カスタマーレビュー

2016年8月27日に日本でレビュー済み
一部ネットで絶賛されている作品ですが、作中の一部を切り取った紹介画像とかを見る限りとても面白い作品とは当初思えませんでした。



1~3巻をまとめて読むと非常に面白い作品で、良い意味で期待を裏切られました。
まずそもそもダンジョン飯とはなんぞや?経緯がわからんぞ?って話なのですが、大まかなストーリーとしては

邪悪な魔法使いが支配する地下ダンジョンを冒険していた主人公一行が、深層でドラゴンに襲われます。
全滅の危機に主人公の妹が他のメンバーをダンジョン外に生還させる魔法を唱えますが、脱出する一同が最後に見たのは
魔法を唱え力尽きた妹がドラゴンに捕食される光景でした。妹がドラゴンに完全に取り込まれるまでタイムリミットは1ヵ月。
救出に向かうにしても金はない、金がないので再度ダンジョンに挑む準備(回復薬、食料、人手)が出来ない。
どうするーーー?ってところで閃いたのが、「食料や水は地下ダンジョンで現地調達しつつ、深層のドラゴンに再度挑む」という方法でした。

ストーリーだけ見ると凄い悲壮感漂うのですが、基本的にノリはすごーっく軽いですw
この作中にはいくつかの独自ルールがあり、その中の一つに「体の一部が残っていれば蘇生可能」というルールがあり、また蘇生魔法や技術も
割と発達している為、主人公たちもダンジョン踏破の段階で他の冒険者たちの死体をあちこちで見かけますが「あー、死んでますわー」って感じで
ネタにしていたりします。薄情とかではなく、もうそういう世界観なのです。間抜けな死に方をした冒険者は新聞に載って馬鹿にされています。
この戦死に対するギャグの絡め方が非常に上手く、作中の鉄板ネタになっています。

基本的に1話完結で、敵のモンスターを倒す→食す→お腹一杯になったから深層を目指すぞーという流れの繰り返し。
水戸黄門のように毎回毎回この流れの繰り返しで、逆にこの流れに乗らない回は面白くないという珍しい作品です。
主人公一行は途中離脱者がいたりしましたが、4人パーティーで以下のような人柄です。

ライオス:1巻の表紙を飾っている人間の主人公。元々ダンジョンに生息するモンスター達に(異常な)興味を抱いており、興味が行き過ぎて
      モンスターを食したいとまで思い行き着いたカニバリズム気味のやばい奴。人柄自体は温厚で味方を無条件で信頼し、喜んで盾になる性格。
      ダンジョン飯の考案者であり、飯以外は頼れるリーダー的存在。

マルシル:2巻の表紙を飾るエルフの女性。見目麗しい姿で凄腕の魔法使いだが、逆に高度なことに精通しすぎて初歩的な所でポカするドジッ子。
      パーティーの中で唯一見返りなしに妹の救出を手助けしてくれるとても良いエルフ。ダンジョン飯に嫌悪感を持っており、この漫画の大部分は
      モンスターを食すことを嫌がるマルシルに(強引に)食させることから始まる・・・。

チルチャック:3巻の表紙を飾るハーフフットと呼ばれる種族の男性、外見は幼いが29歳。手先が器用でダンジョンのトラップ解除や隠し通路の
        発見を得意とする。本人は依頼金を前もって受け取っているから妹救出に付き合っているだけだと言うが、作中の描写を見る限り
        それは口実でパーティーメンバーを気遣って同行してくれているのは間違いない。パーティーでもっとも常識人。

センシ:ダンジョンの途中で合流するドワーフの男性、地下ダンジョンの2層と4層を住処にしている冒険者?10年以上ダンジョンに住み着いており
     モンスターを食すというライオスの夢を10年前から体現している凄い奴。地下での野菜の栽培やダンジョンの定期的なメンテナンス、
     有り合わせのもので聖水や毒消しを作成するなど博識。ただ目標の為に過程を気にしない所があり、何度か死にかけている。

以上4人が主要メンバーで、妹救出を目指してダンジョンを下っていっています。
4人とも人柄が良く、ノリが良くも悪くも軽いので毎回テンポよく展開が進み、ギャグと軽い落ちがついて1話終了となります。

絵は非常に丁寧です。迫力があるとかではないのですが、小物や背景をきっちり描いているので1コマ1コマ隅々まで楽しめます。
ギャグもダンジョンの様子やキャラクターにあったものを小刻みに出しており、古き良き時代の王道ギャグみたいで外れが少ないです。
特に世界観の作りはお見事、前述した蘇生のルールやダンジョン各階層の書き分け、傭兵業の職種やルール、モンスターそれぞれの
生態やモンスターを食材にした時の説得力等々、丁寧・・・・とにかく丁寧な作品に仕上がっています。
特に温めのギャグが個人的には大好きで、ライオスがモンスターの剣に名前を付けておいおいって思っている矢先、マルシルが自分の杖を落として
「アンブロシアー!!」って叫んでいるシーンとか、瀕死のライオスにマルシルが夜中起きて回復する1コマ(凄くノリが軽い)とか、
道中で毒に苦しんでいる冒険者を解毒しないといけないのに、センシが「解毒の食材を最高の状態にするためにもうちょっと待たない?」みたいな
ことを言いだすシーンとか、爆笑ではないですが思わずにやついてしまう展開が要所要所で出てくるのは見せ方が上手いなーって思います。

ただ当然というか低評価レビューがいくつか見受けられます、重厚なストーリーとか恋愛要素とか先が見えないストーリーとかそういうのを
期待している人は手を出さない方が良いでしょう。ジャンルが違います。

1話完結で安心して読める安定の作品、何か読みたいなーって思っている人はまずは騙されたと思って1巻を購入し
丁寧で温い、王道の作品を是非楽しんでみてください。
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商品の詳細

5つ星のうち4.7
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