カスタマーレビュー

2014年6月23日に日本でレビュー済み
傑作『25時のバカンス』にも通じる設定を有する
(この作家にしては)長編の第二巻。『25時のバカンス』
と同じく、鉱物・生物・無生物を一様に暖かい視点で包み込み、
触れれば指先が切れそうに繊細な筆致で描きあげる世界は
まさに現代日本に蘇ったボリス・ヴィアンと云えよう。

SF的設定、グロテスクな半生物的存在、ツンデレ的愛情表現と
全編を覆う現代的ギミック・ユーモアのセンスも素晴らしいが
そういった表象の下に隠された純文学詩情が沁みる。

聴覚・触覚・嗅覚・味覚・痛覚といった、コトバや目で見える
要素を取り除いた感覚への鋭敏さが、ほんと尋常ではないレベル。
台詞が少ない・説明が少ない・わかりにくいといった批評が、
そのまま自分の感受性のなさを表明してしまうことになる怖い作品。

第二巻ではその作品世界の説明が少しずつなされる。
それは読解への親切ではあるのだが、どこかで詩情を邪魔することに
なるのではないか、と少し心配である。仕方ないけど。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
違反を報告 常設リンク

商品の詳細

5つ星のうち4.6
星5つ中の4.6
426 件のグローバル評価