カスタマーレビュー

2021年4月11日に日本でレビュー済み
そもそもタイトルの「終わる」とはなんなのかもうまったく解らなくなってるので一応説明すると「主人公の宇治は桜井という同じ大学の女子に惚れており、そんな彼と親しい友人であるサバエといるとちょくちょくムラっときてしまうのでそこでヤッてしまうと桜井への想いが無に帰す、つまり終わる」という設定がある。が、この設定は1巻から意味を成していないので、「サバエとヤルとこの漫画のやることが無くなって終わる」でしかない。つまりタイトルはもう無視しても問題ない。長瀞さんがセンパイをイジらなくなってもイジらないで長瀞さんというタイトルが変わらないのと一緒だと思えばいい。

では何をみるのかと言うと、宇治とサバエの関係を昨今の一対一イチャラブ漫画と同じ文脈でみるのである。この手の作品ではピュアなラブが描かれるのがお決まりであるが、本作のサバエは下ネタをとばしまくるのである。しかしだからといって誰彼構わず関係を持つでもなく、身持ち自体は固い…っつーかどー考えても宇治とサバエは付き合っても何の問題もないのでさっさと付き合え、サバエとヤッて桜井への恋が終わっても何の問題もねえだろ、宇治はサバエと付き合えれば完全勝利者だよ、としか言いようがない。

その理由は簡単で、片想い相手の桜井のキャラの掘り下げがほぼ皆無なので、読者のこっちからすると単なるモブにしかみえないのである。「パーフェクトな美人」を漫画のキャラとして魅力的に描く、というのは割と難しく、例えばだいぶ前の作品で恐縮だが、アニメ「らきすた」の主要女子4人のなかでだれの人気が最も低かったか、を考えていただくとそれがわかるのではないだろうか。出来杉君が人気ないのと一緒である。

この巻ではサバエに惚れているオロタという男が登場し、サバエの魅力をこう語る。「元気いっぱいでサークルでもみんなを明るくして無邪気でカワイイじゃないですか」と。それに対し宇治が「重要な要素が抜け落ちてるような」と次のような「短所」を列挙している。「ガサツ、ウザさ、酒飲み、下ネタ、ずぼら」…このシーンを読んで思うのはオロタの語る長所は的を射ており、宇治の並べる短所は特に短所とも言えない、という事である。つまり付き合っても何の問題もないのである。では逆に桜井の「長所と短所を語ってみろ」と言われて何がいえるのか、を考えてほしい。
この過度に下ネタを拒絶するオロタと、3巻で2度ほど目立つ女子の勝木のふたりがキャラとして結構魅力的に立たせてあるのと比べても桜井はやはり魅力が足りない。単なる「高嶺の花」という与えられた役割に収まってるだけである。
この漫画は宇治とサバエのカラッとした感じのイチャラブ、というかフツーに付き合えるだろという互いに気心を許した関係と、オロタや勝木を含めたギャグの両方が面白いので、最近の甘々なラブコメとはあんばいの違うギャグラブコメとして普通にとても楽しい。一対一ラブコメ飽きましたわ、という人にでもお勧め出来るのではないか。オマケのIF話も本編と同じく楽しい。

短所は2点あり、前述のように桜井のキャラ立ちが弱いということである。ほかのキャラをこんだけ魅力的に描けるのであれば桜井ももう少し個性を出していけると思うので今後に期待したい。
もうひとつは画力がだいぶアレだということで、極たまに実写トレースなのか背景素材なのか、やたらと写実的な背景カットが入ってくるのだが、本編との画力の差で浮きまくっている笑(当然、この背景のほうが遥かに上)。過去の漫画では「連載開始時は下手でも描いてるうちに上手くなってく」というのがよくあったが、本作はそうなりそうな気配もない笑。
ただ、これについて擁護もしておくと、画力のわりにキャラの魅力の表現とでもいうべきものは上手く描けている。上に述べたサバエの魅力というのも絵からも伝わってくるし、キャラ的には魅力に欠ける桜井も、「美人」という設定を納得させられるだけの「美人っぽさ」は描けているので、このキャラが美人だと言われればまあそうか、と納得は出来る。あとは2巻にも書いた気がするが、某グイグイくる作者のような「あの落書きが視界に入ってくるだけでムカつく」という「不愉快な下手さ」ではないので、ギャグ漫画であることも踏まえると、そんなに気にはならない。ただ、これで画力が高ければもっと売れるんじゃないかなー、とは思う笑。

2巻電子版のような誰得実写グラビア特典もついてないし、特に不満はなにもない。いまの世の中で疲れているので、こういう楽しい漫画を読むのはホントに癒しになる。キャラも等身大の大学生らしさがあっていい…桜井のキャラを立たせてくれさえすれば完璧なのに…とイチの犯行現場を目の当たりにした垣原のような事をいいたくなるが…。サバエとヤッたら漫画が終わると書いたが、終わってほしくないのでヤラずにこの楽しい日常が長く続いてくれると嬉しい。作者さんも無理のないようにお願いしたい。
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