりのぶゆき氏:挿絵「屈強なビーマー:ロバート“ロミオ”コーツ」
〇市橋俊介氏:文、絵「ふろって」第230回は「グッバイワールド。
〇唐沢よしこ氏:文、唐沢なをき氏:絵「オトナでよかったヤング館」『オトナの床寝』の巻
 仕事・育児・学校の委員に疲れ、布団に入る前に床で寝てしまうよしこさん。
〇DJ.TKD氏:文、竹谷州史氏:絵「今月音イカレた1枚:チューン・ヤーズの『sketchy.』」
  tUnE-yArDs 4AD(まだ有ったんだ!)

 【休載】
●中野シズカ氏「てだれもんら」中野氏の体調が戻るまで暫くお休みとの事。
●桜玉吉氏「伊豆日記シリーズ。不定期連載。今回掲載予定でしたが急遽『読もう!コミックビーム』に差し替え。
●和山やま氏「ファミレス行こ」や不定期連載。
●原百合子氏「繭、纏う」9月号から再開予定。

 次号より、
・シマ・シンヤ氏「グリッチ(GLITCH)」新連載。
・新読切企画『息吹』第3弾 林史也氏「化石に星」、ピエール手塚氏「ヘレディタリー/極道」掲載予定。
・「ファミレス行こ」掲載予定。
・2号連続掲載、特別読切 るぅ1mm氏「できそこないロボット」後編
・「無敵の未来大作戦」「伽と遊撃」最終回。
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商品の詳細

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