カスタマーレビュー

2020年3月30日に日本でレビュー済み
「ユーシーのことを庇っておやり。お前たちは姉妹なんだよ」
「知識はあっても優しい心はないのかい?」
「そう、天使だよユーシーは」

お世話係を押し付けられ、保護者並みの倫理観を強要され、実の親から子供時代を奪われるユージー。
「いっそ妹を殺したい。私の不幸はそれほど深い」

願いはかなった。

女の子らしい幸せは手に入れた。同時に喪失感と罪も。
16才の女の子が一人で負うにはあまりにも重い・・・。

親の愛ときょうだいの愛は違う。
小さなきょうだいは愛も憎しみもストレートで、自分の感情に自分で傷ついてしまう。
大人と違い、その理不尽な状況を消化する能力を持たないからだ。

だからこそ苦しいのだ。

両親はユージ―の中(というより外見)に亡きユーシーを見てなぐさめを見出しているだろう。
ではユージ―は誰なのか?
誰であるべきなのか?
両親はユージ―を誰だと思っているのか?
ユーシーとして生きることを望んでいるのではないか?
ありのままのユージ―を見ていたのは、無条件で受け入れてくれたのは、妹だけだったのではないか?

「『半神』は病児や障害者のきょうだいが読むにはあまりに辛い」

と聞かされていたのに、つい読んでしまった。

かつて妹に抱いた憎しみと愛が、自分自身に呪いをかけている。
ユージ―はそこから逃れる術を知らない。

ユージーの感受性を軽視してきた両親から見れば、ユージーの葛藤など他愛のないものだろう。そしてこの先も両親はユージーの存在意義が脅かされていることに気づかずにいるのだろう。
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