カスタマーレビュー

2019年8月3日に日本でレビュー済み
私はかつて『僕のヒーローアカデミア』をこの上なく愛してきました。暇さえあれば何度も読み返し、楽しい日も辛いことがあった日も熟読し、その度に感動しては涙を流してきました。「これは絶対歴史に名を遺すべき名作になるはず!」と心の底から感じていたのです...それを今では全否定しなければならないのがとても辛いです...

今作では敵(ヴィラン)連合を中心にしてストーリーが展開されていますが...「今頃になって悪役にスポット?」という感覚が酷いです。ダークヒーロー、必要悪、天誅ならぬ人誅、そういった捻ったものはありと言えばありですが...『僕のヒーローアカデミア』は王道中の王道を描いてきたから今日の人気を得たはずです。どうしても敵連合をはじめとして悪役の事情や生き様を描きたいのであれば物語序章かサイドストーリーあたりでやらないと何を描きたいのか分からない滅茶苦茶なストーリーになってしまいます。どうも最近の『僕のヒーローアカデミア』は急にyoutuberを出したり新旧反社会的勢力の内部抗争を描いたりと、行き当たりばったりというか時事情報からヒントを得て急場しのぎのストーリーを描いているとしか思えません。勧善懲悪とまではいかないまでも、たとえ誰かを助けられないかもしれないけれど絶対にあきらめず、助けたいから助けられるようあがきつづけるという皆のまっすぐな姿勢がこの作品の売りだったはずです。変に妥協したり、それぞれに事情があると何度もしつこく描いてしまっては、ただのノンフィクション作品であり、爽快感も締まりもないストーリーになってしまっています。

オールマイトの引退でストーリーの続け方が難しいというのもあるでしょうが、やはり夕方5時台という子供向けの時間帯で新たなファンが膨大に増えたため全方面に配慮したストーリー作りが求められるようになったことで作風が滅茶苦茶になってしまったのだと思います。さらに映画化もあり、これまでのファンが疑問を感じるような展開になったことで古参のファンではなく新参のファンを開拓していかなければやっていけなくなっている事情も理解できます。これはどんな作品も必ずぶつかる問題であり、やむをえないことだと理解しています。

問題なのは読んでいて面白くないこと、読み返す気にならないほどつまらなくなったことです。はっきり言えば面白ければ何も問題がないのです。面白くないから気分が悪いのです。色々な方面にストーリーを展開した結果、広げ過ぎた風呂敷を閉じれなくなっているストーリーなんか面白くもなんともありません。

媒体は違いますがアニメであれば『ダーリン・イン・ザ・フランキス』や『鉄血のオルフェンズ』、ライトノベルであれば『僕は友達が少ない』のように読者の期待を越えるすごい結末にしようとした末に読者の期待を裏切る酷い結末で終わった作品は数多いです。もはや『僕のヒーローアカデミア』もそういった作品の仲間入りをしてしまいそうな気がしますが...何とか初期の頃の爽快感あふれるストーリーを取り戻してほしいものです。

大変厳しいレビューになってしまいましたが、皆さんの参考になれば幸いです。
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商品の詳細

5つ星のうち4.7
星5つ中の4.7
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