カスタマーレビュー

2019年7月2日に日本でレビュー済み
第1巻のレビューとして、
「東村アキコさんの欠点三つ、林真理子さんのカバーなるか」
という、期待を込めた文章を書きました。
この第2巻に関する限り、結果は期待以上!です。
つまるところ、「とてもおもしろい」。

第1巻で見た
「こんな豪腕でこんな自己肯定の強い中年女性、おもろいけどホンマにいたら困るわ!」
というややぶっ飛んだキャラクター(中島ハルコ)の確信的・革新的な人生は、
この第2巻でも勢いを削ぐことなくぶっ飛んだままですが、
今回は合間に彼女なりの「弱み」が描かれることによって、
「いや、ホンマにこういう中年女性、おるんや……」
と、人物像にしっかりと厚みが増しています。
このあたり、原作者・林真理子さんの手練手管が、東村アキコさんのまだ若々しい表現力と共鳴して、非常に痛快な響きを成していると感じます。
(同時期に刊行されている東村さんの「偽装不倫」のペラッペラさ(失礼!)と比べると、その印象はなおさら……いや、アレは往年の少女漫画の王道、韓流ドラマの王道、恋愛ファンタジーの王道として、それはそれでいいのですが)

東村アキコさんの「東京タラレバ娘」では、主に結婚に絡めた女性の人生を「内省的」に描き、笑い飛ばしながら読者を叱咤激励していました。主人公の三人娘には将来のロールモデルがおらず(せいぜい「未来からタイムマシンに乗ってやってきた、弱々しく老いた自分」が、叱咤激励というより、「私たちみたいにならないで」と空想上の反面教師となっていた程度)、三人揃ってすっかり人生の迷子になっており、そこが面白い部分でもありつつ、読者の中には自身の人生に重ねて薄ら寒く、拠り所のない気分になっていた人も多いかと思います。
対して本作、東村さんが物語を通じてウジウジ思い悩む女性たちを叱咤激励する構造は似ているのですが、それが「中島ハルコ」という外部からの視点を通したものであることが対照的です。腕ずくで人生を切り開いてきた中島ハルコという「ロールモデル」が存在するので、その分物語は力強く、メッセージは説得力を増し、読者は安心して笑ったり学んだりすることができます。
(しかもその「中島ハルコ」はほぼ実在の人物だという……おまけマンガ参照)

いやー、東村アキコさんと林真理子さんのタッグ、手堅い!
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商品の詳細

5つ星のうち4.6
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