カスタマーレビュー

2015年7月28日に日本でレビュー済み
器用な浅野君と人付き合いの苦手な筧君の話です。好きになるまで、付き合うまでという、作者がお得意の心の揺れを描いているのですが、今回は主人公である浅野君の人となりが丁寧に描かれていて、彼の幸せを願わずにいられない気持ちにさせてくれます。
浅野君にはいくつかの顔があります。バイトでの調子の良い社交的な顔、自宅に戻って謎の先輩と共に、その日の出来事に対して戸惑い、悩み、そして喜ぶ顔。そして、筧君との恋の駆け引きをする顔。

バイトでの役割を演じきる顔(外)は、組織が期待する有能な同僚であり、部下です。彼の行動と発言はある程度予想ができるものです。
他方で、先輩とやりとりする自宅の顔(内)は、感じたことに素直で、自分が目指すものに対しても純粋に向き合っているように見えます。子供が親に話すように、こうなってほしいという希望を話しているように見えます。

肝心の筧くんとのやりとりは、見えにくいです。筧君目線の進行に変わってしまうこともあり、浅野君の心の内は読めません。その彼の心の動きは、「内と外」に象徴される、自宅に足を踏み入れることで前進するのですが、この対比は緻密な作者の作品を読んだことのある読者には薦められるのですが、1作目であるなら少しわかり辛いかもしれません。
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