カスタマーレビュー

2016年8月4日に日本でレビュー済み
うん、イクタくんが戻ってからペースが戻った。結局のところ9巻における諸作戦の歯切れの悪さは、イクタが考えるよりも劣った作戦を相手側が考えつき、それを帝国軍が防ぎきれないという残念な流れがあった。2年間の間に人の心がどう変化するかについて作者自身が想像しきれてない感じがあったのが、イクタくんだけかそれをやってのけちゃっているのが非常に残念である。結局のところ、捕虜生活がどのようなものであったかの描写が省かれていたにもかかわらず、穴だらけの作戦に軍がまんまと引っかかって2000人の捕虜が脱出できた茶番は覆りようもないのだが。人数はそれ自体が武器となる。これを間違う軍隊はない。武装していない100人を近代兵器で制圧する最低人員が五人。刀がまだまだ主体のこうした世界では20人。ここには最低限500近い兵隊がいたはずであり、人数に武器をもたせたら終わりである捕虜監督に置いて、最も重要なのは武器を牢獄から近いところから徹底的に排除することだ。

戦争時にこれらの法則がまもられてなかった時点であそこのプロットは破綻しているのだが、これはもう置いておこう。

みなさんが疑問に思っている件の256ページ、僕もみなさんの意見に完全に賛成である。許す許さないの問題はどうに超えており、ここでハロが退場することはなんの問題もなかった。ただ、恐怖したのだとも思う。見せかけのプロットとして一時的に退場しているヤトリの扱いに対して、これだけマイナスの評価が降っていることに。

彼女が亡くなってからすでに3巻経過したにもかかわらず彼女の名前をヒロインのいちからは外してないことは、彼女をなんらかの形で復活させる明確な意思なのだが、それ以前にこれほどまでの命が失われることによってそれが是とされない読者の感情の渦がコメントに現れてしまっている。

恐らく、彼女の死体は保管されている。だって、葬送の描写がなかったんだもの。問題はそこではなく、今後次から次に出てくるであろうオーバーテクノロジーと、死者の復活などという現代医学でも全く無理な話、これまでの人々の死と照らし合わせて荒唐無稽と取られてしまわないか、ということだ。

神話ではポルックスはカストルの命が復活するようにゼウスに嘆願する。この作品は神を否定している。しかしヤトリの席は作品中残されたまま。

精霊が人工的な存在であることは読者にはもはや疑いようがないこの状況でさらなるオーバーテクノロジーの出現が、ファンタジーとしてこの作品を飲み込んできた人々にどのような反応をもたらすか、非常に興味深い。

そういう期待値を込めての星四つです。

科学は神を超えていく。わからんでもないが、細菌の存在すら確認されず、水素の原理も、正確に把握されているとは言い難いこの世界において、とらの巻きの発見によって死者が復活するだろうこの展開、正直どうこちらを裏切ってくれるのかがもはやよくわからない。プロメテウスの火の方が双子の話より近いような気もする。こちらは神話と割り切ってる部分がある。きっちりとこちらの想像を超えてほしい。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
違反を報告 常設リンク

商品の詳細

5つ星のうち4.1
星5つ中の4.1
50 件のグローバル評価