カスタマーレビュー

2020年11月12日に日本でレビュー済み
推理小説を読むようにして楽しむのであれば問題なし。しかしこれが史実だと言われれば、「ん~」とうなってしまう強引な説が多い。特に後半の天武天皇のくだりは。

古事記編纂において天武王朝の正当性を示すために話を作ったというのは理解できる。しかし天智・天武が兄弟でないのであれば、何故古事記からはじまる昔話はいつも弟が兄に勝つという構図なのだろうか。私は是は天武天皇が自らの正当性を誇示するために作り上げた筋書きだと思っている。
また持統天皇が天智系の血を維持するために自らが天皇になったというが、彼女はそれほど父を愛していたのだろうか。当時は母方で養育されるのが普通であり、父親にそれほど多くの愛情を抱いていたとは考えづらい。むしろ天武系を絶やさず、藤原氏の血筋を皇室に入れないために苦労したように思えるが。同母姉の息子・大津皇子を死に追いやった辺りなど、単に自分優先の人だったのでは。そしてヒステリー傾向のある人だったのではと勝手ながら推測する。
いずれにせよ、天武直系の血は耐えてしまい、天智系の血族が新たに天皇位を引き継いでいくことになる。そして称徳天皇以来、感情で物事を左右させる女性が天皇となるのを忌避する傾向が生まれていく。

怨霊信仰のくだりは平安時代までは続くと推測されるが、武家政権になってからはどのように述べていくのか興味深いところではある。どちらにせよ娯楽書だ。
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