カスタマーレビュー

2019年8月2日に日本でレビュー済み
面白い!
めちゃくちゃ面白い!

この巻は前巻までの自己紹介の巻と違い、物語が動き始める。起承転結の承の巻と言ったところか。
物語を動かすにはいくつかのパターンがあるが、作者のスタンスとしてやはり先読みされたくないっていうのが普遍的にあるものだと思う。そこを意識しすぎて、あまりにも唐突な、訳のわからない物語の動かし方をする人がいる。極論を言えば、隕石が降ってきたり、異世界に召喚されてしまったりとかだろうか。そんなことをすれば当然、読者は離れていく。そうならないように、起承転結の起の部分で様々な伏線を張っておく。これからこんな感じで物語が動いていきますよ〜、と読者に根回ししていく訳だ。それが下手だと先の展開を予想されてしまう。この根回しを上手く描き、且つ先の展開を読ませないのが、上手い伏線と言い、上手い話と言うのだと思う。偶に勘のいい読者がいてバレてしまう事もあるが。

今回の巻は、この作者は伏線と話の作り方がとても上手い方だと分かった巻だった。

正直、ネット全盛期の今、日本中の読者全てを欺くことはほぼ不可能じゃないかと思っていた。読者の中にも頭のいい人が沢山いるから、ネットで先の展開を当てる人の一人や二人居てもおかしくないと。しかし、私もネットで色々この作品の評価を追っていたが、今巻の展開を予測できていた人はいなかったと思う。急転直下で物語が我々の予想外の方向に動くのにも関わらず、それはちゃんと伏線として根回しされていた範囲であるというお話だった。素晴らしい、本当に素晴らしいストーリーテリング能力だと思う。脱帽しました。

ついでにもう一つ。私のジンクスのようなものだが、なにがしかの狂気を描くのが上手い作家の作品は面白い、という判断基準がある。狂気というものは、何を考えているか分からない、にもかかわらずそこに圧倒的な説得力がある物を指すのだと思ってる。だが、古今東西様々な漫画で狂気が描かれているのにもかかわらず、その殆どが狂気っぽいガワだけをチープに貼り付けて、それっぽく表現してるものばかりだ。だから、狂気を演出する箇所でちょっと冷めてしまう事がよくある。狂気っていうよりなんかこれ…厨二じゃね?みたいな。いたたまれなさと恥ずかしさがこみ上げてきてしまう。狂い、と言うものは常識や普通から外れた物を指すので、それを表現するには、本来、とてつもない発想力が必要なんだと思う。実は、軽々に手をつけられるものじゃない。
しかし今回の姫野先輩の必殺技。あれはまさに、狂気と言っていいだろう。誰があんな化け物を想像できるだろうか。どういった脳みそをしてればあれを思い付けるのか。まさにあれは、作者の狂気が紙面に叩きつけられたものだと思う。あれを思いつける作者の発想に恐れ入る。作者は逃げずに狂気に立ち向かい、そして打ち勝った。発想の凄さで言えば、アキくんの必殺技も素晴らしい発想だった。作者の引き出しの多さに感動してしまった。ここからきっと色々なキャラクターや、その必殺技が出てくるんだと思う。しかし作者のアイデアがこれほどまでなら、そのいずれもぶっ飛んでるに違いない、そう思わせてくれるワクワクがある。

今回のレビューは色々ぼかしてしまった。それはひとえに、このレビューを見て、この本を読もうと思った読者が、今巻を初めて読むときの楽しみと衝撃を少しでも損ねたく無いと思ったからだ。

久しぶりにジャンプを買って読もうかと思ってる。この作品の最新話をすぐ見たいから。
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5つ星のうち4.8
星5つ中の4.8
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