カスタマーレビュー

2019年8月22日に日本でレビュー済み
とても感動する、美しい美しい物語。
人間讃歌の物語。これが王様ランキングで一貫して描かれているテーマではないかと、私は思います。人生っていうのは、人間って言うのは、いや、生きとし生けるものの全てはとても素晴らしいんです、と問いかける物語ではないかと思うのです。

この巻を読む前、きっと皆さんはダイダの事が嫌いだったのではありませんか?ボッジを騙して王になりやがって、ザマァみろ、自業自得だ。ヒリングの事を、ボッス王を盲目的に信じる少し愚かで、ちょっと強さの足りない人だと思っていませんか?ヒリングの護衛ドルーシって…誰?って思っていませんでしたか?
その全てが今巻で覆されるでしょう。彼らを愛おしく思うようになるでしょう。彼らに没頭するようになるでしょう。なぜなら彼らの弱さや、苦しみ、辛さを赤裸々に表現してるからです。漫画という技法を大変上手に使って、です。苦しい状況、その時の彼らの表情、状態を絵で描く、しかし、言葉で、セリフで答えは言わない。後は読者が考えてくださいね?お好きにどうぞ。とこう言うわけです。だからこそ、登場人物の気持ちを想像するに至り、彼らを好きになってしまうのです。
そしてそれは、おそらく4巻まで明らかに敵だと思っていたミランジョも、ボッス王ですらもそうなのです。彼らの苦しみ、弱さを描き、そして少しづつ、少しづつ救われていく。それは何故か?それは彼らも人間で、弱く儚い、愚かで直情な人達だからです。人間は素晴らしくて、愚かなんだ。と、そう思わせてくれるお話です。そう思ったらもう、彼らをただの悪とは見れません。彼らにすら幸せになって欲しい、人間讃歌の物語でした。何が悪か?何が正義か?そう言う事を問いかけている作品であるとも言えます。

今巻を読むまで、ダイダは王の器ではないと思っていました。しかし、読み終わった後、あれ?ダイダも!あれ?王の器か…?そう思ってしまいました。先の展開を読ませない、話の組み立ても成長しているように感じています。

この人間讃歌というテーマはきっと作者自身の性によるところが大きいと思います。作者が人を信じているからこそ、この作品の登場人物達も美しい人間に描けているのではないかと。この作者の努力があるからこそ、ストーリーの組み立ても段々と上手くなっているのだと。作品から作者の人柄まで見える、そういう珍しい作品でもあると思います。
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